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コネコとシイナさんと、うどん #コネコビト

土用の丑の日にうなぎを食べたことなんてあっただろうか、とシイナさんは考えます。
なかった気がする。
子供の頃食べたけど、よく考えたらお盆だったような。
そうそう、お婆ちゃんち。

今年も丑の日は、うなぎではなく、牛ですらなく、ウニでもなく、そう、うどんです。
「おうどんにゃあ」

「今年は天ぷらうどんにゃ?」
「まさか」
素うどん…だと寂しいし、栄養価も低そうなので、月見うどん。
あとほうれん草も乗せて。
「ジャングルとシスコムーンにゃ」
「なにそれ」
茹でたうどんと具を次々と丼に入れていくだけなので、あっという間に出来上がります。
「天かすかけてにゃあ」

だし汁は関西風、というか、こんぶ茶ベースで醤油はほんの少しの、かなり薄味のおつゆ。
暑いとつい飲み干したくなるので、薄めが良いと思って。
シイナさんは七味もぱらり。
コシのある稲庭うどんは啜ると勢いよく口の中に入ってきます。
「生きの良いうどんなのにゃ」
「とれたてだからね」
「にゃにゃ」

うなぎが絶滅するのと、シイナさんの懐が豊かになるのと、どちらが早いだろう、と考えると悲しくなります。
頑張れ、どこかの大学でうなぎの養殖の研究をしてる人々。
「そういえば、スーパーでうな二郎っていうの売ってたにゃ」
「何それ」
「…次男?」
うなぎ一家もいろいろ大変そうです。

おもに日々の角ハイボール(濃い目)代の足しになります