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「変わってんのよ、あの人。」樹木希林

映画のパンフレットに使用する写真を、出演者の所属事務所に送って確認してもらう作業をしていた時のこと。
主人公の姉を演じた樹木希林さんの事務所に電話を入れると、電話番だという女性が応じてくださいました。

「掲載写真?スチールカメラマンの人が撮影した写真だったら、どれ使っても大丈夫だから」
「え?実際に確認されなくてもいいんですか?」
「大丈夫よ。どんな写真だって本人なんだから一緒よ。そういうとこ、全然気にしないの。変わってんのよ、あの人。アハハ」
結局ノーチェックのまま、パンフレットには弟を案じる表情の写真が掲載されました。

それから20数年が過ぎ、2018年に希林さんが亡くなられて生前の著作物が再び話題に。

数冊を買い求め、「映画の記者発表会で一緒に写真を撮ってもらったっけ」「撮影現場で談笑したなぁ」などと懐かしいシーンを思い浮かべながら読み進むと、ある記述に目が留まりました。

1988年以降は事務所も閉鎖して、すべて自分一人でやっている…
ということは、あの電話番だと名乗った女性は?
そう言えば、「声が似てるなぁ」と感じたたことを思い出したのです。あれはやっぱり…!

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