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春に。

3月1日。
電話口で、私たちは復縁した

別れたのが1月の半ばで、そこからたったの1ヶ月半後のことだった

なんだかんだと決別できなくて、
多くの時間を共にした。

1週間考えさせて、と
まったく連絡を取らなくなったり
色んなことがあった

2月28日の夜、電話がかかってきて、
やっぱり付き合うことはできないってそうはっきり言われた

彼は3月1日が誕生日だったから
ああきっと、25歳を迎える前にキリをつけたかったんだなって、そう思ったし受け入れた。

そして話していたら0:00を迎えて。
誕生日おめでとう
良い日を、良い25歳を過ごしてね。
そう心から伝えきって、私は電話を切ろうとした

そしたらそこで彼の方が、電話を切れなくなってしまって。
もうどうしようもないねって
じゃあお試しでもう1回付き合う?て
そんなに切れないんなら、て。

決して前向きなリスタートではなかったし
なんとなく2人とも、モヤモヤしていたし
その後はぎこちなくて。
なんだか会っていても不思議な感じで
ずっと距離をはかりかねていた

だけれど3週間程経った最近は、
なんだかめちゃくちゃに、自然で。
もう戻れないかなって、思ってたのに
付き合い始めとなんら変わらない2人の空気感。

というか、何かを越えた、心地よく安心出来るそんな空気感が、漂い始めている

一緒にいることが苦しかったこれまでとは違って、
お互いが自然にお互いを思いやれていて
一緒にいられるなってなんだかそう、自信を持って言えるような、そんな関係。

彼の口から未来の言葉を聞いたことは1回もなかったし
正直言うと私も、描けたことはあまりなかったのに

この前ぽろっと、未来のことを口にした彼は何を思っていたのだろう
決して結婚とかいうありきたりな言葉でもなくて
ただ、仕事と家事の2人のバランスについて
すごく合ってるな、と思う在り方を呟いてくれた彼。

なんだかきっと、そういうものなのかもしれなくて。
何かを求めていたり、執着している時は不思議なもので、上手くいかなくて。
執着はしないけど、ただ一緒にいるのが楽しいなとか嬉しいなって
あくまで自分の生活があった、その上で。

1月も2月も想像のできなかったような、
ほんの少し前までの、疑心暗鬼で不安だらけで
現状に自信を持てなかった時からは思いもよらないような

そんな、春を迎えられてしまって。

上野動物園を去るシャンシャンとともに、私も上野に別れを告げたはずだったのだけれど
どうしたことか、

春に。
私は再び、上野の地に足を踏み入れて
夜桜を見ながらケバブを食べて
幸せを噛み締めることが出来ている。

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