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"ないない”

 私は“ないない”するのが好きだ。小さい頃、お母さんによく「ほら、おもちゃ“ないない”して」と言われた。いや、最近でも犬に「おやつ“ないない”の刑」を執行したことがある。要は何かを隠したり、見えなくしたりすることを指す。

数ある“ないない”の中でも、片付けは好きな方だ。自分の目が届く範囲には、なるべく物が見えない状態をつくりたい。スッキリした気持ちになる。

ただ皆さんお気づきの通り、片付けているということは、散らかっているということでもある。そう。私は“ないない”も得意だが、“あるある”もまぁまぁ得意なのだ。

というか、普通に生活していたら部屋中“あるある”になるのが当たり前だ。ホコリは自動的に”あるある”していくし、今日着た服も洗濯しなければ洗濯機の中に“あるある”のままだ。何かを買えば、その包装はゴミになるし、何かを食べれば芯を捨てたり皮を捨てたりしなくちゃならない。

自分が掃除機をかけるから生活できる衛生状況の部屋になるし、お母さんが洗濯機を回すから明日着る服がある。お父さんがゴミ出し当番を全うするから家がゴミ屋敷にならずに済む。つまり、“ないない”とは生活の営みであり、みんな一度は考えるべき重要な話題なのだ(無理やり必要性や需要のある書物に仕立てようと頑張っている感が見えるかもしれませんが、どうかお見過ごし下さい)。

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