2018/2/28(水) 9:30 社会人一年目の私へ
お疲れ様。ちょうど自宅の最寄駅に着いて、公園のベンチに腰掛けたところかな。
まだ寒さが残る平日の朝。出勤用の格好で膝を抱えて座り、涙を流す若い女に目を向ける人なんていなかったね。
その日、朝家を出た瞬間から涙が止まらなかった。でもなんとか堪えて電車に乗り、駅を出て会社にたどり着いた。でもやっぱり涙は止まらなくて、自分の席よりも先に上司の元へ向かった。
「明日は必ず出社するので今日は休ませて下さい」
理由も言わず泣きながら懇願する私を見て、上司は何も聞かずに突発休を許してくれた。
仕事が上手くいかなくて、周りに迷惑をかけてばかりで、どうしても前を向けなくて、人生初めての挫折を経験した社会人一年目の私へ。
まず驚くべきことに、私は今でも同じ会社で働いている。そして正直なところ、今でも辞めたいと思うことがある。それも結構な頻度で。
もしかすると私は、この先ずっと葛藤しながら生きていくのかもしれない。
でも、ここまで読んで絶望しないでほしい。結論を出すのはもう少し、ほんの少しだけ待ってほしい。
オトナたちはよく「失敗や挫折をした経験は人生の財産だ。意味がない経験は無い」と言う。学生時代優等生だった私は、これを馬鹿正直に受け入れて生きてきた。
でも本当に辛い時って、そんな言葉信じられないんだよね。だって辛すぎるんだもん。
どんなに足掻いたって前に進んでる実感がない。今の経験が何につながるのか全然分からない。そしてなにより、仕事をすればするほど失敗して、周りに迷惑をかけていく。
私は今、何のために経験を重ねているの?頑張っても頑張っても迷惑をかけ続けることに、何の意味があるの?早くに辞めて他の仕事を探した方が、私のためにも周りの人のためにも良いんじゃないの?
どうやって乗り越えたと思う?
残念ながらドラマチックな出来事は起きない。
でも本当にごく最近、上司からもらった言葉が今の私の支えになっている。
「頑張っているあなたを見捨てることなんてしない。あなたが一人前になる事が、あなたに関わった全ての人の喜びになる。だから自分に集中して向き合いなさい」
成長の遅い私に見切りをつけず、見守り続けてくれる上司がいること。
私が今でもなんとか仕事を続けていられるのは、こんな私でも一人前になれると信じてくれる上司の期待に応えたいと思うからだ。
綺麗事ではなく、初めて本当の挫折を経験した上で心の底から思うからだ。
2018/2/28 9:30の私へ。
この後お母さんとパンケーキを食べたら落ち着いてくるよ。今日はしっかり休んで早く寝てね。
あなたが選んだ会社人生、なかなか捨てたもんじゃないよ。