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鳴沼透
2016年12月17日 22:55
「……っ、だーっっ!!」夕日に向かって叫んだ。真っ白で、空っぽの、平和で平和じゃないこの世界に向かって。緑色の、胸あたりまであるフェンスを乗り越え、もう一度息を吸う。「何やってんのお前」「は、誰?」もう一度、この空っぽで何もない世界に叫ぼうと思った時、後ろから話しかけられる。「いや、同じクラスだろうが」「あー、そうだっけ?」へらへらと笑って返す。「先生呼んでた」「え、マジ?」