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シン仮面ライダー

庵野秀明監督作品、池松壮亮氏主演作品「シン仮面ライダー」を見てきた。

写真見てもらったら分かるようにこれ4/5に見に行ったんだけど、見てからの興奮がなかなか醒めず冷静に文章を書ける状態ではなかったので、ここまで置いていた。

この作品結構な賛否両論が両極に別れているらしい。
確かに、YouTubeで映画レビューを載せてる人たちを見ると、めちゃくちゃ絶賛している人もいれば、かなり辛辣な批評をしている人もいた。

ただ私は言いたい。
この作品めちゃくちゃ好き。

以下ネタバレあり感想


予告からしてカッコ良い

映画を見るためにシアター内にいると、大体これから公開される映画の予告が流れる。
その時この映画の予告が流れていた訳だけど、その時の予告がカッコ良すぎるッ!!!

セリフはなく、劇中の映像と効果音と音楽で構成されたその予告は、「あ、これから何か起こりそう……!」という期待感を高めてくれる。
あの顔面アップの映像が短時間で、次々と切り替わっていくところとか、庵野節ガンガン効いてて超ワクワク。

これぞ大人の仮面ライダー

映画の序盤、バイクをトラックが追いかけるように走るシーンでもう1200円分は満足した。
また、クモオーグがルリ子を捕まえて、そこに本郷が仮面ライダーになって助けに来るシーン。
ショッカーが容赦なくボコられていくあのシーン。
本郷の拳や、足がショッカーに少しでも当たれば、血飛沫が飛びまくり、肉体は破片となって無機物と化す。

それはもう子供の頃、私が見ていた仮面ライダー(私は電王をみていた)とは全然違う。
当たり前だけど。

これぞ大人の仮面ライダー。
無邪気に正義の味方を応援してたあの時から幾分か成長し、純粋以外のものを身につけた私にとって、何かを倒すということはこういうことだよなと納得させてくれる映像だった。

存在しないはずの思い出が蘇る

このシン仮面ライダーって、私が生まれるずっと前の昭和ライダー、それもか藤岡弘、さんが演じた第一号の仮面ライダーをオマージュしてる。
当然私は知らない。見たこともない。

そのはずなのに、どうしてこんなに懐かしい気持ちが溢れるのか。

本郷と一文字が変身ポーズを撮る時の効果音とか、ライダーキックの構えとか、思わず「かっこいい……」と声が漏れてしまうほどワクワクしたし、私のなかの知らない、存在しない思い出が蘇ってくるようだった。

1号の変身ベルトほしい。

生物の神秘は一瞬にして奪われる

今回出てくるショッカー側の幹部たちはそれぞれ昆虫や爬虫類をモデルにしている。

蜘蛛……蝙蝠……蠍……蜂……蝶etc

所謂危険生物をモデルにしてるのだと思うけど、この悪役たち本郷や政府の人たちにすぐにやっつけられる。
サソリオーグとか長澤まさみさんを起用してるのに(めちゃくちゃ綺麗で可愛かったけど)ほんの一瞬の出番で終わってしまう。
蜂オーグはルリ子の思いを汲んだ本郷が見逃そうとはしてくれるけど、結局政府の人間の策略によってサソリオーグの毒に打たれ死んでしまう。

実生活でも昆虫なんて、すぐに退治できてしまう。
私は死ぬほど虫が苦手で、あの巷で有名なGとエンカウントした時は発狂しながら殺虫剤を振り撒いて息の根を止める。
※息の根が止まった昆虫も死ぬほど怖いので、最終的にお父さんに処理してもらう。情けない。
よくよく考えれば、小さな昆虫に宿っている命も、私たちの命も同じものなのに人間は何の躊躇もなくそのちっぽけな命を奪っていく。

登場するオーグが呆気なく死んでいくたびに、そんな人間の惨さみたいなのを感じた。

孤独と愛と継承

テーマにもなっているこの三つの言葉。

「孤独」「愛」「継承」

バイクは1人で乗るものだし、一文字もバイクのことを「孤独を楽しむ乗り物だ」と言っていた。

組織を抜け出したルリ子も、コミュ障故に就職できなかった本郷も、フリーライターをやっていた一文字も基本みんな1人だった。
そんな孤独の道を進んでいた者たちが、互いの想いを汲んで、助け助けられ絆を育み、人の愛に気づいていく。

ルリ子のお父さんもルリ子も本郷もイチローも最終的には死んでしまうけど、それぞれの強い願いと意志は確実に引き継がれていき、最終的には仮面ライダー2号となる一文字隼人がその意志を引き継ぐ。

「僕は群れるのは嫌いだ。だけど、好きになってみることにする」

「シン仮面ライダー」/一文字隼人のセリフ

ぼっち生活、ぼっち行動上等の私はとにかく団体行動が苦手だった。
だから一文字の明るい性格と、口調で言われたこのセリフが個人的にめちゃくちゃ刺さった。

ラストシーンで1号の仮面を被ってバイクを走らせている時、「速度を上げてくれ」と本郷の声がする。

「僕たちはいつも2人だ」

「シン仮面ライダー」/本郷猛のセリフ

辛い過去を背負った本郷の前に、一文字という希望が現れ、幸せに気づく。

セリフとと名前の伏線回収、最高。

絵画が強すぎる

この映画とにかく出ている俳優陣がとにかく豪華。

主役、準主役の池松壮亮さん、浜辺美波さん、榎本佑さんだけでも絵面が強いのに、さっき言ったサソリオーグの長澤まさみさんの他に、クモオーグには大森南朋さん、蜂オーグには西野七瀬さん、カマキリ・カメレオンオーグ(←これに至っては顔ちょっとしかでてない)そして物語のラスボスとなる蝶オーグには森山未來さんと、とにかく強い。もう字面だけでも感じるオーラがある。

大体ヤスケンと仲村トオルさんなんてマジでどこに出てきたのよ……ってレベルだし。

それであのサイクロン号の変身のシーンとか、ヤバすぎないか??
カッコ良すぎない??
バイク乗りたくなったんですけど。
※免許持ってないけど。

あとアクション。

酷評する人の中で、アクションが安っぽいとか、アクションがダサいと言ってる人が多いけどーー。

そんなにダメ?

確かにおや?とは思う場面はあるにはある。
でも、私は乗れた。
特撮とかアクションのこと何も知らない素人だから?

本郷と一文字の空中戦は、青空と工場バックで漢の闘いって感じでめちゃくちゃ良かったし、その2人が、イチローのバッタオーグをトンネルの中で蹴散らすシーンは、暗闇とバイクと火花のコントラストに目を奪われて私はすごく好きだった。

あと蝶オーグとの対決のシーン前の森山未來さんのカクカクした動きも、ラスボスに相応しい気味の悪さと不気味さで大好きだった。

最後に

時代が望む時、仮面ライダーは必ず復活する。

石ノ森章太郎の言葉

正義の味方ってやっぱりかっこいい。
それは大人になっても変わらない。

目をキラキラ輝かせて、何かに強く憧れたいあなたに是非。

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