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大相撲力士について記憶をあいまいにたどってみる~琴錦~

彼は現役時代も引退後の人生も壮絶であった。
引退してから20年以上も、いわゆる借り株で親方業をしのいできたのだ。
親方株を手に入れることができず、廃業せざるを得ない元関取がいるなかで、まさに薄氷を踏む思いで後進の指導を続けてきたのだ。
そしてついにつかんだ朝日山親方としての朝日山部屋!!
若貴全盛期にF1相撲と呼ばれるスピードで大関までもう少しの地位に上り詰めた。しかし、プライベートでのスキャンダルにまみれてしまい最高位は関脇止まりだった。
スキャンダルと若貴キラーという役回りから悪役のマイナスイメージを持たれていたが、二度の平幕優勝は角界に燦然と輝く歴史である。
一度目の平幕優勝がかかった千秋楽の相手は、大人気の業師・舞の海だった。どんな仕掛けの応酬があるのか楽しみにしていたが、フワッと腰の浮いた舞の海を一瞬で土俵から突き出した。
あまりのスピードというよりも呆気なさに、舞の海への失望感が一気に広がった記憶がある。
なにやってんだよー!と。
それはそれとして、「心を入れ替えた」と言われ、自身の部屋を興すところまでこぎつけた琴錦の親方業をこれからも楽しみにしている。
文字通り、足元をすくわれないようにしっかり四股を踏んでやってくれ。

*画像はAIイラストくんが作成してくれた「琴錦」です。

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