––すべての面がこっちを向いている
(山峰潤也|一般財団法人東京アートアクセラレーション 共同代表)
中園さんがインタビュー映像で、そう答えた時、ぞくりとした
それは紛れもなく画家の言葉だ、と
「すべての面が、僕に描かれることを待っている」
描く側と描かれ側、そう二分された世界観
そういう感覚なのだと思う
ただ、こうした画家としての核心とは裏腹に
映像の中で言葉を紡ぐ彼の存在は、儚い透明感に満ちている
都会の雑踏も、海や森の中も、
同じようにナイトクルージングしていた彼の心の襞
それが絵画に描かれていたのだろうか
20代とは思えない洗練された表現と
大人になりきらない少年のあどけなさが同居した世界
彼が描くその世界を覗き込めば覗き込むほど
瀬戸内海に消えていった才能の続きが見れないことが寂しくてしようがない