中澤篤史

早稲田大学スポーツ科学学術院・教授・スポーツ社会学。部活のあり方や問題を研究中 。コー…

中澤篤史

早稲田大学スポーツ科学学術院・教授・スポーツ社会学。部活のあり方や問題を研究中 。コーヒーと囲碁が好き。Twitter: @naka_AT_sushi

最近の記事

中澤ゼミの卒論

早稲田大学スポーツ科学部では、学部授業の総仕上げとして、卒業研究に取り組みます。 受動的に知識を受け取るだけでなく、能動的に知識を生み出す、この経験は何よりも変え難い学習効果がありますね(当然その分大変だけど!)。 中澤ゼミの学生たちも、毎年もれなく卒論を書いています。 その成果を披露する卒論発表会の様子を、Twitterで実況中継していたんですが、そのつぶやきをまとめて卒論テーマをご紹介♪ 2019年度の卒論発表会(サムネイル写真:コロナ前で打ち上げも行けたな〜) 「就

    • 東伏見でフットサル

      ぼくは早稲田大学の東伏見キャンパスで働いている。西武新宿線の東伏見駅からすぐの場所で、住所で言えば西東京市だ。 早稲田のメインキャンパスとは離れているけど、スポ科らしく、野球場とかアメフト場とか体育館とか、あと東京オリパラ2020の公式練習会場になった馬術場とか、スポーツ施設がたくさんがあるキャンパスで、そこにサッカー場もある。 そのサッカー場の端っこで、長らく、東伏見キャンパスのスポ科教員や大学院生が集まってフットサルを楽しむ、というレク企画が続けられていた。もちろん有

      • 博士の狂気:えっ、こちらの世界にも興味あるの?

        大学院進学って意味あるの?と思っている方へ向けて、はい、文系でも修士課程は大きな意味がありますよ、という記事を書きました: じゃあ、博士課程はどうか? そんなものに興味がある人はあんまりいないと思いますが...えっ、こちらの世界にも興味あるの? あら、珍しい人もいるもんだ。じゃあ書きます。 最近では事情も変わってマイルドになってきたとはいえ、やっぱりちょっと独特の雰囲気があることには変わりなく。個人的な経験と観測の範囲では、良くも悪くも、狂気の世界でしょうかね。大学や分野

        • ぼくたちは通じ合っている

          ぼく「最近、どう?」 学生「ちょっと聞いてくださいよ〜」 ぼく「なんかあった?」 学生「この間、電車に乗ったんですけど、7人がけの椅子があるじゃないですか。それで、端っこと端っこに座っている人がいて、次の人がド真ん中の席に座ったんですよ。そしたら俺が座ろうとしたら、誰かの隣にしか座れないじゃないですか。なんでド真ん中に座るんだ、と」 ぼく「なるほど。つまり、1人目が1番目の席に座って、2人目が7番目の席に座ってたら、3人目が4番目の席に座ったと。そして、あなたが2番目

        中澤ゼミの卒論

          修士の効用:大学院進学って意味あるの?と思っている方へ

          「大学院って何するの? 学部卒業後にもっと勉強するの? なんか意味あるの?」とよく聞かれます。大学院は、より高度な知識と能力を身につける場所です。受動的な勉強だけではなく、能動的な学術研究、つまり自ら問いを立てデータを集め知識を生み出すことをめざします。 で、その意味はいかに? 理系、とくに工学系なら、大学院の意味は明確で、就活に有利。エンジニアになるには修士号は不可欠で、博士号も効果的ですね。 じゃあ文系は? 社会科学系でも学者になるには学位が必要なので、大学教員になり

          修士の効用:大学院進学って意味あるの?と思っている方へ

          「長澤先生」って誰やねん

          先日、某テレビ局から取材依頼があった。遠方の方やし、時世柄オンラインでインタビューを受けることになった。自分ではいつもZoomを使ってるけど、先方の都合で、初めてTEAMSというアプリで招待いただいた。 しかし、よし時間になったんで入ろうかとクリックしたら、まずはアプリをダウンロードしてくださいとか、参加登録が必要だとかで、ウダウダしてたら予定時刻に遅刻、、、うおっ、ごめんなさい。 で、遅刻しながらTEAMSに入ったものの、使い方がよくわからず、音声は聞こえるけど、カメラ

          「長澤先生」って誰やねん

          続けて学部生たちとフーコーを読む

          大学教員になってゼミも始まり、ただ1人やってきた学生と差しでフーコーを読んだ。その時の話は、こちら... その一年後、もう1人ゼミ生がやってきた。部活にのめり込む体育会バリバリの新しい3年生が、ぼくのゼミを選んでくれた。フーコーを差しで読んだ学生は4年生になっていたので、せっかくだから一緒にやろうと、3・4年生合同のゼミ。といっても、ぼくを入れてたった3人でのゼミだ。 さて何をする? もちろんフーコーを読んでみよう。ここまで『狂気の歴史』と『言葉と物』を読んできたので、『

          続けて学部生たちとフーコーを読む

          鬼滅の刃

          半年以上前でしょうか、コロナでどこにも遊びに行かれへんので、息子が読みたいと言っていた漫画『鬼滅の刃』を買いに近所の本屋に行きました。 噂は聞いてたけど、どんな話なん? おもろいの? 騒ぐほどのもんなん? と半信半疑で本屋に行くと、何やら『鬼滅』は特別にカウンターで店員さんに取って来てもらうシステムだったもんで、「あのー、鬼滅の刃の1巻ありますか?」と聞きました。 すると店員さんが1巻を持ってきてくれたんやけど、気のせいか(おやおや、あなたもついに鬼滅はじめましたか)的な

          鬼滅の刃

          学部生と差しでフーコーを読む

          10年ちょっと前、大学教員になった。さぁ、一応の一国一城の主として研究室を主宰して、いよいよゼミ(少人数の演習授業)を始めることになった。 しかし、誰も来なかった。当然だ。学部最年少で知名度ゼロのぼくのところに来る奇異な学生は、そうそういない。だが数年経つと、ゼミ希望の学生が1人来た。そう、たった1人。 でも1人でゼミやるの? 他の人気ゼミに行ってもええよ? それでもぼくと差しで何かする? 小難しい本を読むくらいしかでけへんけど。フーコーとかでも読みますか、ハハハ、とか何

          学部生と差しでフーコーを読む

          「大丈夫です」って大丈夫ですか?:おっさん目線で考えた

          コロナの脅威がおさまらず、また緊急事態宣言が出ちゃったもんで、家族で外食もできなくなって、ああー、焼肉でも行きたいなぁ、牛角でも行きたいなぁ、と思ってたら、牛角がテイクアウトの「牛角弁当」を売っていることを知って、近所の牛角までチャリ飛ばして買いに行きました。 牛角に着いてみると、売ってました売ってました。若い店員の姉さんに注文を頼んで、ワクワク待つことにしました。ふと店内を見ると、意外に混み混みで、どうやら予約も埋まっているらしい。へぇー、コロナな緊急事態宣言やけど、来る

          「大丈夫です」って大丈夫ですか?:おっさん目線で考えた

          若者に「平等」問題が刺さらない:サンタ目線で考えた

          ゼミや授業で若者としゃべっていると、「平等」問題が刺さらなくて、あれれ?と思うことがあります。 たとえば、「男も女も平等に」「障害があってもなくても平等に」「お金持ちでもそうでなくても平等に」「誰でもみんな平等に」「どんな学生も平等に」というテーマで議論すると、あまり共感してもらえません。あれれ、不平等って嫌じゃないの? 若者のご意見としては、「全部同じにするにはお金がかかりすぎる」とか、「違いをすべて無くすのは大変だから」とか、「別に自分は今のままでいいんです」とか、「

          若者に「平等」問題が刺さらない:サンタ目線で考えた