山道の遭難 その2
今日は、山道の遭難、その2についてお話しをします。
私たちは4人で山梨県の山に登ったんですけど、道に迷ったあげく私は斜面から滑落して左手首を怪我してしまいました。
骨は折れていないようでしたが血はどんどん出ているので、その時持っていた生理用のナプキンを巻きつけて止血をしました。
怪我をしても登るしかありませんから、自力で貯水タンクの辺りまで登りました。
でもそこには山小屋はありませんでした。
斜面は緩くなって細い道を見つけたんですが、今思えば獣道だったんでしょう。どんどん分からなくなりました。
そしてついにビバーク、野宿をすることになりました。
季節は夏で寒さには耐えられましたが、とっくに水が底をついて喉はカラカラ。食べ物といえばカロリーメイトしかありません。
不安な夜でしたが、私達女性はおじさんに「無事に帰れたら銀座で豪遊させてくださいね」と半ば本気で冗談を言い合いました。
山で迷った時はとにかく頂上を目指すこと。その方が遭難した時人に見つけてもらいやすいからです。
早朝から再び登り始めて山頂に立った時、雲海の中に真っ赤な富士山が見えました。
こんな事態でも富士山は美しかったんです。
でもここからが大変。
この山は長い尾根なんですね。山小屋から離れた所に出てしまったんです。
そこで体力の限界になっていた私とおじさんはとどまり、元気な女性2人が山小屋を探しに先に進むことにしました。
そこで2人は山小屋から探しに来ていた男性2人と出会い山小屋へ向かいました。
私たちが泊まる予定だったのに来なかったので、探しに来てくれてたんですね。
そして、その男性2人は私とおじさんを迎えに来てくれたんですが、私の怪我の状態を聞いて救助ヘリを呼んでくれていました。
そしておじさんは、男性2人ともう1泊一緒にビバークしてから山小屋に合流するということになりました。
救助ヘリ、来たんですけども、浮き輪のようなものが一個降りてくるだけなんですね。
1人でつかまって昇って来てくださいという感じなんですけども。
吊り上げられた私、あっという間に引き上げられ山を降り病院と警察に行きました。
警察では「立入禁止のルートに入っちゃだめじゃないですか!」と怒られました。
そして始末書を書きました。
一足先に下山した私だったので、翌々日、みんなが無事に合流して帰ったということを知りほっとしました。
その後、おじさんのおごりで銀座で豪遊したのは言うまでもありません。
いろいろな方に迷惑をかけたり心配をさせてしまったので、あまり面白いネタとして言いたくは無いんですが、私の中では1つの大きな経験となっています。
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