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『三国志拾遺 正』第二章,補遺②

第二章「山越とその居住域」で,宗帥以下,「宗」字を冠したタームを,山越とは異なる実態を有していた,さらに言えば漢族の血縁集団と考える中国の研究成果を紹介したが,国内でも堀敏一「異民族支配からみた三国時代の位置」(同『東アジア世界の形成――中国と周辺国家』,汲古書院・汲古叢書,2006年,第三章)が,「漢人の土着豪族たちは多く宗族を結んで団結していたから,かれらは宗部・宗伍などとよばれた.呉が戦ったのはこれら山越と宗部であって,宗部は山越と共同し,山越のなかに逃げ込んだ宗部もあって,この時期に山越とよばれた勢力は,純粋な非漢民族とはいえない面がある」(114頁)と述べる.

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