ここ数年で好きなボカロ曲について

上半期、下半期とTwitter上にボカロ10選を上げているものの、数年に渡って継続して好きな曲の話をする機会がなかなかないので個人的にまとめることにした。個人的な解釈や思い入れについての話が多い。19曲になった。キリが悪い。とりあえず全部聴いて欲しいという気持ちはある。

以下の3つのジャンルに分けておく。
〇おれらのうた
 ニコニコのタグに「おれらのうた」がついているかどうかに関わらず、共感しながら聞いてる曲。
〇強感情
 文字通り。
〇個人的な好み
 歌詞とメロディどちらもすごい好きで上記2つに当てはまらないもの。

〇おれらのうた
・絶叫モブB/梨本うい
 初音ミク。梨本さんの曲は、どれも明るくないのに開き直りとはちょっと違う明るさがあって好き。モブAにもなれない人の歌、というコメントを見てなるほどなと思った。自分が覚えている相手は、きっと自分のことを好きではないし自分のことなんか覚えていない。そんなもん。夢ですら現実逃避はできない。

・さかさま人間/DIA
 初音ミク。嘘つきな人のキャラソンにしたくなるが、この曲はふてぶてしい嘘つきではない。人が信じられないから遠ざけるけども信じたい。でも嘘はつく。何も希望はない。これを聞いて切なくなることで間接的に自分に同情する気分になるタイプの曲。

・贅沢病/zezeno
 初音ミク。鬱々としているが感情的ではないのでどのような気分でもスっと入ってくる。自分が無価値だと客観的に分析しているつもりでも別に変わろうとするわけじゃないし、なんだかんだ周りよりは優れていると思っているところ。心の内ではぐるぐると自己嫌悪をして暇つぶしをしているのに、それを素直に口に出すことはないところ。おれら、なんだよなあ……。

・匿名/人間合格
 初音ミク。山月記。尊大な自我を持って文字を書き、少しずつ人間(社会性)をやめていく歌。〝決まったペースで指をカタカタと ろくに読まれもしないのに続けた〟とても刺さる。

・悪鬼と砂糖/IDONO KAWAZU
 初音ミク。夢を追いかけたところで報われないし、どんどん自分が肯定できなくなっていく。同じ夢を追いかけていたはずの人も、夢を諦めさせることを生業にしている。もう戻る場所もない、という。自分はどうなってしまうんだろうと思わないことはない。〝「報われない」が人生だなんて 感情的だね〟

・屑人間の遺書/人間どっく
 鏡音リン。人生。これの某論破手描き動画から知ったが、この動画はもうYoutubeに転載されたものしか残ってない。思い入れが深いので、人生としか言えない。


〇強感情
・水死体にもどらないで/いよわ
 初音ミク・flower。意味がわかると怖い話みたいなもの。動画視聴推奨。呪いや破滅であっても一緒にいられるならそれでいいや、というやつ。愛に突き動かされて衝動的に、というよりは考え疲れた結果なんだろうなと思う。

・Mora/文無
 滲音かこい・水音ラル。〝狂ったように捧げたってきみは僕のものにはならないって 端から 端からわかっていただろ〟自分の方が愛は沢山あげられるのに、自分より相手を上手く愛せる人がいる。量を与えることしか方法を知らないけど、それが最適解ではないらしい。じゃあどうしたらいい? というどうしようもない強感情。現実じゃ狂った愛なんて邪魔なゴミみたいなものなんだろう。

・常世の気まぐれ/koyori(電ポルP)
 初音ミク。最後の畳み掛けが本当にずるい。歌詞内の人物は本当に精一杯頑張ってるんだろうな……というのが伝わってきて切ない。また来世。

・ヒガン/john
 初音ミク。最初は打算的でクールで対等に接して、自分の愛は相手に理解されなくても問題ない、と皮肉に笑っているようだが……。そう何回も〝気にしない〟〝怖くない〟と言うならそれはもう嘘なんだろう。〝またね アンタは光なんだ 私にとっていつも 馬鹿みたいな話だ〟なんですよ。そういうことです。

・あわよくば君の眷属になりたいな/Peg
 鏡音リン。異種族同士の関係性。何もいらないから相手に全て捧げ尽くしたいというやつ。〝視聴率の取れない感情は 死んだ方がマシだって思うさ〟が個人的に耳残りがいい。絵に出てくるキャラの顔が良い。

・阿吽のビーツ/羽生まゐご
 初音ミク。仲良くなったのに破滅する系コンビを見る度にこの曲を当てはめてしまう呪いにかかっている。捧げた心臓はきっと返ってこない。

・カトラリー/有機酸
 初音ミク。食器の音がとてもいい。具体的なイメージを持っているわけではないけれど、きっとハッピーエンドではない関係性だと思っている。感情があれば幸せになるわけではない。

・Prima Vista/ど〜ぱみん
 初音ミク。動画視聴推奨。途中(EDMが強く出るとこ)がめちゃくちゃかっこいい。きちんと解釈し切れていない。自殺をして一躍有名になった知らない人に憧れてヒーローのように思うけれど、自分もそうしようと思い立つもののその人はただの幽霊なのだと気づくような内容だと思っている。相手への憧れが解ける瞬間、いいよね。

・セクト/Mah
 VY1。映像がとても良い。宗教。歌詞ページも見た方がいい。どこまでが何だったのか分かるので。1人の人間を思想に取り込もうとする過程が熱い。
 

〇個人的な好み
・淡々、回想/A_Ⅱ
 桃音モモ。鳴き声のような笑い声が入っている。歌詞は抽象的だけど、前向きではないし、後ろ向きに思い切るわけでもない自己愛が透けて刺さる。

・囮と致死毒/CapsLack
 初音ミク。機械音が素敵。音も良いし、歌詞からも諦めと強感情がどことなく滲んでいて美味しい。

・ひとはおばけになる/ive
 初音ミク。タイトルの元は原爆詩らしい。情報量が多いけれど抽象的かつ哲学的な歌詞とふわふわした水音と電子音の混ざった不思議な音。こればっかりは聴かないと分からないと思う。

・ヘドニストの幸福な食卓/TaKU.K
 GUMI。昔解釈して某キャラと絡めて二次創作動画作りたいなと思ったけど絵が描けないから諦めたことがあった。歌詞の博学厨二感が良い。死ぬことで望みを叶えて証明となることもある。

以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?