すばらしき世界

西川美和監督、すばらしき世界、鑑賞。

今月映画館で見た作品
花束みたいな恋をした
佐々木、イン、マイマイン
すばらしき世界

花束〜は今期作品ではあるが、坂元裕二の脚本を見に行ったので映画としての評価というか別目線で見た感覚。
比べるには難しいが、映画としての個人的評価、好みは、
「佐々木、イン、マイ、マイン」だろう。
今期の作品ではないが、3ヶ月ロングランでギリギリ滑り込んで観に行ったが、そもそもミニシアター系が好みなので単純に好きな映画のジャンル。
今になって観に行ったきっかけは、藤原季節。
今クール主役の深夜ドラマを見たら、メジャーの演技しているなと。
知人曰く、それを、テレビサイズと言っていた。
彼は、泥臭くて、青臭くて、B級作品(良い意味で)が似合う、大好きな役者さんだ。
演技をしていない様な演技が、彼を1番良く見せる、と私は察してる。
それ故に、そんな彼を確認したくて、未だ見ぬ、佐々木〜を見に行った。
安心した。
そうそう、これだよ、季節くんは、この感じの役者さんだよ。
それと同等に、主役佐々木役、細川岳さんも素晴らしかった。
これから楽しみな役者さんに会って嬉しい。
終わり方も素晴らしかった。良い映画を見た、と思える映画で嬉しかった。

「すばらしき世界」
良い映画でした。涙する所もありました。
社会生活とは、大なり小なりの組織の中にある。
人の目ありきで生きてて当然で、人の為自分の為、生活の為、生きている。
人に迷惑は掛けず、人と協力して生きている。
個人の意見はそれぞれで、皆が個々の意見を述べてもまとまらないから、円満に行く方法を探りながら、生きている。
Noと思っても、強い意志がない限り、主張はしない方が穏便だって時もある。
そうやって、人間関係は成り立っていて、社会は回っている。
距離感を保って、穏便に済む方法を選んだりもする。
皆そうやって生きている。
主人公が更生するか、はたまた人は変わらないというどちらかの流れになるかと思ったが、それでもない最後。
人は人に支えられ、人によって変われる。

何だろう。
目新しいメッセージは私には見つけられなかった。
記者側の、撮るか撮らないか、どっちもしない奴が1番罪なんだよ、がメッセージという意見もあった。

あるよね、その意見も。わかる。
でも、そのメッセージも他でも沢山見てきた気もする。
人は皆、小さな世界で生きていて、その枠の中でしか生きられないけど、そこには幸せもある。
多くの人に響くのはきっと誰もが生きている日常であって、共感出来る内容だったからなんだと思う。
主人公の立場と観客の立場は違うが、そこに大きな違いはないから感動したりする。


これこそ、かなり贔屓目な意見で書いているが、ずっと普通のありきたりの日常を連ねているだけだ。
皆、共感出来るよね。
皆、それぞれ我慢して生きてるよね。
そうやって、世界は回っているんだよね。
わかるよ。

でも、それじゃあ、新しい世界は生まれないよ。

そうやってみんな生きている。すばらしき世界。

新しい世界へのメッセージが欲しかったな。私は。


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