誠実な選択

とある、地方の夫婦の話。
旅行が大好きで世界中を旅行し、世界中のお土産品などを集めていた。
地元に戻り、お店を始めた、とても素敵な雰囲気のバー。
私は2、3回しか行けてないけれど、センスを感じるお店と人柄には間違いない。
そんな2人が、民宿やバックパッカーの宿を経営したいと思っていながら、なかなか現実にはならず過ごしていた。
ずっと気になっていた近所の古びた古民家が、売りに出されていたんだっけな。
問い合わせてみたら、取り壊して駐車場にする予定だと。

2人はその家を購入し、大幅なリフォームを行い、本当に素敵な宿が完成した。
いや、まだ完成ではないのかな。
世界中、日本中で手に入れた骨董品や世界のお土産が全てこの家にぴったりハマったという。

そんな素敵な話。大好きな話。
長い年月をかけて、好きなものを集めて、それがぴったり落ち着くところに落ち着く時が来る。
そう、その感じ。それを味わいたくてそれを待ちながら、今しっくりこない日々を過ごしている気がしている。

なんかしっくりこないとずっと思いながら生きてる。
ここ1年くらいかな。
好き勝手生きてきて、本当に好き勝手生きてきた自覚も自負も盛大にある。
世の中、皆とは言わないが、大多数が仕事を仕事としているであろう。
勿論私も、仕事は仕事だと思っているが好きでやってるとしかいえない職種だから、それを仕事というのも勝手だなと思ったりした、この1年ほど。

好きでやってた仕事のスピードが、緩くなり、落ち着いてきたこの1年ほど。
コロナの時期と重なったのは偶然だと思う。
コロナがあろうとなかろうと、こういうペースになってた気がしている。

なんかしっくり来ないと思いながらも、日々は過ぎるし生きては行かねばだから、なんか間違ってる気がするなぁと思いながら、過ごしている。
やる気がないとか面白くないとか、鬱々としていたが、来る仕事を断っていてもやる気も出るわけでもないから、とりあえず今の自分のテンションやれそうなものを選ばせてもらった。

今の私に熱量の高いものは受けられない。
熱量の高いチームに追いつけない。
これは勝手でもあり、受ける責任でもあるから、誠実な選択です。
自分に誠実にあれ。このことだ。
自分に誠実であれ、か。
漫画のセリフだ。天ない、マミリンだったはず。
ここにきて、やっと自分の事として意味がわかった気がする。

幸い、自分の第六感的感覚に大まか間違いはないとは思って生きてきた。
感覚でしか選べない人間な故、損得感情だけで選べる人種ではない、良くも悪くも。
今回、テンション低い中、出来そうな仕事を受けた結果、ちょっと原点回帰的な気持ちを思い出せた気がする。
そうか、やっぱりこれしかないのかな、というか、楽だなという感覚。
頑張って気を張りまくらなくても、得意なものを選んだ方が自分の為にも人の為にもなるんじゃ無いのかな、と。

今まで、とにかく色んなことをやらなきゃいけない期間で、試練で経験でそんな10年が当然で、只々10年やれたことで一つ正解だと思うよと。
我武者羅よ、何事も最初の10年なんて。

さて、道程はあとどのくらいなのか。
私がしっくり来る場所までの。
そう遠くない未来な気も、何となくしてる、根拠のない思い、とはただの希望。

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