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キングダムが人気の3つの理由

『キングダム』(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載中)のコミックス最新60巻が、シリーズ初の初版発行部数100万部に到達。 これによりコミックス累計発行部数は7000万部を突破した。

あけましておめでとうございます。2021年のお正月はキングダムをずっと読んでおり、60巻まであるのにも関わらずわずか5日で読み切ってしまった。なぜこんなにも面白いのか、と不思議に思ったので、理由を考えてみた。

1. キャラクターが魅力的
主人公を含む味方陣営、敵陣営、ライバルなど、登場してくるキャラクターの役割がはっきりしている。また、敵とはいえ、その背景までを詳しく見ることができるので、「ただの敵」ではなく血の通った一人の人間としてみることができる。特に昨今の人気漫画では圧倒的だが、敵キャラがとても魅力的である。特に圧倒的な強さを誇る李牧などは敵ながら目が離せない。また、昨日の敵は今日の友、あんなに戦してたのに目的のためには手を組む、といった人間模様も大変おもしろい。また、主人公の視点で物語が進行していくが、主人公が将軍にかけあがる時々で戦局を俯瞰するレベルが上がっていくが、主人公たちとともに成長しているような錯覚を覚える。

2. ストーリがある程度わかっている(構成)
キングダムは史実に基づくチェックポイントは通過するがその間は記録が少ないことから作者原先生の想像で補われている。また、読んでいてなるほど!と思ったのが、「展開を先に明かしてしまうことである」。思いもよらぬ方法で解決するのである、や〇〇が討たれるのであった、などと結末を先に話してしまって、「え、この状況からそうなっちゃうの!?」と読者に思わせておいて振り回されて読み進めてしまう。これが読者を熱狂的にする仕掛けの一つなのかなと考えてしまう。さらに面白いのが、中華統一を最終ゴールとしているが、それは必ず起きるのである。なぜならそれが歴史だから。しかし、それ本当に起きるの?となるほどハラハラドキドキの展開が多く、全く安心して読むことができないのも私がはまり込んでいった理由の一つである。

3. ストーリーが面白い
この漫画はとにかく番狂わせが多い。勝ったと思いきや、隣の戦局が危ういからここもすぐに危なくなる、など完全な戦局が見えてこない。いわば読者は下級歩兵の視点とも言える。戦が大きいものでは何度も番狂わせが起きるため、読者はとにかくキングダムという漫画に手のひらでころころ転がされる(特に合従軍編は最高)。そうして掴み取った勝利は読者にとっても嬉しいし、読んだ達成感のようなものがある。

ビジネス書でも取り上げられることが多いが、本当に学ぶことが多い。一つの物事が動くためには誰かが暗躍していたり、うまく交渉して目的を達したり、プランABがだめでもCを使ったり。戦において策、つまり軍略が特に大事であったり、全てビジネスに応用できるし、実際にビジネスの現場や上層部では似たようなことが起きているのだろうと思うと、非常にためになる。まだの方はぜひ騙されたと思って読んでみてほしい。kindleで一括購入したため、35000円がワンクリックでなくなった+お正月の思い出がない、が、それ以上の収穫であった。

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