嵐を呼ぶ鏡花水月杯がついに開幕
『こりゃあすごい大会が新設されたぞ…。』
フカフカの毛布にくるまってTwitterの画面を見ながら、ボクはひとりごちた。
2023年11月30日(木)からスタートした鏡花水月杯のことだ。
「鏡花水月(きょうかすいげつ)」というのは四字熟語で、
【鏡に映る花や、水面に輝く月のように、目には見えても決して触れられないもののたとえ】
として使われる。転じて、言葉では表し難い美しさや趣の良さを指す際にも用いられるようだ。
そういえば、ボクも観戦記を書く時に、取材対象が女流プロの場合は連絡を取らないようにしてる。これもまた鏡花水月。女流プロの方々は、言葉では表せない美しさではあるものの、直接DMしたりして触れるようなことはしないのだ。フフフのフ。
以下、常体・敬称略で。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
予選A卓1回戦南1局、先制立直は親番の水瀬夏海。本当はダブドラである赤5sにくっつけたかったところだが、最悪そうならなくても…と思って次善手として残していた6mにツモ7mをくっつけて5−8mの両面聴牌。3着目の三浦ももこまでわずか600点差にまで迫っているし、他家を降ろして親番を継続するためにも、この役なしをダマって子方を好きにさせるわけにはいかない。
4人の中で1番のベテランになる水瀬夏。 1回戦最後の親番で、この立直を成就させ、トップ目の日當ひなを追いたい。赤牌入りであるこの鏡花水月杯、一発で赤5mをツモれば4000オールからということにもなる。
しかし、ここで赤5sを河に並べざるをえなかったことが、自身の打点ダウン以外にも影を落とすことになってしまった。
トップ目の日當が、ツモ6m・打7sで聴牌。トップ目でこの局を消化できればいい日當だが、タンヤオ・赤・ドラの5200で打点もなかなか。7sは赤5sのマタギであり、後に現物にもなっているし、しかも待ち牌の2−5sは5sが水瀬夏の立直宣言牌というオマケつきだ。手応えしかなかっただろう。
しかし日當は、あろうことか水瀬夏の当たり牌である5mを持ってきてしまう。どうする?日當。
日當の選択は、いったん聴牌を外す打4s。マンズ4556mの中膨れ形は、両面で聴牌し直しやすい形だし、次に捨てる予定の6sも安全牌だし、ここは無理な勝負を挑まず安全運転にした。
ただ回っただけならこんなに何枚もスクショを並べて書いたりしないんだけど、日當はこの後6mをツモ和了り、2000/4000とする。6代目てんパイクイーンが、存分にその腕前をアピールしつつ1回戦を制した。反対に水瀬夏はガックリ。5−8m立直は、日當の場所にボクが座ってたら5m勝負するんだけどなぁ…。
2回戦は、起親を引いた天月ミクが、東1局6000オールで大きく抜け出す。
解説の木原浩一が『裏1で8000オール!』と力を込めたが、裏ドラは乗らず。しかし、1回戦3着のみくぽむこと天月にとっては、予選通過に向けて大きく前進する和了りとなった。
こうして迎えた東1局1本場、水瀬夏の大きな構想と、三浦の鋭い読みがぶつかる。まずは水瀬夏。
2sのポンから発進。解説席から『タンヤオか?』という声も聞こえてきたが、水瀬夏の選択は、ソーズの一色手だった。1回戦ラスの水瀬夏は、みくぽむにいったん預けた点棒をさらいにいかなければならない。
水瀬夏は7sもポンできてシャンポン聴牌。待ち牌は1sと8sだ。
ここに三浦も参戦。上家ソーズの水瀬夏から出た4mを赤5m含みでチーし、マンズに向かう。字牌の白はもちろんのこと、西も自風で8000が見込める。
しかし、1回戦の日當がそうだったように、三浦もまた他家の当たり牌をつかんでしまう。マンズのホンイツに無関係であるのみならず、2sがポンされていて使い道もさしてないツモ1s。
いやあ、初代シンデレラはダテじゃない。三浦は当たり牌の1sにラス牌の2sをくっつけると、3sをチーして聴牌。ホンイツは崩れたものの、自風の西が効いてる。
仕上げは、トップ目のみくぽむからロン。ロンぽむ。2000は2300という打点以上に大きな和了りとなった。
そういうワケで、2回戦の南4局は決して日當の責任で混戦になったわけじゃない。わけじゃないけど…一般には…
■1回戦トップ者は2回戦で、1回戦3着者をトップにしてはいけない。
■1回戦トップ者は2回戦で、ラスになってはいけない。
■1回戦トップ者は2回戦で、1回戦2着者を2着にしてはいけない。
と言われている3つの禁忌のうちの、上2つを満たしてしまった。1番下も、三浦が水瀬夏をまくれば達成してしまう。
みくぽむのご尊顔を見ながら、条件確認をしていこう。まずはこのままいったら誰が通過するのか、敗退するのか、から。
日當ひな・1回戦+58.9pt・2回戦△47.7pt=合計+11.2pt
三浦ももこ・1回戦+14.3pt・2回戦△18.8pt=合計△4.5pt
天月ミク・1回戦△11.3pt・2回戦+56.9pt=合計+45.6pt
水瀬夏海・1回戦△61.9pt・2回戦+9.6pt=△52.3pt
通過は、みくぽむ・日當ぽむだ。三浦ぽむは2着への着アップが必要なので、水瀬夏ぽむから5200かツモは2000/4000から。いや、三浦が2着に上がればいいのだから、水瀬がみくぽむに12000を放銃しただけで、三浦は通過になる。通過ぽむになる。
ボクも新人王戦のベスト64で悔しい経験をしたことがあって、このようにラス親の人が伏せても大丈夫な通過ポジションの場合、ソモソモ最初から手を組んでもらえないことが多い。
日當は第1打にドラの5mを選ぶと、配牌から4枚あった1sを1枚、また1枚と放していきながら、手を崩しつつの進行。
みくぽむは、現状トップ目だから通過ポジションなのであって、そこから転げ落ちた場合は敗退になるケースがある。日當同様、こちらも慎重に進行。特に字牌の白・發を打たなかったのがよかった。
みくぽむに字牌を絞られたことが、ダイレクトに響いたのは三浦。役牌の中や場風の南が叩ければ、少なくとも8000は見えたはずだった。
倍満ツモを目指した水瀬夏はメンホン・七対子・ドラドラの一向聴まで。
こうして南4局は全員ノーテンで終了ということになった。
通過は、天月ミクと日當ひな。
お前ら、喜べ。
オレたちはまたみくぽむを見ることができるゾ。
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