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2020年 94冊目『才能をひらく編集工学』

松岡正剛さんのAIDAに参加します。
その課題図書の1冊でした。



松岡さんの編集工学研究所の専務である安藤昭子さんの本です。
編集工学(この言葉から想像するより対象は広い)が基礎から応用まで学べます。

そうそうって思った個所を残しておきます。

松岡さんの冒頭の編集的自由の会得のために
・様々な情報編集の方法が統合されてこなかった
・自分や私の身体や脳や心がもともとも情報編集体
→これがセカイを情報編集する邪魔をする
→準備が必要
・編集力とは変化を待つのではなく、変化を起こしていく才能

論理学
論証の論理学:分析的推論:演繹
探求の論理学:拡張的推論:アブダクション←発見の文脈
       拡張的推論:帰納←正当化の文脈

アブダクション
1 閃き:おや?と思う:驚くべき事実C
2 直感:説明仮説Hだと考えればCもうなずける
3 洞察:そうかHということか

仮説の選択する基準(できの良い仮説)
1 もっともらしさ
2 検証可能性
3 取扱い単純性
4 思考の経済性

他との関係性
1 アブダクション:仮説の創出
2 演繹:仮説を具体論にする
3 帰納:仮説を具体論にする
4 想像

我々の知識に襲い掛かる有害な4つの形態
1 過大な自信に満ちた断言
2 絶対に知りえないことがあるという主張
3 科学的要素は究極であり、他の説明は寄せ付けないという態度
4 法理や心理は変わりようが無いという思い込み

組織にある主義を脇にどける
1 常識・思い込み・前例主義→固定概念が驚くべき事実を取り逃がす
2 正解追求主義→試行錯誤を許容しないと思いきった仮説は出ません
3 整合性至上主義:目に見える整合性だけを追求すると背後にある大きな法則が沈んでいきます。

編集力のコアエンジン 3A
1 アナロジー
2 アブダクション
3 アフォーダンス

手段の目的と捉えなおし:レンガ職人の話
・意義
・目的
・作業

事の本質をとらえる:略図的原型 3type
1 ステレオタイプ(典型)
2 プロトタイプ(類型)
3 アーキタイプ(原型)

我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこにいくのか
・ルーツ・エディティング
→リクルートのユニークネスを分析

情報のコードとモード
・コード:情報の構造やルールやスペック
・モード:数字や言葉で表現できない印象、様相、様式、らしさ

古代ギリシアの表象に潜む技法
・アナロギア:類推→アナロジー
・ミメーシス:模倣→ミミクリ(ごっこ)
・パロディア:諧謔→パロディ

編集工学は「伏せて、開ける」を重視する
・生き生きと「開いて」欲しい事は、まず「伏せる」
・真の美はただ「不完全」を心の中に完成する人によってのみ見出される

せぬ隙と空の表紙
・世阿弥:無心の位にて、わが心を我にも隠す安心にて、せぬ隙の前後をつなぐべし。これすなわち、万能を一心につなぐ感力なり。
・五輪書:諸芸・諸能に至りても、拍子をそむく事はあるべからず。又空なる事においても拍子はあり。敵のおもひよざる拍子をもって、空の表紙を知恵より発して勝つ所也。
・利休の茶室:わずか2畳のうす暗い空間と手のひらに包まれる漆黒の茶碗が、客人のイマジネーションに深い宇宙を作りだします。あえて省くことで想像力を自由にする。引き算の美学は、利休によって研ぎ澄まされていきます。

物語
・物語を持たない民族は存在しない。物語は、民族を超え、歴史を超え、文化を超えて存在する

思考の癖に気づく
・注意のカーソルとフィルターを自覚的に動かす

ポイントは3つと置いてみることで、言うべきことが引き出されて論点が整理されることがある。
・三位一体
・三間連結
・二点分岐
・一種合成

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