農の考察 #10 セルロースの存在がリグニン分解を促進させる

おがくずの利用について理解を深めたいと思い、「森林生態系の落葉分解と腐植形成」を読んでいた。その中で「セルロースがリグニンの分解を促進する。」との記述があった。セルロースがリグニン分解性菌類の炭素源となるそうだ。比較的分解の容易なセルロースを先に分解して糖を得ながら菌糸を伸ばして、リグニンの分解酵素を作り出すんだなと想像してみる。

おがくずを利用するにあたって、初期のおがくずにはもちろんセルロースも含まれているが、前半の段階で分解されおがくず中の含有量は減少していく。私がもらっているおがくずはしばらく野ざらしで保管しているので、その間にセルロースが分解されているのではないかと思う。なのでリグニン分解を促進するためにも、おがくずを使う際にセルロースを加えるとリグニン分解を促すことになる。

セルロースを加えるということで、実際には何を入れ込むかということになるが、身近にあるのは雑草などであろう。しかし雑草といっても若草の段階では青々としており、窒素が結構含まれていると思われるので、ある程度大きくなり、種を付けた後の方が好ましい。この成長段階までくれば炭素率が高く窒素によってリグニン分解が抑制されることも避けられるのではないか。セイタカアワダチソウが大きくなって枯れた残渣なんかは量と質の面でちょうどいいかもしれない。一つデメリットを挙げるとすれば、刈り取るときに硬くなっているので、草刈り機の刃の消耗が大きいことだろうな。

セイタカアワダチソウの他にも、炭素率が高く、有機物量が大きくなる植物を考えてみると、稲わらや麦わら、ササ、ススキなんかも使えそう。要するに、枯れて炭素率が高い雑草残渣をたくさん畝に仕込むということ。身の回りにある使いやすいものを利用するのがいい。

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