自分が死ぬ方の側にいると思った事あるかい？

　BTE（Butterfly Effects）の27回目のオーガナイズをする予定でいました。BTEっていうのは26回続いたテクノとかハウスのパーティーです。しかし本日断念しました。細かい経緯は省きますが中止となりました。

　コロナウイルスにまつわる状況を受けて「大っぴらな告知をせずに口コミでデジタルフライヤーを配って告知、っていうプライベートパーティーみたいな感じ」をイメージしていましたが、なにしろ中止となりました。

　この判断は賢明だと思っていますが、何も正しい感じがしないです。賢明なはずなのに、何にも正しい気がしない。これは後ろめたさではないと思う。それくらい状況はひどい。本当にひどい。何かの公的な補償は必要だと思う。

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　僕はBTEのオーガナイズからは一切手を引いていました。けれども今回は誰もやれなかったから引き受けました。4月は自分の生誕祭でもあったから（生誕祭w）「客引きパンダになるのもいいかな？」と思い、オーガナイズをひとまず引き受けたって感じ。

　・・・と言う話をし始めたのが、前回BTEが終わった後くらいの事。つまり2020年2月中旬くらい。その頃は「コロナねー！」と言うような話をする程度の状況だったんです。中国ガー！って言ってりゃ済んでた時期だった。国難とかいうイージーな単語を使っていれば良かった時期ね。

　でも、たったの１ヶ月半くらいでここまで状況が変化するとは思っていなかった。

　BTEを開催するお店は色んな事に気を使っているお店なので、少なくとも毎日の満員電車よりは衛生的には問題ないはず。

　だから、UKレイヴが違法だった頃の時代みたいな告知をやろうと思っていたんですよね。

　けれども「現在のクラビングってそういうものじゃない」とも思っています。命がけで遊ぶようなイメージ、そういうイメージは今は全く無いです。無くて良い。もっとカジュアルで良い。僕たちカルチャーに少しでも関わる者は「何かを勝ち取り、一歩先に進んだ」のですから、命がけみたいなのは無くなって良いのです。そこから何かの妖しさが消えたとしても。

　そういうふうに考えて日々を過ごしていたら、今や、あのアメリカですらボロボロな状態。ヨーロッパもひどいもんです。驚くほど感染力が強いしスピードが早い。人間を殺す能力はそんなに高くないが、数にしてみれば相当なものになるかもしれないような感染力。これはもうグローバリズムの弊害とか言われてるものを超えてるんじゃないだろうか？なんて思ったりするくらいです。実際はグローバリズムの弊害の１つですが。僕らの遊びはグローバリズムこそが楽しみの１つ。

　そんな状況の中、主宰するにあたって考えていたのはこうです。

　「こっそりやってやろう！お店を潰したく無い！大っぴらにはやれないけれどクリーンにやってやろう！」

　・・・そういうヒロイックな気持ちになっていたのです。

　ですが、はっきり言って１つのパーティーでお店を救うことなんて出来やしません。出来やしないようです。それくらい状況はひどい。そして、前述した「妖しさ」は必要ないと思っているのにもかかわらず、UK違法レイヴに倣った形式での告知をやらざるを得ないような「この状況」についても想いを馳せてみてほしいのです。

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　イベントを「主催をする」という責任や主体を持つ立場になると、なんとも言えない気味の悪さみたいなものをヒシヒシと感じる。そういう状況である事を痛感します。すごく簡単で無責任な言葉を使うならば「恐怖」です。その恐怖はすごくタチが悪く、コロナを患う事以外の恐怖も相当に強い。この「タチの悪い恐怖」というのは、お店の関係者たちを今まさに喰らい尽くそうとしているのです。

　補償は絶対に必要です。この恐怖に政治が丸ごと屈してしまうのであるならば、僕はまた政治に失望するしかない。

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　僕は恐怖には喰われてしまいました。けれども僕らは「キャンセルしたパーティーをそのままほったらかしにして良い」とは思っていません。隔月とは言え26回続いたパーティーとしてのプライドがあります。

　追って「別の形の何か」を正々堂々と告知できれば、と思っています。その時はこんな暗いテキストじゃなくって「面白そう」って思ってもらえるようにしたいです。

　今回は「苦渋の思い」をここに記したいと思い、noteをつけた次第。自分たちのパーティーをキャンセルしたまま放ったらかしにして良いとは全く思っていません。

　この埋め合わせはキッチリと何かでやりたいと考えています。でもなんかまあ、ちょっとヒロイックになりすぎ！だめでしょ！もっと明るく楽しく！

　お店は当面の間は業態を変えてやっていくみたい。昼間やってくれたらいいのになー。

　次は明るい告知ができれば良いなと思っています。乱筆、失礼いたしました。