なかの

練習帳

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最近の記事

12+1

昨夜も観よう観ようと決めていた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の4話を見逃した。これで昨日の1日と一昨日の1日との区別がつかなくなった。手当たり次第にTEDのトランスクリプトを開いてダラダラと眺めて、ナボコフの『ロリータ』を読んで、それだけ。垂れ流しのBBCのラジオは何言ってるのかちっともわからない。ベッドの上。日に3回の薬に眠気を誘われ続けて曖昧な時針の行方。1周目?2周目?コンパスを使って描いたみたいに正確な線が線の上を寸分違わず重なって2つの円は1本の線になる。夢遊

    • 笑いの話

      「おこたしゃべり」というYouTubeの番組がある。 人力舎所属のお笑いトリオ トンツカタンの森本晋太郎さんと、吉本所属のピン芸人 鳥山大介さんのおふたりがほぼ毎日YouTube上で配信している雑談チャンネルのこと。 現在29才。同年代。若手の芸人さんだ。 彼らの友人、ピン芸人のフワちゃんがどうやらメディアで取り上げられてブレークしているらしく(彼女はたしかにものすごく面白いしとても頭がいい)、その影響でフワちゃんもたびたび出演する彼らの「おこたしゃべり」も視聴者数がぐんぐん

      • 笑えない話

        「休日とかなにしてる系の人なのですか?」 そう聞かれれば、困る。 本を読みます。映画を観ます。ラジオを聴きます。近場を徘徊しております。 ときどき友だちと遊んだり、さらにもっとときどき好きな人やそうでもない人とデートしたりはするものの、基本的に時間の配分は上記のほんのいくつかの趣味に限られる。ひとりで完結するから、趣味。 この五年間、俺の余暇の過ごし方はほとんどそれきりしかない。 平成27年も令和元年も、フリーターでもフリーエージェントでも良くも悪くも生活は一貫している。 答

        • ナイチンゲール症候群と、映画『きみの鳥は歌える』

          我が家の犬は内弁慶である。 家のなかでは外の声やインターフォンやらに逐一反応し、四十吠えまくり、不満や要求を爆発させ、家の者にくっついては走り、飛びつき、あちこち舐めに舐めてくるのだが、一歩でも外に出ると尻尾を急降下させ、沈黙し、おどおどと怯えた目で周囲の様子を観察する。ちょっとでも散歩に出れば間髪入れずにぺたりと尻をつけて座りこみ、家の方角に顔をむけてさも帰りたそうにする。かと思えば、通いなれた道に出た途端、遮二無二駆け出し、右に左にスウェイ、リードを持つ腕の関節可動域を振

          原付ぶらり旅【山梨編】(2019年11月7日~8日)

          富士が見えた。 雲ひとつかからずに、三角のシルエットすべてが顕わになっている。美しい。青い肌と雪の白。山中湖には風が立つ。波が砕ける。 車を停めて富士を眺める人。背景にして写真を撮る人。 妹と祖母とを、あの富士を背中に写真に撮ったのはもう5年以上前のことだろうか。祖母は家族の顔を忘れた。妹はまもなく成人を迎える。俺はいまでもレンズの外側にいて自分を見ない。 紅葉だった。 燃える心を宥めるのに湖は川よりもいい。海よりもいい。沈むためには底の果てが必要だ。流線型のお椀にビー

          原付ぶらり旅【山梨編】(2019年11月7日~8日)

          かつて、PSPは俺たちの青春を公転する惑星だった。

          「ぎゃああああ!」  深夜。閑静な住宅街の一室。叫んだのは俺だった。 「なんだ!?どうした!?」  Yは手もとのPSPに俯かせていた顔をあげて俺を見る。それから「がははははは!」と笑い出した。 「おい!夜中だぞ!母さんに怒られるから静かにしろよ……って、げはははははは!」  Sも最初の勢いを失って笑いだす。それから「ああ、ちょっとまて!そのまま!飛び散るから!動くな動くな!」と言った。  笑えないのは俺だけだ。ふたりから震える指でさされた俺は、空中でぴたりと静止した頭を支える

          かつて、PSPは俺たちの青春を公転する惑星だった。

          原付ぶらり旅【津久井湖城山公園・服部牧場篇】(2019年10月23日)

          こんにちは。なかのです。 またまた原付を走らせ、出かけてまいりましたよ〜。 今回は早速、現地からスタート。 県立津久井湖城山公園! 先日自分の書いたものを読み返してみて思ったのが、俺は1記事あたりの分量がちょっと多すぎるなということ。 これではさぞかし読みにくかろう。 なので、テンポよくいってみようと思います!善処! これが伏線にならないことを願う。 いい天気。 八王子城跡地にもありましたね。管理事務所的な。 ワクワクするやつです。 へえ〜。 入り口に『昔あそ

          原付ぶらり旅【津久井湖城山公園・服部牧場篇】(2019年10月23日)

          原付ぶらり旅【神奈川最南端・城ヶ島篇】(2019年10月20日)

          どうも。なかのです。 今回はやっとこさ、雨の降る間を縫って原付の旅へと出かけることに成功しましたので、そのことを書いていきたいとおもいます! ところで私事ですが、俺は相模川という河川がお気に入りで近くによく出没します。 倒しても経験値は入らないので是非そっとしておいて欲しいのですが、先日、ラジオを聴きながら河川敷を歩いていると、どういう因果か知りませんが、この秋の寒さ厳しくなるころに、ふと海へ行こうという考えが頭にぽんと浮かびました。 しかし、中二のころになにを勘違いし

          原付ぶらり旅【神奈川最南端・城ヶ島篇】(2019年10月20日)

          まどろみ

          ああ、もう午後。もう夕方。もう夜。 離れがたいなにかがあれば時間はあっという間で振り返って確かめる蛍光色の足跡のような軌跡に思わず「このまま」とつぶやきでもするものかもしれないが、寝ても覚めても独りで惜しむ太陽の経路もない我が身の影は伸びても縮んでもわずかに形を変えてひとり遊びに夢中になるだけなのに解き放てば言葉は「止まれ」。 夢? 短い昼寝だった。 だいたい17分から28分くらいだろうか。もしかしたら33分くらいかもしれない。 曖昧なのは自分がいつ眠ったかを知らないか

          まどろみ

          原付ぶらり旅【湘南平・平塚美術館篇】(2019年10月10日)

          どうも。なかのです。よろしくどうぞ。 地球史最大とか銘打たれている台風19号接近の報せを受けて、ではそのまえにいちどまたぶらぶらしておこうかと思い立ったこの日。(2019年10月10日) とくに指針も持たず、適当に右左折直進をして行ったすえにたどり着いたのが…… またしても図書館。甘い匂いに誘われた私はカブトムシ。 なかに入って本棚に沿って歩きながら背表紙を眺める。神奈川の歴史!みたいな本を開いて眺めてみる。文芸誌を眺めるともなく眺めたりしてみる。 退屈してくる

          原付ぶらり旅【湘南平・平塚美術館篇】(2019年10月10日)

          原付ぶらり旅【八王子城跡・南大沢篇】(2019年10月8日)

          note内で「原付に乗りましたー!」という内容の記事をあげるのは2度目のこと。 俺のメインターゲットは愛すべき地元、神奈川県。 にも関わらず、さっそく神奈川県を脱してお隣、東京都の八王子周辺をドライブしてきました。その様子をちょっと書きます。 しかしなぜ八王子かと言いますと、なにも俺が自ら進んで選択したわけではなくてですね。 事情は以下動画をご覧いただけたらと思います。 そういうわけで、この某番組の企画をパク……オマージュしたアプリを使ってですね、行き先を天運に委ねて

          原付ぶらり旅【八王子城跡・南大沢篇】(2019年10月8日)

          はじめまして。さっそくですが、書を持って街に出てみた件をご報告。(2019年10月5日)

          こんにちは。こんばんは。 筆者のナカノでございます。はじめまして。 まず簡単に自己紹介をさせていただきますと、当方平成生まれのアラサーでございます。男。現在、無職。端的に言って、無職。 日々部屋にこもって虚空を眺め、部屋の隅に縮こまって埃を食べながらどうにかこうにか生きながらえております。 久保帯人著『BLEACH』より抜粋 というのは冗談のようで、あながち冗談でもなくて。 とにかく、内にこもった生活をしばらく続けていました。 個人的な事情に事情が重なって、一人暮

          はじめまして。さっそくですが、書を持って街に出てみた件をご報告。(2019年10月5日)

          C・ブコウスキーと動物病院のハヤオ・ミヤザキ

          昨夜、我が家の犬が動物病院に連れて行かれた。生後5ヶ月。彼にとってはじめての怪我であった。 先に言うと、時速300キロで夜間病院に突撃するほどのエマージェンシーではなかったのだが、母の大いなる錯乱によって、ことは一大事に発展したのである。 冷たい雨の降る夜のことだった。 母は我を失い、犬はあくびをし、俺はアルコールに蝕まれて痛む頭を抱えていた。 「うーん。レントゲンを見るかぎりどこにも異常は見られませんね。骨折の心配もありません。大丈夫です。じきに良くなるはずですよ。数日様

          C・ブコウスキーと動物病院のハヤオ・ミヤザキ