わが愛すべき故郷足立

今回は短め

東京都民に出身を聞かれ「足立区です」と聞くと「やばそう」「荒れてる」「犯罪多そう」という感想を主に23区西部のほうから耳にする。三遊亭円丈師匠の「悲しみは埼玉に向けて」という新作落語の中でも「埼玉の隠し玄関」「群馬の物置」と呼ばれ、一番栄えてる北千住に至っては「日本の平壌」とまで言われる始末。もうこんな話は飽きるほど聞いてしまったので、今更地元のことをとやかく言われても起こる気にもならない。うん、本当に、ちょっと頭に来るくらい。

実際のところ、足立区が荒れていて、世紀末な状況かというとそうではない。確かに公立中学校は動物園みたいなことになっていたこともあったが、どこもそんなものだろうと思っている。これは比較手段がないから確認のしようがないのだが。よく引き合いに出される犯罪件数は23区内ワースト1位だが、ほとんどは軽犯罪であり、各区の人口当たりでみると突出して高いというわけでもないのだ。足立区は面積も人口も多い。それを抜きにして区同士で比較するのはどうなんだろうか。

こういう風に言われるのは足立区のイメージが2~30年ほど前から変わっていないのではないかと思う。1988年の残忍な少年犯罪の行われた場所としてのイメージが強く、また地下鉄に毒ガスをまいたカルト教団の残党が足立区内を本拠地としているのも「治安が悪い」というイメージを払しょくできていないのだろう。

だからこそ、足立区という場所がやべー場所のように言われるのが、一区民としては我慢ならないのだ。とはいえ、自虐的に「治安ヤバイ」というイメージを逆手に使ったりもしているので、私としてはよくなってほしい思いとおいしいネタがなくなってしまう思いがある。

ということで、今現在はそんなに他の区と実態は大きく変わらないんじゃないかという話だ。


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