「100年後の君達に今の僕達が出来る事 大久保 和空」
響き合う快感!心躍るとはこのことだ。ワクワクが止まらない魂が震える対談だった。ワクちゃん(大久保 和空さん)は、里と山の境界に建つ「ゲストハウスかぜのわ」オーナー。長野県松本市から車で30分、「来ようと思わないと来られない場所」にある。
中村あっちゃん(中村あつよしさん)から俺は「くるまざ大学」講師、「暮らしの藝術大学」特任教授を任命されて、その「呼びかけ人」を何人も紹介された。
去年voicyラジオに出演した、ともお君、しおり、さおりんも、先週放送したキヨも「暮らしの藝術大学」呼びかけ人だ。
共通するのは、みんな魅力的な人ってこと。中でもワクちゃんは、すでに45歳にして達観できるほどの経験を積み、実に奥行きのある、厚みのある人物だ。ワクちゃんの生き様が「暮らしの藝術大学の教材そのもの」だと思う。「地方移住して収入は激変したけど、今が一番楽しい!」とキッパリ!そう断言できるのは、なぜか?
voicyラジオ対談、是非フォローして聴いてほしい。
ワクちゃんの人生のキーワードは仏教用語に「喜捨」ということばがあるように「捨」だ。「大学時代に学んだことを全て捨てて・・・」「全ての事業を辞めよう!」って言葉が対談で出てきた。それと共感する言葉は幾つもあったが、「奥さんと出会って今がある!」が最も共感できた。今、俺が一番実感している事だからだ。
ワクちゃんは福岡県出身、3兄弟の長男として生まれた。真面目だった彼が小3の時、両親が離婚したことが転機となり、父方に引き取られるも単身赴任となった父。同じマンションに祖父母がいたが、弟と2人暮らしが始まる。だんだんと生活が荒れて中3の時、祖父母の手に負えない状態になり、叔父の山寺に預けられた。中3~高3までの4年間、空海の真言密教の修行、護摩焚き、滝浴びなどをしながら将来を見据え、心の行き先を決めていく。この多感な時期に自分と向き合う時間は宝だ。「山伏のような生活にグレる要素がなかった」とワクちゃん。大人びた高校生は周りから「さん」付けで呼ばれた。
普通の高校生活に憧れた彼は大学で「木のお医者さんになりたい!」と東京農業大学で林学を専攻。ところが大学の勉強よりもバイトが楽しくてしかたない。六本木の創作料理のお店のバイトにのめり込んでいく。料理人の道を歩むきっかけは、先輩の一言だった。味を調えることを任されて怖くなった彼は先輩に相談すると、「おまえ、味見したのか?じゃー胸張って出せよ!」先輩料理人から全幅の信頼を得ていた。そこで5年勤めて福岡にUターンして自分のお店をOPENさせる。「発想力と情熱があれば店は出せる!」と言い切った。
27歳の時、飲食業もやりつつ、人材派遣、音楽レーベルを立上げて次々とビジネスを起動に乗せていく。何をやっても上手く行って調子に乗っていた時期もあったがプライベートが一切ない。ずっと走り続けてた彼は次第に追い詰められていく。
そんな中、プツンと糸が切れた。2011年3月11日に発生した東日本大震災だ。「僕が今までやってきたことは何だったんだろう。今できることは何?今やってるビジネスを全て辞めよう!」経営戦略は基本、競争戦略だ!全ての事業を手放すって、執着を捨てることだと思う。執着を手放すと、心にゆとりができる。すると自分を俯瞰する力がつく。俯瞰力があれば、発想力も豊かになって、いくつもの選択肢が浮かぶようになる。同時に優先順位をつけるから考える力と瞬発力が身に付くように思う。それを証明するように短い期間でワクちゃんはどんどん決断していく。
お金を稼いで物欲にまみれた生活を捨て、修行時代に学んだ「生きるとは?愛とは?」を考えられる原点に立ち返ることができた。事業承継・譲渡もスムーズにいき、無職になったワクちゃんは日本全国3、4年旅に出る。その旅の途中、東京で奥さんと運命の出会いがあった。出会った瞬間、「この人と結婚するな」と思ったという。無職だった彼は奥さんの両親に結婚を大反対され、36歳で上京して酒造メーカーに就職。37歳で結婚、すぐに子供を授かり、人生が大きく動き出す。都会の消費生活から生産生活にシフトさせるため地方移住を決意し、長野県朝日村に地域おこし協力隊として着任する。「移住を決めたら、3か月後には移住してた!」というワクちゃん。決めてからの行動が速い。
しかも協力隊着任前からゲストハウスをやろうと決めていた。ワクちゃんが「なぜ、地域おこし協力隊の数少ない成功例となったのか?」任期を終える3年後の先の先を決めていたからだ。「どうしたら自分は幸せか、家族は、村人は・・・」をわかってたから、未来を見据えて今何をすべきかをやってきたんだと思う。ゲストハウスを村のプロジェクトとしてスタートさせると同時に、奥さんと2人で衣食住を自給するプロジェクトを立ち上げた。でも、村のプロジェクトとしてスタートしたゲストハウスづくりは、開村以来、初めての否決事案となってしまう。そこから2年かけて議会で可決されるまで諦めない理由を持ってトコトンやった・・・・
「同じ価値観を持って、夢を語り合って広がっていく・・・」まさに俺がやってきた「地球探検隊」だ。ワクちゃんの言う「結果が出るのは100年後、200年後かも」これがアートだ。「誰かがやってくれるではつまらない。自分は今を生きてる。今、自分が未来をつくってる!」同志を得た感!美しい未来を創る仲間がまた1人増えた。共感トークの数々、楽しかったなぁ。ワクちゃんにリアルで会いたい!
<感情が人生>
照れないこと。冷めた態度を取らないこと。
もっと自分の感情に素直になりましょう。
不幸を聞けば泣けばいいし、
美しい景色を見れば、また泣けばいいのです。
感情は表現すればするほど、受け取る力が強くなります。
ありったけの心を動かして、人生を楽しもうじゃありませんか。
『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 』編集 池田貴将