癌に効く食材4

春の訪れを告げ知らせる野草といえばフキですが、フキといえばこのイメージですか?

それとも、こっちのイメージですか?

2月か3月に地面から顔を出す小さなフキノトウが、夏になる頃には、当初とは似ても似つかぬ巨大なフキになる。これ、不思議ですね。
実は、フキノトウがそのまま成長してフキになるわけではありません。つまり、小さなフキノトウを採らずに成長を観察しても、フキにはならず、枯れていきます。あの巨大なフキは、フキノトウと地下茎でつながった別の場所から生えてきます。フキノトウは花で、フキは葉柄です。花が最初に咲き、その後で葉と茎が成長する。おかしな感じです。
桜と似ています。枯れ木の状態から、まずいきなり花が咲く。その後で葉がしげります。「逆じゃね?」って思います。毎年。
桜の木が「パッと咲いてパッと散る」をやっている、その地べたで、フキノトウは地味に同じことをやっていたわけです。こんなところに相似形があるのがおもしろいですね。

さて、このフキは、薬効があります。たとえば頭痛。

フキで頭痛の頻度が半減。完治とはいかないけど、なかなかすごいことです。

たとえばアレルギー性鼻炎。

薬(アレグラ)よりも食べ物(フキ)で頭痛が治ったら、、一番困るのは製薬会社です(笑)

どちらもRCT(無作為化比較試験)でエビデンスレベルは高いよ。しかもアレルギー性鼻炎の研究のほうは、フキエキスと抗アレルギー薬(アレグラ)との比較もやっていて、なんと、フキエキスは抗アレルギー薬と同等レベルに効いた。これ、すごいことですよ。「花粉症の薬飲むぐらいならフキを食っとけ」ってことだから。

さらに、癌にも効く。

乳癌細胞を使った実験で、フキエキスは用量依存的(使えば使うほど効く)かつ選択的(癌細胞だけを殺し健康な細胞は殺さない)に癌細胞の生存率を低下させることがわかった。

旬の時期に食べるのが一番だけど、季節ものだから年中手に入るわけではない。必要に応じてサプリで摂るのもいいだろう。
ちなみにフキは英語でbutterbur(バターバー)という。昔はバターをフキの葉っぱで包んだことに由来するんだってさ。


「日本三大薬草は?」という質問に対して、正解は「ドクダミ、センブリ、ゲンノショウコ」らしいのですが、個人的には「麻、まこも、ヨモギ」と答えたとしても全然間違いじゃないと思っている。
ただ、麻は政治がらみで日本から消滅したし、まこもは知名度ほぼゼロだし、かろうじてヨモギが知られてるぐらいだから、「日本三大〇〇」の名称を冠するのは難しいかな。
さて、ヨモギの話をします。

そこらへんに生えていて雑草扱いされるヨモギだけど、ありがたい効果効能を数え始めればキリがないほど、すばらしい薬草なんだ。

効用をざっと挙げると、胆汁排泄、胃酸分泌促進、利尿、生理不順(無月経、月経困難など)、子宮の健康維持、抗感染症(特にマラリア)、駆虫、神経障害、てんかん、パニックなど。
ヨモギの学名はアルテミシア(ギリシャ神話に登場する女神)というんだけど、これはヨモギが女性特有の様々な不調に著効することから名づけられました。
東洋医学では、艾葉(がいよう)という名前でお灸として使われる。鍼灸院に通う人にはおなじみのもぐさのにおいです。「鍼灸師がシェディングを受けにくいのはもぐさのおかげじゃないか」と鍼灸師の友人が言っていました。あり得る話ですね。
マラリアに著効するという点で5ALAと、駆虫作用という点でイベルメクチンと共通していますが、5ALAやイベルメクチンがコロナに効くのと同じように、ヨモギもやはりコロナに効きます。

マダガスカルの大統領(Andry Rajoelina)はコロナ治療薬としてヨモギを主成分とした飲料(COVID Organics)を開発し、国民に広く推奨した。そのおかげで、マダガスカルではコロナによる死者はゼロだったという。

このヨモギ含有のコロナ治療薬に対して、WHOから圧力がかかった。「お前に2千万ドルやるからこの治療薬に毒を入れろ」と言われたことを、大統領が国営放送で曝露した。
こういうプレッシャーをかけるということは、裏返しに見ると、ヨモギがコロナに効いちゃうってことだろうね。
しかしこのツイートをしてから、もう3年。こういうふうに命の危険を顧みず警鐘を鳴らしていた大統領がいたのに、多くの人がワクチンを打った。なんだかやるせない思いだね。

ヨモギは癌に効きます。
それも「ちょっと効く」どころではなくて、めちゃくちゃ効きます。

この抗癌作用には、ヨモギ成分のアルテミシニンが関わっている。
まず、癌細胞は内部に鉄がたっぷり溜まっています。増殖するために大量の鉄が必要なので、細胞膜表面に鉄運搬タンパク(トランスフェリン)が大量に発現しています。アルテミシニンは癌細胞の中に入り、細胞内に大量にある鉄と反応してフリーラジカル(活性酸素)を発生し、癌細胞を死滅させます(フェロトーシス;鉄による細胞死)。つまり、アルテミシニンによる癌細胞に対する選択毒性には、鉄をため込みやすい癌細胞の性質が背景にあるということです。

アポトーシスは細胞の自死、ネクローシスは細胞の壊死、フェロトーシスは細胞の鉄による死

アルテミシニンの抗癌作用を検証した研究論文は多数あるのですが、それらの論文を総合的に評価した論文、つまり「論文の論文」をレビューというのですが、レビューは論文のなかで最もエビデンスレベルが高いといわれています。
で、アルテミシニンの抗癌作用についてのレビューは以下の通りです。

レビューでも認められているということは、もうこれは「答え」です。アルテミシニンは癌に効くと。

メーテルリンクの『青い鳥』を思い出します。チルチルとミチルが幸せの青い鳥を求めて大冒険に出たものの、どこにも見つからない。しかしふと目覚めると、家の中の鳥かごにいた。そもそもの最初から。
何千万円もする高額な抗癌剤を希望する人々は、まさかそこらへんに生えている雑草が自分を癌から救ってくれるとは想像だにしない。「値段がこんなに高いんだからさぞ効くに違いない」などと、抗癌剤に希望を見出そうとする。
はっきり言いますけど、値段が1億円だろうが10円だろうが、毒はどう頑張ってもただの毒ですよ。