グルタミン酸と自閉症13

水銀やら何やら、よからぬものが脳内に入ると、グリア細胞が活性化される。するとグルタミン酸受容体(NMDA受容体)が刺激され、さらにTNFαも分泌される。要するに、脳内は炎症で燃えまくっている状態で、同時にフリーラジカルも大発生している。
結局この状態の何がよくないのか?ミトコンドリアの機能低下である。
ミトコンドリアは細胞内のエネルギー(ATP)産生器官だが、炎症が起こっている状況下ではエネルギーを作れない。ニューロンでのATP産生が低下すると、神経炎連珠(neuritic beading)という独特の病理像が出現する。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15640150/

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ミトコンドリアのシナプスへの移動(軸索輸送)はATPの供給量に依存している。ATPが低下するとミトコンドリアが移動せず、グルタミン酸などの興奮毒性をもろに受けることになる。さらに、ミトコンドリア内にカルシウムが蓄積し、ミトコンドリア機能がますます抑制されることになる。

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Blaylock博士「つまり、病態の核心にはミトコンドリアの機能障害があります。すると、興奮毒性への感受性が高まります。動物実験では、ミトコンドリアの機能抑制によりグルタミン酸への感受性がざっと100倍高まっていました。普通の濃度のグルタミン酸さえ毒性を持ちます(この状況で化学調味料てんこ盛りのラーメンを食べればどうなると思いますか?)ミトコンドリアの機能は、興奮毒にやられないために絶対必要です。

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さて、興奮毒から身を守るには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。食事が極めて重要です。

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トランス脂肪酸、オメガ6系脂肪酸(コーン油、キャノーラ油、ピーナッツ油など)は炎症の前駆体となり、プロスタグランジンを刺激します。避けましょう。
野菜や果物を22サーブ、少なくとも5~10サーブは食べましょう。これらには多くの抗炎症性物質が含まれていて、脳のグリア細胞の活性を抑制することがわかっています。ブレンダーで砕いてジュースとして飲むのもいいですね。
砂糖を摂りすぎてはいけません。特にブドウ糖果糖液糖は脳内でのフリーラジカル産生を増やします。
DHAは重要です。これはオメガ3系脂肪酸のひとつです。オメガ3系は細胞膜やシナプスの構成要素の大半を占めます。脳にはEPAはほとんど存在せず、大半がDHAです。DHAは脳内で抗炎症作用を示します。アルツハイマー病やパーキンソン病に対する有効性が示されていますし、自閉症への著効例も数多く報告されています。機序としては抗炎症作用だけではなく、興奮毒性そのものを直接的にブロックする作用が示唆されています。1日1000~2000mgは摂りたいところです。
肉を食べ過ぎてはいけません。肉には多くのグルタミン酸が含まれているからです。1日4~6オンス(113~170g)までにとどめること」

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興奮毒性からの防御~細胞内エネルギーを高める
・リボフラビン5リン酸(ビタミンB2)
・ピリドキサール5リン酸(P5P;活性型ビタミンB6)
・ナイアシンアミド
・ビタミンK
・チアミン(ベンフォチアミン。ビタミンB1)
・コエンザイムQ10(ユビキノール)
・Rリポ酸
・アセチルLカルニチン
・アセチルLカルノシン
・ピルビン酸

「興奮毒性からの防御として、細胞でのエネルギー産生が大事です。ミトコンドリアの減少によって興奮毒性が増大することを思い出してください。細胞のエネルギーを増やす栄養素はたくさんあります。最も重要なのはリボフラビン5リン酸、ピリドキサール5リン酸、ナイアシンアミド、ビタミンK、チアミン、コエンザイムQ10、Rリポ酸。
アセチルLカルニチンは特にミトコンドリア機能を刺激します。
カルノシンの投与によって自閉症が改善するのを見た研究者は数多くいます。てんかんの強力な抑制作用もカルノシンの効果です。ピルビン酸はクレブス回路の一端をなすものですが、これもエネルギーの産生増大により興奮毒を強く抑制します」

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興奮毒性からの防御~炎症軽減のために
・緩衝型ビタミンC
・天然ビタミンE(γEを多く含むもの)
・シリマリン(ミルクシスルの成分)
・クルクミン(ウコンの成分)
・ケルセチン(タマネギの皮とかの成分)
・レスベラトロール(ベリー類に多い)
・エラグ酸(ベリー類)
・ボスウェリア
・クエン酸マグネシウム、リンゴ酸マグネシウム

「ビタミンEと一口に言っても、抗酸化作用があるのはγEだけです。シリマリンはグリア細胞の活性化を極めて強力に抑制します。それも、ごく少量で、効きます。肝代謝を亢進する作用があってこれがデトックスを促進しますし、さらに脳の保護作用もあります。シリマリンは私も研究していました。あまりにも微量でグリア細胞の活性を抑えるものですから、その効果の強さが非常に印象に残っています。
クルクミン、ケルセチンともに強力な抗炎症物質です。興奮毒性を直接的に抑えますし、TNFαをも抑制します。さらに炎症性サイトカインの低下作用もあります。
レスベラトロールはグリア細胞の活性を抑え、TNFαを抑制します。エラグ酸も同様です。
ボスウェリアはあまり聞きなれない植物かもしれません。アロマテラピーが趣味の人はフランキンセンスを知っているでしょう。フランキンセンスはボスウェリア属のハーブです。ボスウェリアは抗炎症作用があります。
マグネシウムは抗炎症作用のために極めて重要です。慢性炎症のある人は、必ずマグネシウム欠乏です。マグネシウムが低いと炎症が起きやすくなります。この傾向に大人も子供も違いはありません。さらにマグネシウムには、グルタチオンの濃度を挙げる働きや、NMDA型受容体の調整作用もあります」

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興奮毒性からの防御~免疫過剰を軽減するもの
・シリマリン
・ビタミンD3
・マグネシウム
・オメガ3系脂肪酸
~興奮毒性を直接ブロックするもの
・マグネシウム
・DHA
・テトラサイクリン(抗生剤)
・デキストロメトルファン(鎮咳去痰薬)
・処方薬

ビタミンD3は神経系の調整役であり、同時に免疫系の調整もします。脳の修復や保護に関与し、直接的に興奮毒性を抑えます。特に脳の自己免疫疾患に重要で、自己免疫による脳のダメージを軽減します。
D3は高用量で摂ることをお勧めします。子供でも2000 IUは摂っても何ら問題ありません。というか、最近の研究によると2000 IUのD3を摂取していても83%の成人でまた血中濃度が欠乏状態にあったといいます。血中濃度を上げるには高用量が必要です。
興奮毒性を直接抑えるにはマグネシウムやDHAが有効です。テトラサイクリンやデキストロメトルファン、その他一部の処方薬は、グルタミン酸受容体(NMDA受容体)を強力にブロックします。「じゃ、これらの薬を飲めばいいのか」というとそうではありません。
グルタミン酸受容体は"諸刃の剣"です。炎症という不都合の源であると同時に、記憶の形成に必須の存在でもあります。人間が物事を学んだり覚えたりすることは、グルタミン酸受容体の働きなくしてあり得ません。だから必要なのは、この受容体の過剰反応を抑えることであって、完全にブロックすることではありません。
アルツハイマー病の治療薬の開発に製薬会社がてこずっているのは、これが理由です。受容体を完全にシャットダウンしてしまってはいけないんです」

個人的には、ここに有機ゲルマニウム、CBDオイル、ケイ素、バレリアンあたりも加えたいところだ。
しかし何より重要なのは、そもそもこういう炎症を起こさないこと、つまり、ワクチンを打たないことである。上記は、いわば「火事が起きたときにどうやって鎮火すればいいか」の議論である。そもそもの最初から、"放火しないこと"。これに勝る治療法はあり得ない。