インフルエンザワクチンとアルツハイマー病

『インフルエンザや肺炎のワクチン接種でアルツハイマー病リスクが低下』
https://www.carenet.com/news/general/hdn/50610
インフルエンザワクチンを1回接種した人では、アルツハイマー病のリスクが17%低く、より頻回に接種した人では同リスクが13%低くなる。しかも初回接種年齢が下がるほど、アルツハイマー病の発症リスクが低くなるという。

不思議だ。
インフルエンザワクチンには様々な有害物質が含まれている。たとえば水銀。
水銀が人体にどのような悪影響を与えるか、水俣病を経験した日本人なら、医者ならずとも常識としておきたい。まず何よりも、神経系へのダメージである。NIH(米国国立衛生研究所)は「水銀は極めて毒性の高い分子であり、安全な曝露レベルは存在しない。その摂取による生理的メリットは皆無である。小児であれ成人であれ、体内には一切摂取しないことが望ましい」としている。同様に、FDA(米国食品医薬品局)も水銀の危険性を認識していて、水銀含有量の高い大型魚の過食を控えるよう警告している。しかしそのFDAが、なぜかワクチンへの水銀添加を認めている。魚に含まれる水銀の経口摂取さえ気をつけろと言っているのと同じ組織が、血中にダイレクトに水銀を注入することは問題なしとしている。これも不思議だ。
上記研究では、水銀を含むインフルエンザワクチンの接種により、アルツハイマー病の発症リスクが、上がるどころか下がるという。実に不思議だ。

当然、これとは反対の主張もある。
免疫学者のヒュー フデンベルグ医師によると、55歳以上の人でインフルエンザワクチンを5年間連続で受けた人では、アルツハイマー病の罹患リスクが10倍高かった。さらに、ボイド ハレー医師は「正常な脳組織や神経細胞にごく微量の水銀を添加すると、アルツハイマー病に特徴的な7つのマーカーが産生される」とし、水銀とアルツハイマー病には密接な関連があると指摘している。

インフルエンザワクチンによってリスクが増えるのは、何もアルツハイマー病だけではない。たとえば以下のような疾患。
・非インフルエンザ性呼吸器感染症
「115人の小児を3価の不活化インフルエンザワクチン(TIV)接種群とプラセボ接種群に無作為に分け、9か月追跡。TIV接種群では非インフルエンザ性感染症の発症リスクが増加した」https://academic.oup.com/cid/article/54/12/1778/455098

・心血管系疾患
「インフルエンザワクチンの接種により血小板の活性化が誘導され、交感神経/迷走神経のアンバランスによりアドレナリン優位の状態になる。CRPと心拍数変動の間には有意な相関が見られたが、これは体内の炎症と心臓自律神経系の病態生理学的な関連性を示している。ワクチン接種による血小板の活性化と心臓自律神経の調節異常は、心血管イベントのリスクを増加させる可能性がある」https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20964738/

・ナルコレプシー
「2010年54人の小児(17歳未満)がナルコレプシーの診断を受けた(10万人当たり5.3人。前年比17倍の増加)。この急増は2009年に行われた大規模なワクチン接種の影響があると思われる」https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0033723

・自閉症
ケント ホルトーフ医師(感染症の専門家)「インフルエンザワクチンなんて我が子には当然打ちません。ワクチンはインフルエンザそのものよりはるかに怖いですよ。アジュバントが含まれていて、安全性の検証がろくにされないまま市場に出されるんですから。ワクチンに含まれるチメロサールはミトコンドリアの機能障害を引き起こし、小児では自閉症の原因となります。ワクチンは、はっきり、神経毒です。これは証明された事実です。ワクチンには食物や水への混入が許容されている水銀レベルの、2万5千倍の水銀が含まれているんですよ。これが無害なわけないじゃないですか」

他にも、アナフィラキシー、熱性けいれん、ギランバレー症候群、ジストニアなどもワクチンとの関連が言われている。

何かとリスクのあるインフルエンザワクチンである。しかしリスクを冒して打ったおかげで、インフルエンザに苦しむことがなくなった、というのならまだいい。しかしそもそも、せっかく打ったにもかかわらず、肝心のインフルエンザに対する予防効果自体、ないのではないかという研究がある。
「インフルエンザワクチンを2年連続で打っても効かない」
https://academic.oup.com/cid/article/56/10/1363/404283
「インフルエンザのHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)への抗体価は数年経っても残る可能性があるが、ウイルス抗原の連続変異により結局また次の年もワクチンが必要になる。しかし繰り返しワクチンを打てば、ワクチンによる抗体応答が働かなくなる恐れがある」https://academic.oup.com/jid/article/212/12/1914/2911917
「季節性インフルエンザに対してワクチンを打つと、抗原性の異なるインフルエンザに感染するリスクが増加する」https://jvi.asm.org/content/85/22/11995.full
「ある系統のインフルエンザに対するワクチン接種を受けた豚では、それに関連する系統のウイルスに罹患しやすくなった」https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23986398/

実に、不思議に満ちているのが世の中である。
こういうワクチンのイメージを傷つけるような研究がメディアに報じられることが一切ないのも不思議だし、逆に、インフルエンザワクチンの売り出し時期に冒頭のようなニュースがタイミングよく出てくるのも不思議である。
記憶力の低下に悩む高齢者がこんなニュースを見れば、「インフルエンザワクチンでアルツハイマー病リスクが低下?!健康になる上にボケないとなれば、こんなありがたいことはないじゃないか」と病院に駆けつけることは必至である。
科学の装いをしたデマが不幸な高齢者を増やさないことを、祈るしかない。