前立腺癌とゲルマニウム

ゲルマニウムは癌全般に有効だが、特に前立腺癌には著効するようだ。

「俺の経験を話そう。いや、別に身分は隠すつもりはない。東京都獣医師会会長を務めたことがあるとか、そのあたりの経歴を出して説得力が増すのであれば、出してくれてかまわない。とにかく俺は、俺の身に起こったことを話すだけだ。
忘れもしない。2007年の正月だよ。朝起きたら、足が痛かった。両足の脛がやたらと痛い。筋肉の痛みじゃない。はっきり、骨が痛かった。そのうち治るだろうと思っていたが、全然治らない。
それで正月が明けた頃に病院を予約した。東大の医学部附属病院にね。
いろいろ診察やら検査をして、医者から言われた。「前立腺癌の末期症状です」と。腰を抜かしたよ。信じられない。俺が末期癌だって?何かの間違いだろう?って思った。
でも検査結果やレントゲン写真を見せられて、認めざるを得なかった。血液検査でPSAが260もあった。PSAって知ってるか?前立腺癌の特異的マーカーだよ。正常なら4以下だから、260というのは目が飛び出るような高値だよ。
前立腺癌は骨転移しやすいことで知られているが、俺の場合もそうだった。「脛の骨が痛い」という症状で気付いたが、画像検査では脛だけではなく、大腿骨や肋骨にも転移していた。
思い返せば予兆はあった。正月の4か月前に東京都主催の家畜動物のイベントがあった。その会場で骨密度を調べるコーナーがあって俺もたまたま測ってみたら、骨密度が「異常なほど低かった」。なぜあんなにひどい数値だったのか、そのときは分からなかったが、今こうして癌だと診断されてみれば、理解できる。
癌の診断を下した医者は、続けてこう言った。「これほど全身転移が進んでいるようであれば、手術も放射線も抗癌剤も意味がありません。手遅れです」と。さらに、「あと半年の命」と宣告された。
当然ショックだった。頭の中が真っ白になるというのは、こういう状態を言うんだなと思ったよ。
「せめてエストロゲンを投与して、少しでも延命を期待しましょう」
エストロゲンは「腫瘍の増殖を遅らせる程度の作用はある」ということであって、別にこれで以って治る、というようなものではない。医者も、何もやらないよりはマシ、程度のつもりで処方したんだろう。
とにかく俺は、打ちひしがれた。どうしていいか分からなくて、親戚の生物学者に電話した。その親戚は、若い頃東大の生物学教室に所属して、国立がんセンターの医師と共同で癌研究を手がけたこともあるような人だった。何か助言が欲しかった。
その彼から、初めて「有機ゲルマニウム」というものを教えてもらった。電話の向こうで「γインターフェロンの分泌を促進して免疫力を高め、NK細胞を活性化して癌細胞を破壊する」どうたらこうたら話していたが、とにかく、藁にもすがりたい心境だったから、すぐにゲルマニウムを取り寄せた。

こうして1月半ばから有機ゲルマニウムとエストロゲンの併用が始まった。親戚からは「主治医にはゲルマニウムを飲んでいることは黙っておけ」と言われた。まぁこの辺の医者心理はわかる。西洋医学の医者にとって、ゲルマニウムだ何だとわけのわからん民間療法をやられたら、それは不愉快だろうよ。しかしこちらとしては、自分の命がかかっている。だから有機ゲルマニウムを飲んでいることは医者には伏せて飲み続けることにした。

入院はもちろんしない。もう末期癌で「打つ手なし」って言われているわけだから。いつも通りに家で生活して、食事もいつも通り。ただ、ゲルマニウムとエストロゲンを飲む。そして毎月定期検査を受ける。俺がしていたのはそれだけだ。

この検査結果の推移を見てくれ。毎月PSAをフォローしていたんだが、最初260だったのが、180、80、30、5、0.5、0.01、0.005と急激に減少した。摂取から半年ほどで、基準値以下の数値になったというわけだ。
主治医の様子は見ものだった。毎月改善していくデータを見ながら、「一体なぜだろう」と何度も首をひねっていた。
「エストロゲンがこれほど著効することは、通常ありません」と言って、俺の目をじっと見ながら、「他に何か民間療法の薬でも服用していませんか?」
ああ、頭のいい医者だなと思ったよ。能天気な医者なら『エストロゲンが著効した前立腺癌の一例』などと論文を書く算段でもつけるところだろうが、俺が何か別の治療法をしていないかと疑っている。大当たりだ。しかし俺としては、本当のところは言わないことに決めていた。西洋医学の価値観で生きてる人間なんだ。別の価値観を提示して、あえて混乱させる必要もないだろうよ。俺としては自分の命が助かれば何の不服もない。

それ以後もPSAは改善し続け、今では0.003という測定限界ぎりぎりの値にまで下がって、その状態が続いている。前立腺癌から転移した骨転移巣も完治した。
あの癌告知、余命宣告から、1年半経って、死ぬどころか、すっかり治ったわけだ。主治医も認めざるを得なかった。「あくまで経験則ですが、転移性骨腫瘍は原発巣、つまり前立腺癌自体の治療よりも長時間の治療を必要とするのが普通です。それがこんな短期間に消失してしまうとは。。。初めて診察した日に「あと半年の命」だと言いましたが、改めます。今後15年間の命を保証します」と。

この話には続きがある。医者の『癌完治宣言』から数年経ったある日、なんと、たまたまその医者と銀座で出会ったんだ。
お互い久しぶりということで、一杯飲みながら話しているうちに、ふと、もう『時効』かなと思った。そこで思い切って、言った。「エストロゲンの他に何も飲んでいないと言っていましたが、実は『有機ゲルマニウム』を摂取していました」と。
医者は「ああ、やっぱりね。そう、医者の自分が言うのも何だけど、『俺の治療がこんなに効くはずがない』と思っていました(笑)」

ゲルマニウムは今でも飲んでいる。量は減らしているがね。癌治療のために飲む量と、日々の健康維持のために飲む量は違うんだ。
ついでにいうと、昔からあった喘息の持病もゲルマニウムを飲んでいるうちに出なくなったし、風邪やインフルエンザにもかかったことがない。虫歯の進行さえ止まっている。

俺の経験が誰かの助けになれば、と思って、ゲルマニウムを広く勧めたいと思っている。ただ、そんな俺に対して、周りの同業者が眉をひそめるんだよ。「獣医師というのは西洋医学を動物に応用する仕事である。その獣医師会のトップが、有機ゲルマニウムなどという民間療法を推奨するのはいかがなものか」と。
そういうの、俺は気にかけないよ。自分の体験を雑誌なんかにも寄稿するし、頼まれれば講演でも何でもする。末期癌で余命半年と言われながら、それが1年半ですっかり完治した。そういう自分の経験を、少しでも多くの人に知ってもらいたいだけなんだ」