ビワの種と癌

すでに多くの研究の裏付けがある。ビワの種が癌に効くこと。これは間違いない
しかしそういう科学的根拠なんて一切無視して、製薬会社のために「危険危険」とわめきたてるのが、ザ・政府広報である。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230216/k10013982811000.html

NHKだけでなく、民放でも「ビワの種は危険!」の宣伝に余念がない。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/355514

いいですか、「コロナワクチンを打ちましょう」と散々あおっておきながら、「実は有害無益。感染予防効果がないばかりか、単なる毒物でした。打って死んじゃった人、ごめんちゃい(・ω<) テヘペロ」というデタラメをちょっと前に見せつけられたばかりですよ。
コロナ禍の3年で我々が学んだ最大の教訓は、

テレビの言う逆が真実

ということである。
今、「癌にビワの種が効くというのはデマ」とテレビが熱心に繰り返している。ということは、どういうことか、みなさん、分かりますね?

ビワの種の薬効はすごいですよ。

ビワの種の成分はアミグダリンといい、1950年クレブスによって発見された。当初は新規のビタミンB群と認識され、ビタミンB17とナンバリングされた。アンズ、桜、梅、桃、ビワなどのバラ科植物の種に高濃度に含まれている。
アミグダリン自体は無害であるが、これが体内に取り込まれると、酵素(グルコシダーゼ)の働きで加水分解され、ベンズアルデヒドとシアン化水素(HCN)が発生する。
HCNは有毒である。しかしこの毒の解毒プロセス自体が、体に様々な薬効をもたらす。具体的には、鎮咳作用、抗喘息作用、抗動脈硬化作用、腎臓の間質性線維化抑制、肺線維化抑制、免疫抑制、肺障害抑制、抗腫瘍、抗炎症、抗潰瘍などである。実際、アミグダリンは臨床現場で、喘息、気管支炎、肺気腫、ハンセン病、大腸癌、白斑の治療薬として用いられている。
これらの薬効のうち、最も重要なのは抗癌作用である。アミグダリンが癌に効くメカニズムについて、もっと詳しく見ていこう。

アミグダリンが癌細胞に取り込まれると、癌細胞だけが持つ酵素(βグルコシダーゼ)がこれを分解し、HCNが生じる。HCNにより癌の細胞周期が低下するため癌の増殖率が低下する。また、アポトーシスが起こり癌細胞が死ぬ。
βグルコシダーゼは正常細胞にも微量ながら(癌細胞の3000分の1)存在するため、実はアミグダリンを取り込んだ正常細胞のなかでもHCNが微量に発生している。しかし、正常細胞にはロダネーゼという酵素がある。これがHCNを無毒化する。
つまり、アミグダリンが癌細胞を殺す理由(アミグダリンが正常細胞に無害な理由)は、癌細胞にはβグルコシダーゼが含まれているから(正常細胞にはロダネーゼが含まれているから)というのが、表と裏、両方の理由です。
このあたりの話はすでに過去記事で紹介したことがありました。
https://clnakamura.com/blog/5437/


しかし、患者からこんなことを聞いた。
「癌に効く食材っていう先生の記事、あれ参考になりますね。ゴーヤの種とか自分で取り寄せて飲んだりしてます。
先生、ビワの種が癌に効くっていうのは有名ですけど、ビタミンCと相性が悪いって本当ですか?特に高用量のCとビワの種は併用しちゃダメだと。
今、10日に1回ペースで高濃度C点滴受けているので、ちょっと気になってしまって。
あと、ビタミンC点滴の効果を高める工夫ってありますか?たとえば点滴を受ける日は、あえて食事をとらないほうが細胞のなかにビタミンCがより能率的に取り込まれて効果が高いとか。
そう、先生が言うように、「政府の逆が正しい」。それは私もそう思います。政府がダメというのは余計に試したいっていう。私もこのコロナ禍の3年ですっかりひねくれた、裏読み人間になってしまいました(笑)
マイナンバーカードなんてもちろん作りたくありません。仮に作るとしても、最後の最後、ぎりぎりまで粘りたいと思っています」

ビワの種がビタミンCと相性が悪い?初耳だ。聞いたことがない。しかし調べてみると、すぐに論文がヒットした。

症例報告として、68歳女性の癌患者(ビタミンC1日約5千mg服用中)がアミグダリンを3mg飲んだところ、意識レベル低下をきたし救急外来に搬送されたという事例がある。
こんなの普通はあり得ない、というのが直感。
ビワ種粉末を毎日3g(ティースプーン1、2杯ほど)飲んでるという人は珍しくない。癌患者だけではなく、上記記事のようにアミグダリンはさまざまな効能があるから、日々の健康維持のために飲んでる人は無数にいる。
ビタミンCを5g程度飲んでる人は、アミグダリンを飲んでいる人よりもはるかに多いだろう。
これらビワ種粉末とビタミンCを併用で飲んで、意識レベルが低下して救急で運ばれる?ちょっと考えられない。他に要因があったのに、原因を短絡的にビタミンCとアミグダリンのせいにしたんじゃないの?

というか、僕は毎朝サプリを飲んでる。複数のサプリやハーブをちゃんぽんして飲んでるんだけど、そのなかには、ビタミンC(500㎎)とビワ種粉末(3gくらい)を含んでいる。上記の症例報告よりもビタミンCの服用量は少ないけど、併用で飲んでる。当然害は感じない。体調はいい。
もっと言うと、当院には多くの癌患者が高濃度ビタミンC点滴を受けに来る。なかにはビワ種粉末を併用している人も当然いる。日本全国で同じような人が無数にいるだろう。そんな彼らが、点滴中、意識レベルが低下するか?あり得ない。
さらに、もっと言うなら、ビワを食べるという行為を考えてみるといい。ビワの果肉にはビタミンCが含まれている。果肉を食べて、そのついでに種(アミグダリン)も食べた人が、意識レベルが低下するだろうか?あり得ない。
もっともっと言うなら、アミグダリンはビワの種に限らず、バラ科植物(アンズ、桜、梅、桃)の種にも含まれている。杏仁豆腐の杏仁というのは、読んで字のごとし、「アンズの種」のことで、アミグダリンをたっぷり含む。ビタミンCを毎日高用量で飲む人が、杏仁豆腐をドカ食いして意識レベルが低下するなんてことがあるだろうか?あり得ない。

アミグダリンがなぜ癌に効くのか、その作用機序をきちんと理解すれば、シアン化物を必要以上に恐れることはないと分かるし、そういう知識よりも何よりも、まず、体感として「そんなに危険なものであるはずがない」というのがあって、こういう直感のほうがむしろ大事だと思います。