コロナワクチンとヤコブ病

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)という病気がある。

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脳に異常なタンパク質(プリオン)が蓄積するプリオン病の一種で、牛でいうところの狂牛病に相当する。行動異常、性格変化、認知症、歩行障害などで発症し、数か月の経過で急速に進行し、多くの場合半年以内に寝たきりになり死亡する。発症頻度は100万人に1人と極めてレアである。
100万人に1人というのは、数十年医者をしていても、まずお目にかかることがない頻度で、そのため仮に臨床でヤコブ病の患者に遭遇したとしても、見落とす可能性もかなり高い。というか、ヤコブ病を疑う医者に出会えれば僥倖である。

しかし、コロナワクチンの集団接種が始まって以来、この病気が世界中で多発している。以前の記事で紹介した画像だが、繰り返す。
アメリカで多発しているし、

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韓国でも報告が上がっている。

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具体的には、たとえばこのような経過をたどる。

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認知機能の低下に加えて、全身の筋力が低下する。嚥下筋の筋力低下により食事がとれなくなるし、呼吸筋の筋力が低下すると呼吸ができなくなる。最終的にはこのあたりが命取りになる。
日本では今のところ、ワクチン接種後にヤコブ病を発症したとする報告はない。しかし報告がないということは、存在しないということではない。認知機能低下やうつ症状などから精神科を受診し、認知症なりうつ病なりの診断を受けたとして、しかし、なぜか身体機能も低下していく。その点を医者に訴えても、「家にじっと引きこもってるせいですよ。もっと体を動かしましょう。ウォーキングなんかいいですよ」とか的外れな助言をされて、そうこうしているうちに症状は急速進行して寝たきりになり、死に至る。適切な診断を下されないまま亡くなった患者が、無数にいるものと思われる
個人的な話をすると、僕はこの3ヶ月で、2人のヤコブ病患者から相談を受けた。正確には、本人は症状で身動きできないため患者家族からの相談だが。

【症例】60代女性
【経過】元来健康で、家事、仕事(事務職)とも何ら問題なくできていた。
昨年9月ファイザーワクチンの2回目を接種した。11月頃より言葉が出なくなり、同僚に仕事の引継ぎができないなど、自分でも異変を感じていた。
12月、心身ともに調子が悪いことから救急病院を受診。異常なしと言われる。
後日心療内科を受診し、うつ病と診断された。今年に入ってからも症状は悪化する一方で、幻覚、幻聴が出現したことから、精神病院に入院した。
単なる統合失調症ではないと感じた主治医がMRIを撮ったところ、クロイツフェルト・ヤコブ病の画像所見と矛盾しない。また、体を動かせない、食べることができない(嚥下困難)、話せない(認知機能低下)など、急速に進行する臨床症状も併せて、クロイツフェルト・ヤコブ病と診断された。現在、すべてにおいて介助が必要である。食事の自力摂取ができないことから、経鼻栄養チューブを使用。

まず、ヤコブ病を鑑別にあげることができただけでも、優秀な医者だと言うべきだろう。ヤコブ病というのは、ほとんどの医者にとって「学生時代、国家試験対策にそんなの覚えたなぁ」程度の認識に過ぎないから。
ヤコブ病の可能性を指摘された上記患者の家族は、ネットで情報を調べるうちに、僕の記事『ナイアシンとプリオン病』を見つけた。
そして、主治医に僕の記事を見せ、「ナイアシンなどのサプリを飲ませてもいいか」と尋ねた。主治医は「ご自由にどうぞ」と答えた。
たとえば癌だと、こういうふうにすんなりとはいかない。お上の推奨する標準治療(抗癌剤、放射線、手術)があるので、「サプリを飲んでもいいですか」などと聞くと、「治療効果が分からなくなるからダメ」と言われるのがオチである。
しかしヤコブ病については、厚労省の『プリオン病診療ガイドライン』にもあるように、「CJDの治療法はない」。ひとたび罹患したとなれば、座して死を待つのみ、である。治療法がないということを厚労省が正式に認めているのだから、主治医も「民間療法でも何でもやっていい」とゴーサインを出したわけだ。

この主治医、ヤコブ病を見抜いた点ではすばらしい医者だったが、しかし、コロナワクチンへの盲目的な信頼という点では、そこらへんのつまらない医者だった。「コロナワクチンで起こり得る副作用として、CJDの記載はない。だから、ワクチンのせいでCJDになったとは言えない」と、因果関係は頑として認めない。

しかしサプリを認めてくれただけでも、よしとすべきかもしれない。カプセルタイプのサプリであれば、カプセルを割れば粉が出てくるから、それを経鼻チューブ経由で栄養剤と一緒にいれてやればいい。
ナイアシン、ルンブロキナーゼ、ゼオライト、5ALAあたりを試そうかと思っているが、果たしてどの程度効くか、分からない。しかし僕としては、一通りやれることをやって、少しでも症状の進行を遅らせることができれば、と思っている。

コロナワクチンの大規模接種が始まって以後、ヤコブ病の発症者が明らかに増えている。しかし、100万人に1人の病気の発症率が仮に100倍に増えたとしても、1万人に1人である。増えているとはいえ、それでも、珍しい病気には違いない。
僕はいつも、患者のことをブログに書くときには、匿名にするのはもちろん、本質に関係ないところでは詳細を変えているが、これだけ発生頻度の低い病気であっては、その病気にかかったということだけで、本人の特定につながりかねない。だから、上記の患者を記事にすることにためらいがあった。
しかし、患者家族はこんなふうに思っていることを知った。「妻はこの病気のために仕事をやめましたが、病気がなかったとしても、年内には退職するつもりでした。これまで仕事でバタバタと忙しかったものですから、退職して家族とゆっくりと過ごそう、第二の人生を始めようと思っていたんです。そんな矢先にこういうことになりました。コロナワクチンの接種によってこんなことが起こるのだということを、広く知って欲しいと思っています」
ワクチン被害者の家族として、たとえばテレビや新聞などの取材があったとしても、応じる覚悟だ。

悲劇はいつも、事後的である。誰かが声をあげることで、そしてその声が誰かの耳に届くことで、少しでも悲劇を減らすことができればいいのだけれど。