現代日本人の重金属汚染1

1か月ほど前に、オリゴスキャンという体内のミネラル濃度を計測する機器を導入した。
有用ミネラル(マグネシウム、ケイ素、亜鉛など21種類)と重金属(アルミ、水銀など15種類)の蓄積濃度が、ほとんど一瞬で分かる。得られる情報量が極めて多いため、臨床で非常に重宝している。4月29日現在、すでに89人の患者に対して実施した。
たとえば、こんなふうに結果が出る。

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アルミ、銀、バリウム、ビスマス、カドミウム、水銀、鉛で高値。
「ひどい検査結果だ。きっと不健康な病人に違いない」と思うだろうか?
しかし実際のところ、この患者には特段の持病はない。というか「一度オリゴスキャンを受けてみたいから」という理由で来院した人だから、そもそも“患者”という呼称が適切かどうか、ぐらいに健康な人だ。後述するように、この人のデータは”重金属偏差値“49.06と高くはなく、むしろ平均的である。
オリゴスキャンのデータを見ると、ほぼ全員の患者が驚く。「食事とか気を遣って健康的に過ごしているつもり」の人でも、どれほど有用ミネラルが不足しているか、また、どれほど重金属が蓄積しているかを見て、皆ショックを受ける。

当院では、オリゴスキャンのデータを、やるたびごとにエクセルに打ち込んでいる。僕が手入力で打ち込んでいます(^^;
実にめんどくさい作業である。でも必ずやる。今後もオリゴスキャンをやるたびに、ちまちま入力し続けるだろう。なぜなら、これらのデータは宝の山だから。
一人の患者から得られるデータだけでも多くの情報を含んでいるが、集まれば集まるほど、さまざまな統計的傾向がわかる。

たとえば、それぞれの重金属について、平均値と標準偏差を求めたり、横軸に重金属濃度、縦軸に人数をとってグラフを描いてみたりする。多くの重金属で正規分布を描くが、たとえばガドリニウムだと二峰性のグラフになる。これは造影MRI(ガドリニウムを造影剤として使う)をやったことがあるかないかで極端な差が出るせいだ。
ガドリニウムがやたら高い人に「造影剤検査、やったことないですか?」と聞くと、「うーん、ないと思いますけど」という。後日、「先生、以前ガドリニウム造影、やったことないって言いましたけど、思い出しました。昭和62年に一度受けたことがあります。大昔のことなのですっかり忘れていました」
つまり、ガドリニウムは30年以上経っても排出されていないということだ。こういう発見があって、患者にとってだけでなく、僕にとっても勉強になる。

平均値と標準偏差をもとにして、各人の値について、偏差値を求めた。
たとえば、アルミについて、全体(n=89)の)平均値は0.01259、標準偏差は0.001753だった。これらを元にして、上記患者のアルミ濃度(0.01357)を偏差値で評価すると、55.5893となる。
こんな具合に、他の重金属についても平均値、標準偏差を求め、偏差値を計算していく。
すべて重金属について各値を算出した後、総合的な偏差値を求める。それで順位(RANK関数)を付けた。
上記の患者では、以下のようになった。

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注意すべきは、ここでいう偏差値は、学業成績の偏差値と違って、高いからといって全然ありがたくない(笑)重金属の蓄積具合を評価しているのだから、低ければ低いほど望ましい。

このようにして評価すると、見えてくるものがある。たとえば上記の棒グラフでは銀がずいぶん高いように見えるが、偏差値として評価すると46.5と、大したことない。同様に、カドミウムも棒グラフでは高いように見えるが、偏差値では45.5と標準以下、全体の順位は89人中41位と真ん中くらいと、相対的な位置づけができた。

こんなふうに多くの患者を分析して、いくつか分かったことがある。
まず一番ショッキングだったのは、アルミ、銀、カドミウム、鉛については、棒グラフが緑色の人が存在しなかったことだ。つまり、低値の人が存在しなかった。計測した人全員で高かった!
もちろん、幅はある。ものすごく高い人もいれば、比較的低めの人もいる。平均値を中心にベルカーブを描くわけだけど、上記の4種類の重金属については、その最も低い人でさえ高値だった。
日本人の体の中で、何かとんでもないことが起こっているんじゃないかと思った。
全員で高いということは、個人でばらつきの大きい食習慣や職場での作業環境曝露によるものではない。日本人全員が共通して利用しているもの、たとえば空気や水が汚染源になっているのではないかと考えた。

たとえば、気象操作、という技術がある。
2008年北京五輪。中国政府の威信を賭けた国際イベントである。その開催日8月8日に雨に降られては「中国のメンツは丸つぶれである」と政府高官は考えた。彼らにとって8月8日は、何が何でも晴れてもらわなければ困る日、だった。しかし過去30年のデータによると、8月8日の降水確率は47%、豪雨になる確率は9%と、統計の示す数字は実に心もとない。降水確率を何としても0%にしたい。そこで、気象操作の出番である。
人工消雨(あるいは人工降雨)の原理はごく簡単である。以前ツイッターでつぶやいたことがあるので、それを援用しよう。

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かつて、天気は「天の気」、つまり、人為の思いのままにならないものの代名詞だった。しかし今や、空を快晴にすることもできれば雨にすることもできる。
こういう気象操作の存在を考えれば、銀濃度が高い理由として「気象操作によって大気中に拡散された銀を経気道的に吸入した可能性」もあり得ると考えた。

あるいは、ケムトレイルという現象がある。

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一見飛行機雲のようだが、そうではない。飛行機から意図的に散布される有害物質である。
「ケムトレイル」などと言うと、「ほら出た!陰謀論!」という反応をされてしまう。でも、この言葉は論文にも出てくる一般名詞ですから。

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『ケムトレイルによる環境中のアルミニウムの増加』
文中に「アルミ、バリウム、ストロンチウムが散布されている」との記述がある。
上記患者の棒グラフを見ても、バリウムが高い。「職場の検診なんかでバリウム飲んだことありますか?」と聞いたが、ないという。バリウムを飲んだことがないのにバリウムが高い人は珍しくない。ケムトレイルに含まれるバリウムに曝露した可能性も否定できない。

個人的には、気象操作やケムトレイルという現象は、陰謀論どころか、当たり前に存在すると思っている。しかし世間一般の人にとっては、まだまだなじみのない言葉で、あまり前面にプッシュしては引いてしまう人もいるだろう。だから、これらが重金属汚染の元凶である可能性については、ここではこれ以上触れない。

もっと身近な曝露源として、水は無視できない。

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日本の水道水には沈澱凝集剤としてアルミが使われている。「排出されるから、微量なら問題ない」とされているが、そういうことにしているのは行政である。科学の示すところでは「アルミは微量であっても体内に蓄積し、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経疾患の原因」である。

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現在でも基準値を超えるアルミが検出されることがしばしばあるが、今後日本の水道事業が海外のグローバル企業に買収されるようになると、水道水の有害物質基準値など「あってないようなもの」になることは目に見えている。日本人はますます弱っていくことだろう。

そこで「浄水器を使おう」となるが、ここでも落とし穴がある。

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たとえば活性炭を使った浄水器。なるほど確かに、水道水に含まれる塩素を除去してくれるが、多くの浄水器メーカーは炭を銀で抗菌加工している。
銀は無害と「されている」。やはりここでも、そういうことに「している」のは行政である。実際には銀の有害性を示すデータは無数にある。

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よかれと思って毎日使っている浄水器のせいで、体内にどんどん銀が蓄積していくわけだ。
話が長くなりそうだ。また次回に続きます。