ウコン、ケイ素、アルミ
ウコンの健康効果について、ブログやツイッターなどで以前からお伝えしてきた。
個人的に注目しているのは、ウコンによる重金属(アルミ)のキレート作用である。
一方、「アルミのデトックス」と聞いて思い出すのは、ケイ素である。これについてもやはり、以前の記事やツイッターで紹介したことがある。
つまり、ウコン、ケイ素、いずれにもアルミのデトックス作用がある。
併用によって相乗作用が生まれればおもしろい、と思った。つまり、ウコン、ケイ素について、それぞれの重金属キレート作用を1とすると、併用によって2になる(相加作用)ばかりではなく、2以上(相乗作用)になればすばらしい。
こういう動物実験がないかどうか論文をあさってみたが、残念ながら見つけることはできなかった。ただ、ウコンとケイ素の併用についての研究は複数あり、たとえば以下のような論文である。
『ケイ素の表面修飾によるクルクミンの可溶性および抗バイオフィルム活性の向上』
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2020/na/d0na00041h#!divAbstract
あえて断言するが、「すべての病気には腸が関係している」。腸内細菌叢が乱れ、悪玉菌がよからぬ物質を産生すると、それが血流に乗る。脳に届いて炎症を起こせば不安や抑うつの原因になるし、関節にトラップされればリウマチなどの関節炎の原因となる。気管支が炎症すれば喘息だし、皮膚に出ればアトピーだ。そう、結局、すべての病気は別物ではなく、表現形式の違いに過ぎない。
それでは、どうやって腸内細菌叢を改善すればいいのか?
様々な方法があるが、たとえばウコンである。ウコンの抗微生物(細菌、真菌、ウイルス)活性およびその機序については、充分なエビデンスがある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4022204/
シャーレのなかで細菌を培養する。クルクミン(ウコンの成分)を1滴落としておくと、その周囲だけ明らかに細菌の発育が遅い。抗菌作用は、こんな具合に簡単に確認できる。
しかし、あくまでシャーレの中である。実際の腸内では、話はそう簡単ではない。いわゆる悪玉菌は、腸内でむき出しで存在するのではなく、バイオフィルムというバリアに守られているのが普通である。シャーレの中ではウコン1滴でやりこめられた細菌たちも、腸内ではバイオフィルムに守られてまったくの無傷である。このバイオフィルムを破壊しウコンの成分を直接ぶっかけることができれば、細菌をすみやかに排除できるはずだ。
様々な試行錯誤が行われた結果、有望視されたのが、ウコンにケイ素を併用することである。
バイオフィルムは、正式には、細胞外高分子物質(EPS)と呼ばれる物質で、EPSのせいで抗菌成分が菌体に届かない。EPSバリアを破壊するために、抗菌成分をナノキャリアーと結合することを考えた。クルクミン-ケイ素結合ナノ分子(curc-NPs)の形で使用したところ、見事、バイオフィルムを突き破り、抗菌作用を発揮することができた。
具体的には、Pseudomonas putida(グラム陰性桿菌の一種)のバイオフィルム形成を50%抑制し、すでに完成したバイオフィルムの54%を破壊することができた。
なお、以前のブログでも触れたが、悪玉菌はバイオフィルムの形成に際し、重金属を活用する。
https://clnakamura.com/blog/5153/
インフルエンザワクチンなど、毎年のようにワクチン接種をする人の腸内は、重金属入りのバイオフィルムでべったりコーティングされていると考えてよい。こういうバイオフィルムは、通常の食生活をしているだけでは、自然と解消されることはない。
【症例】40代女性
「8年前から耳鳴りに悩んでいます。耳鳴りの発症には、明らかにきっかけがあります。インフルエンザの予防接種を受けたんですね。その3、4日後にひどい頭痛がしました。もともと頭痛持ちではありましたが、そのときの頭痛はいつものとは比較にならないほどひどい頭痛でした。いつもの頭痛なら痛み止めなんて飲まずにやり過ごすのですが、そのときだけは我慢できなくて薬を飲みました。翌朝頭痛はなくなっていました。代わりに、耳鳴りがしました。それ以後ずっと耳鳴りがあります。予防接種から8年経った今でも、です。
あちこちの耳鼻科に行きました。でも「ストレスのせいですね」で終わり。「特に対処法はありません。ゆっくり休んでください」だけ。
耳鳴りがひどいときは、身動きすることもできません。家事ができなくて、当時幼稚園に通っていた子供の送り迎えもできなくなりました。
ある耳鼻科で音響療法を勧められました。耳元で雑音を流して耳鳴りを感じにくくする機械を着けます。これのおかげで、多少楽になりました。今も着けています。
2年ほど前に急にのどが痛くなり、内科で抗生剤を処方されました。その抗生剤治療をしてから、耳鳴りの症状がますますひどくなりました。これまで耳鳴りは左耳だけでしたが、右でも聞こえるようになって、しかも音も大きくなりました。のどの違和感も、それ以後ずっと残っています。いろいろネットで調べて、ヒステリー球かなと思うけど、よく分かりません。
貧血はあります。鉄剤とプロテインを飲みましたが、特に改善はありません。耳鳴り、のどの違和感、ずっとあります」
ワクチンで発症し抗生剤で悪化する。この辺り、自閉症の経過と似ている。ワクチンが自閉症や認知症を引き起こすことから、ワクチンは一見、神経系に悪影響を及ぼすように思われる。実際その通りで、ワクチンに含まれるアルミはBBB(血液脳関門)を通過し脳に沈着する。いったん脳に沈着したアルミは、なかなか排泄されない。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2671833/
しかし、ワクチンの毒性をそれだけだと思っては、本質を見誤る。根本は、腸に対するダメージにある。ワクチンによる腸内細菌叢の破壊(dysbiosis)こそ、様々な不調の源になっている。
オリゴスキャンで体内の各種ミネラル、重金属の蓄積量を調べたところ、ケイ素の不足およびアルミの蓄積が確認された。一般に、ケイ素とアルミ、セレンと水銀に負の相関があることが言われている。
治療法はもちろん、ウコン、ケイ素など、アルミを排泄する作用がある物質を意識的に摂取することである。脳組織あるいは腸内のバイオフィルムに沈着したアルミが減っていくにつれ、症状は徐々に軽快していくことだろう。