なかむら こうすけ
友人からとある依頼が。水煙草を通じて、若者文化の発信者たちが寛ぎ、繋がる空間を設計することに。個性溢れる依頼主たちとの共創の中で生まれたアイデアや物語を数回に分けて書いていきます。
やらないといけないし、やりたい。けれども、やれないし、やる気にならない。近頃はそんな鈍色に塗られた気分で過ごす事が多い。 何かを考えるのも、手を動かすのも、もちろん好き。でも、好きな事でも乗り気でなくなる時だってある。そんな時は、じきに楽しくて仕方がなくなってしまう時が来るまで待たなければならない。 待つ事は、暇である。ずっと待つという行為をしているのに、何もしていない気になってしまう。 待つ事は、疲れる。何かを期待する気持ちをずっと持ち続けないと、待ち続けられないから
ツルツルピカピカに擦り続けた泥団子を、ついに落としちゃって泣いた事が無いんだろうな。 (修学旅行生が美術品を修復不可能なまでに壊したのを受けて) https://news.yahoo.co.jp/pickup/6428636
「美しいと感じるってどんな事?」 「あの経験は美しいのか?」 そんな事を議論する講義を受けている。僕は判断される側でいたいと思う。
ホットケーキ焼いた今日は休日。
年忘れ、忘年会ってよく言うけれども、何ひとつとして忘れられない、そんな2021年だった。 貴重な団欒の時間にスマホばかりはもったいない気がしてならないので、noteに振り返りを書き留める事だけは忘れようと思うが。 1時間後に迎える2022年は、自分の設計、制作で誰かを楽しませられるように、頑張りましょう。 変わらず、宜しくお願いいたします。 良いお年をお迎えください。
建仁寺。私が最も心惹かれる京都のお寺。 庭と室、それを廻る回廊。庭を見る事でそれらが重なり、十二単や浮世絵のような日本的奥行きを感じさせる。 それぞれの和室には日本画など芸術品が説明と共に飾られているが、庭には説明などなく、ただ庭の名前があるだけだ。 石、木、苔、築山が、どこか別の世界を演じる(そう私たちが思い込む)庭。例えば、潮音庭と名付けられたこの庭は、水が存在しないのにも関わらず海を思わせる。この瞬間、私は間違いなくこの庭の前にいるのに、この庭は庭ではなくなってい
満足感とはなんと儚いものだろう。それは無機質な街をたった2週間彩る銀杏みたく、気付いた頃には終わりを知らせている。 ひとは大体いつも何かの物足りなさと一緒にいる。けれども、逆にひとは大体何かに満たされた事がある。とも言える。 寒いなぁ。 と感じるのは、茹だるように暑い夏を過ごした事があるから。 お腹すいたなぁ。 と感じるのは、別腹を作ってしまう程にお腹いっぱいに食べた事があるから。 眠いなぁ。 と感じるのは、目覚まし時計をかけずにゆっくり眠った事があるから。 寂しい
水煙草屋さん"カルチャークラブ"の自主施工がついに始まり、いよいよオープンの時が。 今回は、連載"カルチャークラブ"の最終回(早くも)。物語の締め方はどうしようか。とは言えカルクラは工事が永遠に終わらない中崎町版サグラダ・ファミリア。締めることがまず間違いなのかもしれない。 ーー 前回はこちら。 ーー 自主施工による突貫工事はどんどん進む。画面越しの進捗報告には、毎回心が動かされた。真っ白の壁やピカピカのタイルがカルクラ色に染まっている。塗りムラひとつにも、誰かの想いが
朝5時。 友人たちと家飲みをしていた私は、例の如く潰れて寝てしまった。洗い物まで任せてしまったので、朝イチの珈琲は私が淹れてあげようと思う。 まだ暗い外を見ながら、冬が近づいているなと実感しているのだが、どうにも二度寝する気になれない。いつもゆっくり寝たいと嘆いている私にとっては贅沢な悩みである。 そう言えばこの前聴いていたラジオで、とあるミュージシャンが言っていたことを思い出す。 "モチベが無いならやんなきゃいいじゃん。" これは、"やる気が出ない時、どんな風に自
勝手に始めた連載、"カルチャークラブ"第2回。 この連載を読んでくれるそこの誰かが、この物語に少しでも心躍らせたり、お店に足を運んでくれる未来を期待して書いていく。 ーー 前回はこちら。 ーー 水煙草屋さんの設計が始まったが、デザインはそう簡単に決まらない。 設計チームは全員で6人。その中の私と、設計のお誘いをくれた友人の2人で主にデザインを考える。この2人、カルクラに対する印象やデザインの趣向がかなり違う。いきなりデザイン案を擦り合わす事が難しいので、コンセプトをま
水煙草屋さんの設計施工を手伝った。既にオープンして1ヶ月が経っているが、記憶が薄れてしまう前に想い出話を何本かに分けて書こうと思う。 ーー このお話に出てくる水煙草屋さんはこちら ーー 夏も終わりに差し掛かる頃、学部からの友人に内装設計を手伝って欲しいと頼まれた。実際に設計する機会が未だ無かった私は心躍ったが、驚く事に設計期間は1ヶ月もなく、敷地は大阪梅田らしい。私はこの春から東京に移り、この頃はプロジェクトや課題に追われていたので大阪に帰る暇もなかった。いつもの課題で