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いつかのあなたへの手紙 (その④ハーフバースデーを迎えました)
ひろくんへ
いつの日か、ひろくんに産まれたときのことを伝えることがあるでしょう。その時にちゃんと伝えられるように手紙を書いておきますね。
寒い寒い冬に生まれたと思っていたら、いつの間にか世の中はとっても暑い夏。
お外の気温が35度を超えるとっても暑い日が続いています。
ひろくんが6ヶ月のハーフバースデーを迎えたので手紙を書きますね。
産まれてしばらくは、お布団の上で寝っ転がっていただけのひろくんですが、最近は体が動かせるようになって毎日毎日できることが増えています。
寝返りができるようになった
寝返り返りができるようになった
お腹を上げて四つん這いになれるようになった
四つん這いになって右足を動かせるようになった
四つん這いになって左足も動かせるようになった
体をくねくねさせて方向を変えられるようになった
コップからお水が飲めるようになった
ごはんを飲み込めるようになった
あー、うー、などのお声をだしてたくさんおしゃべりができるようになったお父さんやお母さんを見つけてにこにこ笑顔になってくれる。
本当にお布団に寝っ転がってたあのひろくんと、お母さんの目の前で体をいっぱい動かしてころころと表情を変えるひろくんは同じ人かな、と思うくらいにどんどん成長しています。
自分でステキなものを見つけるのも得意です。
音のするもの、触り心地がいいもの、キラキラするもの、ふわふわするもの、
キョロキョロと周りを見たり、体をもぞもぞ、くねくね、ころころさせてお家の中を探検して、お手々を伸ばして触って、お口で確認して、お気に入りをたくさん見つけています。
好きなもの、気になるものに目を輝かせ、
嫌なこと、気に入らないことには顔を曇らせる、
そんな姿に、ひろくんの意思を感じます。
あぁ、この世に出てきたばかりの”赤ちゃん”から、この世で生きていくための力を身につけた”人”にどんどん成長しているんだな、そう感じます。
偉そうに「成長」なんて言っているけど、じゃあお母さんは一緒に成長できているでしょうか。
光の速さで成長していくひろくんに、とにかく置いていかれないようにとは思っているけど、、ちょっと自信はありません。
つい、前はこうだったからとか、こうしてほしいからとか、こうなるはずだとか
大人の事情と勝手な思い込みでひろくんに接することがあります。
そんな時、まだお腹の中にいたひろくんにした約束を思い出すようにしています。
「あなたの人生が明るいものになるように、お母さんはそのお手伝いをなんでもするよ」
寒い冬の晴れた日に、ベランダで日向ぼっこをしながら
もうすぐ産まれてくるひろくんに約束しました。
お母さんはあくまでもひろくんのお手伝いしかできないのです。
寝返りをするのも、四つん這いになるのも、ご飯をたべるのも、全部ひろくんが頑張ること。
お母さんは今までもこの先も、代わりにやってあげることはできなくて
できるようになるお手伝いをしたり、できない時に支えになることしかできません。
それでも、できることはなんでもしたい、今でも思っています。
ひろくんの人生の主人公はひろくん。
お母さんの想いとか都合とかを重ねないように、そしてひろくんに置いていかれないようにこれからも頑張らないとね。
正直にいえば、毎日毎日、毎時毎時が必死です。
おっぱいあげて離乳食あげておむつかえてお昼寝して、
あれ寝ないな、おや吐き戻しが多いな、これも洗濯しなきゃ、うんちが出てない気がするな、なんか機嫌が悪いかな、あーそこはさわっちゃだめ
そんなことに追いかけられてるような毎日です。
でもふとした瞬間に、これが”幸せ”なのかと涙が溢れるくらい眩しい時があります。
ふわふわの手でお母さんの手を握ってくれた時
少しずつできるようになったずり這いでお母さんのところに来てくれた時
すーすーとねんねする穏やかな顔を見た時
嵐のような毎日とその中にぽろりぽろりと転がる幸せな一瞬が
積み重なって今日のひろくんになって、明日のひろくんをつくる
そう思うと、同じように感じる必死な毎日をちょっとだけ大切に過ごせる気がします。
いつか、お母さんのおっぱいがいらなくなる日がくる
いつか、お母さんがおむつを替えなくなる日がくる
いつか、お母さんの手をとって歩いて、手を離して歩く日が来る
今からそんな“いつか”のことを考えると、寂しくなってしまうけれど、今日のひろくんが“いつか”のひろくんをつくる、
そんな大切な今を一緒に過ごせていることを、とてもとてもうれしく思います。
今日まで元気に大きく育ってくれてありがとう。
あの日お母さんのところに産まれてくれて、ありがとう。
お母さんをお母さんにしてくれて、ありがとう。
ひろくんはお母さんにとって、とてもとても大切な存在で、
お母さんに頑張る力をくれる希望です。
お手紙の4通目は、産まれて6ヶ月たったひろくんのお話でした。
また、手紙を書きますね。
お母さんより
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