見出し画像

朝ドラ「虎と翼」と月経と、祖母が教えてくれたこと

おはようございます。
今の朝ドラ「虎と翼」を熱心に追いかけているKoiです。

日本で初めて女性が弁護士、そして裁判官になった猪爪寅子の半生を描く同作は、戦後の昭和という激動の時代のうねりの中で「女性がどう生きるか」をフィーチャーしたお話。女学校を出た後「嫁に行くのか」「職業婦人となるのか」にはじまり、結婚、出産を経て、戦争未亡人となった寅ちゃんの目を通して、当時の女性たちのあらゆる戦いと本音が垣間見れます。

私が「あっ・・・」と気になったのは、主人公の寅ちゃんが「生理痛が重くて、大学に行けない日がある」というくだり。

いまでこそ、大企業では「生理休暇(F休暇?)」も認められ、女性の生理って毎月くるけど、だからこそ毎月の半分ぐらいはめっちゃしんどいんやで。が、徐々に浸透しつつありますが。当時は、そんなこと全くもってガン無視でしたでしょう。

ドラマの中で、寅ちゃんに対して友人が気遣って「生理痛が軽くなるツボ」を教えてくれたり、「行きたい大学に生理痛が重くいけないことが、つらいんだ!」と訴えたりするシーンがあります。

この回を見ていて、昔、祖母が小学生の私にポツリと話してくれた、彼女自身の10代の女工時代の経験談を思いだしました。

新潟の国分村という、国内最後のSL機関車が走っていたような田舎町で、百姓の娘として育った祖母は、中学もろくに卒業することなく、町の工場で家族を養うために働くことになりました。

そんな話、当時は決して珍しくはない境遇かもしれないけれど。すぐに戦争がはじまり、工場勤めの祖母はお国のために不眠不休で労働を強いられ、10代半ばで青い春も知らずに「富国強兵」の大号令の下、工場で日夜働くことになりました。

それでも。もともと「家族を養うため」と腹を括って働いた祖母ですから、泣き言も言わず目の前の流れ作業に没頭して、シャカリキに働いたといいます。

そんな彼女を悩ますのが、月に1度の「お月のもの」でした。躯体の丈夫な彼女は生理痛に悩まされることは無かったそうですが、それよりも耐え難いのは、仕事中に自分の足元に流れる経血です。

現場監督の厳しい監視のもと、トイレに行くチャンスを逃してしまうと一発アウト。ふくらはぎから足首、足元に溜まっていく経血に気づいた時、10代の彼女は恥ずかしさで逃げ出したい気持ちになったと、話してくれました。

すぐさまトイレに駆け込んで、トイレの固い紙を何枚も折り重ねてパンツに忍ばせ、そして「どうかこれ以上漏れませんように」と祈る気持ちで、また仕事に戻ったものよと、小学生の私に話してくれました。

「ナプキンって、すごい良いものよ。いつかアンタも生理になる。そしたら、堂々と買っておいで。お母さんに任せずに、自分で買っておいで。アンタが大人の女性の証なんやから。なんにも恥ずかしくないからね」

戦争の悲惨さや、悲しみを語っているドラマ、書籍、映画は沢山あるけど、昭和初期、一人の田舎の女工さんが、当時ここまで生理に苦しんだという実体験は、どこからも聞いたことがなく。本当に貴重な話やったなと。今ならわかります。

小学校の保健体育で聞いた話はあんまり記憶にないけれど。祖母のこの話は、鮮明に覚えています。祖母は、孫の私にここまで真剣に向き合い話をしてくれる人でした。誇らしいです。

さてさて。
今後も寅ちゃんが、どのようにして日本初の女性裁判官へと突き進むのか。楽しみですねぇ。尾野真千子さんのナレータも好きだわ♡

Koi/中目黒土産店


いただいたサポートは、新しい商品作りのために全額投資させていただきます!ご支援よろしくお願いします☆