20年前に毎日を捧げた化学実験の話、この話わかりますか?
どうもkbです。ご無沙汰しています。緊急事態宣言を受けて自粛しまくると何も書くことがありません。というわけで少し思い出話を。長くなりそう。
20年くらい前に化学系の大学に通っていまして、学部4年生の時と院生の時は毎日毎日化学実験漬けでした。その大枠と、使っていた実験器具なんかをご紹介いたします。
最終的には解析屋さんのようなことをしていましたが、自分で目的の化学物質を合成して、出来たものを分析する。大まかに言うとそんな流れでした。
目的の化合物は液晶性を示す物質でした。ただし常温では固体。熱を加えることで発現するサーモトロピックネマティック液晶というものです。
まずは、
原料化合物を溶媒に溶かす。
↓
もう一つの原料を加える。
↓
数時間の還流。
ここで使うのが、三つ口フラスコ、滴下ロート、ジムロート冷却器、などなど。
固体をそれぞれ溶媒に溶かして、混ぜて、二つの物質から一つをつくる。ということを繰り返していました。使っていた溶媒は主に、
クロロホルム
メタノール
エタノール
水
ヘキサン
ジエチルエーテル
の6種類でした。主に極性を考慮して使っていたと思います。
出来上がった物質をキレイにしなければなりません。副生成物や未反応物などの不純物を取り除く作業です。
まずは溶媒を取り除きます。エバポレーター、アスピレーター、トラップ球を使って減圧しながら加熱して溶媒を沸騰させます。
残った生成物をまた別の溶媒に溶かして、再結晶させたり、あるいは長いカラムとシリカゲルを使ってクロマトグラフィーをしたり。
化学合成をやっていた人にとっては、いたって普通の品揃えではありますね。いま個人で揃えたらいくらくらいになるんだろう、とAmazonさんで探してみました。ドラフトが必要だったり、何より原料を揃えるのが難しいので再現は無理なんですけどね。
そして出来上がった物質を測定です。主にやっていたのは、DSC、IR、NMR、PVT測定。なかでもPVT測定はGNOMIX社製の装置を使わせてもらって、貴重な体験でした。試料が1gも必要だったり、試料封入に水銀を使ったり、と大変ではありましたが。
こちらから画像お借りしました。
さて長々と書いてきましたが、いかがだったでしょうか。わからない人にはまったくわからない、わかる人にはとてもわかる。ロートの先っちょ折れやすいよねー!ガラス器具の破損は自分でバーナー使って直したりするよねー!とかいう話をしたいかたはkbまでどうぞ。
ではまた。
kb / 中目黒土産店
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