新入生へ④:楽単をおしえます

「この単位は楽単!1年生のうちに履修すべき!」「この講義はレポートが長いので大変!」

というようなツイートを今まで見たことがあるでしょうか。ぼくは腐るほど見てきました。これらは本当なのでしょうか?結論を先に述べると、意外やもしれませんが、概ね事実です(と、少なくとも見た範囲では同意しています)。

フェイクでしたら真っ先に同じ学科の在学生Twitterヘビーユーザーから指摘が入るはずですし、新歓期間中の情報収集をしているうちに、あの人の言っていることはなんだかおかしいと気づくものと思われます。しかし、このツイートには「見えない続き」があります。


見えない続き

例えばぼくが新入生の時、ちょうどイギリスのブレグジット(EU離脱)が話題でしたので、ヨーロッパ政治に興味を持っていたとします。「ヨーロッパ政治史」という科目もあるでしょう。ここで先輩に履修相談を受けたものとします。

そうすると先輩が上の通り「その講義はレポートが大変だよ!」と言ってきたとします。すると、「興味あるんだけど、レポート大変だから単位取れないかもしれないな、やめよう」と思いませんか?

お気づきかもしれませんが、先輩は「取らない方がいい」とは言ってはいないのです。精々「キツい」くらいだと思います。履修をやめろとは言っていなくて、ただレポートが大変だ、という風に評しただけなのです。楽単についても同じで、単位取得が容易であると評しているだけ(たまにこれを理由に履修を推薦する人もいますが)なんです。

ところが、単位取得の難易度(および評価)はその講義を構成する要素の一つでしかないのです。講義を履修する理由というのは、実はなんでも良いのですが、新入生は講義形態や、内容も予測が全くつかないので、難易度の情報をもとに判断する人も多いはずですが、先輩は紹介する講義についてはある程度責任を持っておく必要があると思います。こういう、ある要素が全体の評価に拡大されてしまう現象のことを「プライミング効果」と呼びます(社会心理学/メディア論の用語です)。


3つの判断材料

では、どのような情報をもとに判断すればよいのでしょうか?ほかにもいくつかあると思いますが、私見では大別して3つあると考えます。①前提 ②評価方法・難易度 ③講義内容 です。この要素全てが合致した時に、本当の「楽単」が履修できるでしょう。すべてが自分の都合の良い講義があれば履修すべきですが、大概の場合どこかしらが外れることになるので、どこを妥協するかによって、何が楽単で何が苦単か、変動してきます。

①前提

つまり、知識がどれだけ備わっているか、ということです。政治のせの字もわからん、という学生でも受けられるのか、それとも同学の講義の知識をある程度積んでおかないと、ついていけないのかという点で、具体的には学年が指定される講義や、あらかじめ履修を想定している特定の学年がある場合です。

②評価方法・難易度

これが世にいう「楽単」の要素です。換言すれば、レポートの物量、テスト対策に必要な時間数等です。ある程度重宝されるべき情報でしょう。これを気にしない学生はいません。誰も最初から単位が取れないと分かっている講義は取りたくないでしょう。①との相違点を強調して再度説明するなら、「その講義そのものの」単位の取りやすさです。これがキツい単位ばかりを入れていると暇が減っていきますが、今のところ本学科においてはこの状況に陥った人を見たことはありません。

あと、レポートを数千字も書かないといけないの!?という人は安心してください。「走れメロス」はおよそ一万字だそうです。

③講義内容

これはシラバスで確認できます。登録するまえに、一応でも良いので目を通してみてください。実際受講した時のミスマッチをだいぶ減らしてくれます。少なくとも、寿司を頼んだら刺身が出てくるようなレベルの齟齬は回避できるものと思います。

ちなみに、他に考慮すべきは「対面かオンラインか」「何限か」「群は」「教授はだれか」「身の回りに受講者はどれくらいいるか」などがありますが、これらの要素も全て含めて、理想通りの講義しか取らない、というのは現実的ではないと思いますので、それは上の三つの条件を含め、どの要素に比重を大きく置くかを考えておくと良いと思います。分野ごとに考えておくのもよいですね。


結局オススメの講義は?

いろいろなところ(部活の人・履修相談など)から情報を仕入れて自分の責任で判断した方がいい

…というのが一番正しいとは思うのですが、その情報の一端を提供することは、むろん、ぼくにだってできます。(二つとも1年次に受けた講義ですので、現在と異なっている場合がありますが、教授は22年度時点で同じです)


①社会学(遠藤先生)

オススメする理由:社会学という学問自体が高校生にとって馴染みの薄い分野であり知見が広がる。メディアという分かりやすい媒体から学習もしやすく、単位取得率も高い。(なお、良い成績を取るためにはそれなりの勉強が必要)先にも書いたが、学問領域を認知するという意味合いや、A群であるということから早めの履修を薦める。

②政治学(野中先生)

オススメする理由:政治史・統治理論をさらう講義であり、一般化されているため前提知識が足りないと少し苦労するがカバーできるレベルで、「政治学」を俯瞰でき、今後の学習の道筋を立てる参考になるため一年次での履修を推奨。なお、こちらは単位取得率が上に比べ落ちるため、それなりに勉強する必要がある。同じくA群。

他は興味のある分野ごとに推奨する講義が変わってくるため個別の相談にて。なお、筆者は社会学・政治哲学の方に興味があるため、そちらの方の講義に履修が偏っているかもしれません。



まとめ

興味のある分野の苦単は興味のない楽単より「楽単」です。個人的な感想ですが


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