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(マンション建替え)主な反対意見(2)

 以下の実際の具体的事例で出された不安事項とその対処法を掲載しました。事例は渋谷区の住宅街で築年数が40年以上の区分所有マンションです。区分所有者は専有面積が1戸当たり55㎡で60㎡の新築マンションを取得したとした場合、2080万円の負担金が発生します。建替決議までに10年の歳月を必要としました。

具体例:

(具体的事例)
 渋谷区〇〇〇〇 2013年9月竣工
 再建築原価(2LDK 18坪) 5040万円 →2013年販売価格 6700万円
 旧建物評価(敷地評価)    2960万円     ⇓
 負担額            2080万円  2020年推定  7200万円
 ※築40年以上の建物 30戸 1戸当たりの土地評価が2960万円
 再入居価格は5040万円で土地評価との差額2080万円が負担。

このような条件下での不安事項をまとめました。

(高齢者層)
・借金できない
・ お金がない
・ 仮住まい(年齢制限)
・ 気力がない(体力がない)
・ 引越しが面倒(2回の引越し)

(ファミリー層)
・ 工事期間中の住まい
(子供の学区)
(ローン負担)
・ 家計負担増

(貸家層)
・工事期間中無収入
・ 借家人の立退き

「ローン返済は終わったばかり、今後は老後資金が必要、「建替え」にお金を使いたくない。また、新たに借金なんて考えられないし、年齢的に貸してもらうことなどできない。」

「現在も住宅ローンがある。子供の教育資金も必要。仮住まい期間中の家賃と今のローンを払い続けなければならない。さらに、新たな借り入れなんて考えられない

実は解決できる問題です

プラス--資産性アップ
 何より、これから「建替え」を進めようと考え、デベロッパーが事業協力者に参画するようなマンションは、資産性の向上が見込める案件です。

事例より) 

 2080万円負担で6700万円の案件を取得できる(2010年時点)

 2020年時点では7200万円程度迄上昇してきた

 期待される資産性アップ評価とご自身が考えるマイナス要因について、ご家族で充分話し合って、結論を下してください。 
マイナス--①高齢、気力、体力の減退、面倒な引っ越し
 親が亡くなり、亡くなった後の残された家屋と家財道具は子供達には、やっかいな問題です。子供がいないとしても、誰かが処分することになります。この問題は“建替え”るにせよ、“建替え”ないにせよ、避けることはできません。ある程度の“断捨離”は後を託す人の為に進めなければならないのではないと思います。もし、“建替え”ないとしても、この問題を真摯に捉える機会が来ていると考えてください。

プラスとマイナス要因を秤にかける⇒ 結 論

 私の91才の父親は、母親が亡くなり葬儀を終えたときから、家にある家財、着物、小物、思い出のアルバム含めて一切を私たち子ども、孫を使いながら、捨てるようにしてくれました。今も、続けています。私たちの子どもの為にいつ何時にでも家屋を売るなり、貸すなりできるようにしてくれています。
 
 誰もが私の父親のようなわけにはいかないと思います。気力、体力の問題は個人差があります。ただ、この問題には向き合ってほしいです。

 建替組合として、できることは、大型ごみの移動、処分については、組合自身の問題として、処分先、移動手段を確保していくことです。また、引越し業者等は、幹事会社を募集し、集中することで費用の低減化を進めることです。みんなの問題として体制を築いていけばそのような対応が可能となります。

マイナス--②高齢者の借金(60才以上)
 借金、ローン設定は可能です。
 住宅金融支援機構を利用して、2000万円借入れた場合

 (フラット35 親子)
 将来的には、マンションを子供さんへの物件(相続等)と考え、親子(連帯)ローンとした場合、
 返済期間35年とすると(元利均等、ボーナス時返済なし)2020年5月時点金利1.30%
 子供さんとの連帯債務となります。
 返済額は月額59,300円

(高齢者返済特例※60才以上)リバースモゲージ
 元金の返済はお亡くなりになったときに返済となります。夫婦で60才以上の場合で連帯で借入た場合は、お二人がお亡くなりになった時点での返済となります。
 2020年5月時点金利1.10%
 利息は月額18,300円

独立行政法人住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
 ① フラット35 最高35年返済 完済時が80才迄
 ・2020年5月時点 金利1.30%
          ※親子ローンの場合、後継者の年齢による
 ② 高齢者返済特例(マンション建替えに特化)
         60才以上、亡くなるまでの間は利息のみの支払
 ・2020年5月時点 金利1.1% 
マイナス--③工事期間中の仮住まい費用と住宅ローン
 この付近の賃料となるとそれなりに高額となります。住宅ローンがある方となると、建物が壊されたとしても、ローンが残ることとなります。そのローン支払いも必要ということであり、そのような負担にご自身が耐えられるかという問題です。
(工事期間中の元金支払停止)
 ある都市銀行に建替組合の事業調達資金と合わせて、権利者個人の住宅ローン相談に応じてもらい、これまでのローンにプラス、今回の建替え負担金2080万円を含めて、ローンを設定してもらい、工事期間中は元金返済を停止してもらい、期間中は金利のみの支払いとする商品をつくってもらいました。したがって、工事期間中はこの金利支払いと仮住まい先の家賃支払いにまでは減額できることになります。

マイナス--④仮住まい先の確保
 仮住いを確実に確保する手段を講じます。
(物件):事業協力者(デベロッパー)、コンサルタントを交えて、すぐに紹介できるようにする。
(場所):仮住まい期間(3年程度)
 〇地区から離れられない人
 〇全く違う地域(南国、海外、出身地)
 〇低所得者向けの公営住宅(都営住宅は“建替事業”向けに定期的に必要戸数の調査をし 
 ており、管轄部署とのパイプを準備)。

 以上のような不安に対するデベロッパー、コンサルタントを利用して対応を構築する
 

 マイナス--⑤工事期間中は家賃が入らない
 工事期間中3年は家賃が入りません。
 将来的な資産性アップを求めていくか、建物劣化(修繕費用増大)に目をつぶって、収入を確保するか。もしくは、建替事業(賛成し)の中で、マンションを手放し、2960万円で建替組合から転出補償を受領するか、2080万円の負担付き売買を図り、それ以上での処分をめざした上で、次の賃貸案件を取得するという選択肢もあります。これらから、自身で判断していくこととなります。

 マイナス--⑥立退き交渉
 立退き交渉は貸主本人か貸主本人から依頼された弁護士以外では実施してはいけないことになっています(非弁行為—弁護士法)。一般住宅の賃貸借で立退きに弁護士に依頼するというケースはかなり稀なケースです。ある程度の立退き費用を準備することで解決することがほとんどです。ただ、実際にどのように進めて行くかは不安ばかりです。そこで、その解決する手順を貸主に具体的に教示していくことで、不安感の払拭を図っていきます。

(最後に)
 今のマンションの状況、今後の修繕費用の見込み、このまま、維持し続けられるのかを含めた上で、“建替え”のプラスの要因とマイナス要因に対する解決法をよくよく、ご自身の状況とを照らし合わせた上で、建替えについて判断してください。

 マンション建替えで、デベロッパーの参画が見込めるところは、立地によるメリットが大きいということであり、建替えによるマイナス要因を凌駕する可能性が感じられます。 
 但し、それは各個人で考えてみてください。
 
 建替えコンサルタントは建替えのメリットとデメリットへの方策を日々考えています。あくまで、判断は自分でするということを踏まえて、十分にコンサルタントを利用してみてください。

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