とみおかアンバサダー活動④～「萌」ついに発売！(元投稿：2020年3月11日)

2021年2月13日 11:26

【とみおかの日本酒「萌〜KIZASHI〜」💐本日発売！！】

― 富岡、前へ。未来へ。―

「5月になるとツツジが本当にきれいなんだよお」

手入れをされることもなく生い茂るツツジの木を二人でバリケード越しに眺めながら、夜の森地区の区長さんは目を細めて語ってくれました。2014年。避難指示が解除される３年前のことです。

夜ノ森駅のホームを絢爛に彩るツツジの花。そこに吸い込まれるように止まる各駅停車。見たことのないその景色が、気づいたら私の心の中で富岡町の原風景になっていました。

いつか見れたらいいな。そしたらその時は、少しおじいさんになった私と本格的におじいさんになった区長さんとで、またここでツツジを眺められたらいいな。そう思いました。

でも、そんな希望を真っ黒く塗りつぶすような静寂に、町は包まれていました。いつまでもラフスケッチのままで、色を入れられる日なんて来ないんじゃないだろうか。内心そんなふうにあきらめていました。

その後ツツジは、除染のために刈り取られてしまいました。

しかし、根元は残して。

いつかまたツツジを咲かせたい。あの頃の風景を取り戻したい。この花には、町の方々の夢と希望が詰まっているのだ。そう感じました。

それから3年。町に新たな灯がともりました。

そして今、富岡には素敵な人達がどんどん集まっています。新たな街づくりに挑戦する方々。ふるさとを愛して戻ってこられた方々。そして、独自の感性とアンテナで富岡に出会った方々。皆が手を取り合い、未来を描き出そうと懸命に努力しています。前進を続けています。

そんな人々の姿を、ツツジが枝をつけ、葉をまとい、太陽に向かって手を伸ばしていく姿と重ね合わせました。町の人の小さなあゆみ、ツツジの花の小さなつぼみ。すべてが未来への「萌(きざし)」です。

いつか来る美しい春の日を思い描きながら、お楽しみください。そして、富岡という美しい町で、彩りあふれる未来を紡ぎ出そうと、日々笑顔でがんばっているかっこいい人達がいるんだ、と、ちょこっとだけ想いを馳せていただけたら、うれしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？