nakaken0629

こんにちは、中垣健志です。 亡き妻を想う短歌などを綴っています。

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  • 投稿作品

  • 亡き妻を想う歌

    泣きたくても泣けない時、涙の代わりに言葉を流します。

  • Cut out my life

    ふと心に浮かんだ情景や感情を切り取って歌に乗せます。

  • 虚恋歌

    この歌集はフィクションです。

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奇跡

亡き妻が起こしてくれたか勇気出し訪ねし聖地で奇跡の出会い ※ Facebook投稿の転載 https://twitter.com/kozakaipunks/status/1467082549990412291?s=21 ——— 「名古屋駅に短歌の聖地がある」 初めて聖地のことを聞いたのは、今年の夏頃のこと。前の前の会社で一緒に働いていた同僚が久しぶりに名古屋に帰ってきたので、示し合わせて名駅近辺で夕食を食べることに。お互いの近況などを話している中で、短歌を時々詠んで

    • 南極

      荒れ狂う60度線を越えゆけば水平線に浮かぶ白氷 行くも退くも分厚い氷に阻まれた砕氷船を見るペンギン達 宇宙より吹く風受けてオーロラは漆黒の夜に音無くたなびく ブリザード吹き荒ぶ今出来るのはこれまでの日々を振り返るのみ 明けない夜はないと言えどもこの地ではそれは永遠(とわ)にも近い半年 氷上ではノロノロ歩むアザラシも海の中では生き生きと泳ぐ 比類なき冒険者達の屍に囲まれながら南極点はあり 世界中を水没させる能力を氷山達は蓄えており 極寒という武器持ちて南極は世界で無二の平和を保

      • 飛行機/新学期

        乗れそうで乗れない雲を下に見て会えそうで会えない君を想う 天国はやはりそこにはなかったかと小窓から上見て確かめる どこまでも続く雲海その先に見えるは生者と死者分かつ縁 時速およそ900キロでゆっくりと後ろに流れゆく蒼き海 上も下も右も左も前さえも見えない空を迷わずに飛ぶ 空に住む君が日々見る果ての無き真白き原を窓越しに見る なかなかに渡ってこない春風を誘いにゆくよ南の島へ 私は地球と逆の向きに飛ぶ空は常よりゆっくりと暮れる 知らぬ間に桜は散りぬ子供らの背負(しょ)うランドセル

        • 題詠

          「水」 方円を外され清き水たちが形を保てなくなっていく 「走る」 ヒロインの足が心が走り出すついに見つけた光目指して

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        • 亡き妻を想う歌
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        • Cut out my life
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          8本

        記事

          暖かいコーヒー一気に飲み干して気温0度の通勤路をゆく 目が覚めて「雪だ!」とはしゃぐ子があれば「雪か…」と嘆く父親もあり YouTubeを見てケラケラと笑ってる子供はそれでいいと思う 二月とは思えぬ陽気に誘われて散歩に出かける足の向くまま 木漏れ日の差す緩やかな下り道を我は歩く 独りで歩く 二人がけのベンチに腰掛け鳥や木々の声にただただ耳傾ける 軽やかな音立て西から東へと飛ぶセスナ機の見えなくなるまで 風雪にさらされ続ける看板は大事なことから消えて無くなる 煌々と夜道を照らす

          サナトリウムと少女/冬

          訪ね来る人も少なくなりにけりサナトリウムは異国の響き 仲良しの看護師さんが点滴を打ちつつ彼氏の話を始める 「治ったらいいね」じゃなくて「治そうね」と連帯感で溢れる病室 今日は少し元気があるから大検の問題集を一ページ解く 目覚めたら不安と安堵が入り混じる両親の顔が飛び込んでくる 明日もまた目覚めさせてくださいとお祈りをして眠るに入る 生きてるとも死んでいるとも言い切れない穏やかだけど退屈な日々 寒空にこそ星々は強く光る私も今を輝いて生きる 青く澄んだ冬空を見て気がつけば指先合わ

          サナトリウムと少女/冬

          夏の思い出

          ニョキニョキと海辺に生えるタワマンは向日葵のごと太陽を向く 四十度を超えし酷暑の道辺にはセミより他に生くるものなし アフリカのサバナにそびゆるキリマンジャロその峰思わす入道雲かな 固唾のみ祈る 音なきプリウスに未だ気づかぬスズメの無事を 不意に目覚めた夏夜(かや)は静かで信号の青のまたたく音が聞こえる 私に水をお与えくださいと酷暑に首(こうべ)を垂れる紫陽花 八月の明け方に吹く風はふと子ども時代を思い出させる 朝日さすも子らは布団でスヤスヤと夏休みははや後半に入る 常ならば固

          ベランダにて

          一日のうち六時間は眠ってて二時間はただ空を見ていた コンビニの弁当でもいい自分のために誰かが作ったご飯が食べたい 自分でも演技と本気の境目がわからないまま子を叱責す 歌うたう時間も惜しし打ち込める仕事に出会えた最後の不惑 締め切った窓の外では知らぬ間に夏から秋へ空気が変わる 縁側が開け放たれた駅前のカフェで今だけ若返っている 人生という階段の踊り場のように静かな秋晴れの昼 通り過ぎるエンジン音が消えさったのち虫たちが鳴く秋の夜 流れ星のように夜道を自転車が流れてはまた家に消え

          ベランダにて

          ある日曜日

          一日のうち六時間は眠ってて二時間はただ空を見ていた

          ある日曜日

          一人夜

          コンビニの弁当でもいい自分のために誰かが作ったご飯が食べたい

          しつけ?

          自分でも演技と本気の境目がわからないまま子を叱責す

          梅雨

          メールには添付できないぬくもりと共に手紙は海を越えゆく 深夜2時の路上でタバコを喫う人も見ている自分もどこか哀しい 気の早いセミが一匹鳴き始め慌てたように夏が来たりぬ 今だけは何も気にせず心地よく吹く夏風に身を委ねよう 空高く伸びる細身に連なったつぼみ弾けてタチアオイの花 雨だれを避けるが如く低空で右に左に飛ぶ燕たち 丑三つの闇世に響くカラスの声そうかお前も眠れないのか マンションの軒にはためく洗い物は古(いにしえ)の山の衣に似たり 雨降らす雲に阻まれ見えねども星は変わらずあ

          看病

          めずらしく助け合う子ら見られればたまの病も良きことのあれ

          覆水

          何度でも元に戻せるルービックキューブに思うことは無けれど

          徒然歌

          「どれ今年も、坊らを祝ってやらう」かと蕾震わす老桜かな 雪が止み常より青の濃い空へボールを蹴っては追う子どもたち 俗っぽい光で霞む夜空にも道示す星は微かに瞬く 久方の光で満ちる公園で何もしないをただただ過ごす 初めてのハローワークへ歩を進める春風ふわりと背中を押して 塞翁が馬というけど君の死と釣り合う幸などあるはずもなく 手に持つは足元照らす灯りのみ行くも戻るも道は見えざる 一粒の種より育つ大木のただ一枝しか親は選べず 今日よりも暖かくなる明日があるただそれだけで春は尊し 散

          間一髪

          固唾のみ祈る 音なきプリウスに未だ気づかぬスズメの無事を