Market Smith(マーケットスミス)の使い方について【米国株分析ツール】

 最近じっちゃまこと広瀬隆雄さんのYoutube Liveで使われている米国株分析ツール「Market Smith(マーケットスミス)」が画面シェアされて、見かけることが増えたのではないでしょうか?一部の方からは、使い心地について、連絡をいただきました。私もこのツールを使用しているので、この機会に「Market Smith(マーケットスミス)」についてお伝えしたいと思います!

1.Market Smith(マーケットスミス)とは?

 Market Smith(マーケットスミス)とは、Investor's Business Daily*(以下「IBD」)による米国株銘柄の分析ツールです。このツールでは、各銘柄のファンダメンタル、テクニカル等の情報を効率的に取得することができます。使用方法はIBDのHPにアカウント登録し、月額149.95$の定期購入となります(年間1449$も可能)。

Investor's Business Daily(IBD):ウィリアム・オニール創設の成長株を中心とした情報サイト(元地場新聞)。ウィリアム・オニールの代表著書「オニールの成長株発掘法(How to make the money in Stocks)」は米国株投資家の界隈では有名ではないでしょうか。

2.Market Smith(マーケットスミス)の機能

 Market Smith(マーケットスミス)は多くの銘柄分析機能がついており、いくつ説明していきます。例として、NIOのDaily及びWeeklyチャートで紹介します。

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参照:MARKET SMITH BY INVESTOR'S BUSINESS DAILY

1)ファンダメンタル分析

 CAN-SLIMに準じた指標を中心に確認することができます(他にも多くの情報はあります。CAN-SLIMとは、以下の略称です。また、上のMarket Smith(マーケットスミス)画像の該当箇所と併せて参考にしてください。

C=Current earnings(当期EPSと売上がよいか?):②の枠です(①と②逆にしてしまった笑)。

 A=Annual earnings(年間のEPSがよいか?):①の枠です。

 N=New product or service(新製品・新サービスを出しているか?):③の枠です。各社のHPのリンクがあります。

 S=Supply and demand(需要と供給は良いか?):④の枠です。出来高を確認できます。

 L=Leader or laggard?(主導銘柄か?停滞銘柄か?):⑤の枠です。また、RS(レラティブストレングス。詳細は後述)にて確認することも重要です。

 I=Institutional sponsorship(機関投資家が保有しているか?):⑥の枠です。

 M=Market(株式市場の地合はよいか?):代表的な指数であるS&P500、NASDAQ、DOW等を確認します。

2)テクニカル分析

 代表的なチャート形状(カップウィズハンドル等。今回の例はカップ。)、出来高、移動平均等を表示してます。これは画像の⑦の枠に該当します。

 特徴的なのは、RS*(レラティブストレングス)という指標を使っていることであり、最重要の指標の一つです。こちらも⑦の枠となります。

RS*(レラティブストレングス):以下のとおり、定義されています。ざっくり言うとその銘柄が指数(S&P500等)と比べてどのくらいの推移(パフォーマンス)をしているかを示す指標です(99が最高)。

レラティブストレングス指数とは、「インベスターズ・ビジネス・デイリー」紙が独自に開発した評価法で、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの値動きと過去五二週間にわたり比較するものだ。そしてその評価として各銘柄に一〜九九の数値が割り当てられる(九九が最高)。例えば、レラティブストレングス指数が九九の場合は、その銘柄の値動きは市場全体の九九%の企業を上回ったことを意味している。レラティブストレングス指数が五〇の場合は、市場の銘柄の半分がその銘柄よりも良い値動きをし、残りの半分が悪い値動きだったことを意味する。
出典元:ウィリアム・J・オニール著「オニールの成長株発掘法【第4版】」

3)銘柄検索機能

 非常に多くの検索機能がありますが、代表的なものを紹介します。⑧の枠が該当箇所です。

・MarketSmith Growth 250:IBDの独自のスクリーニングにより250銘柄を抽出します(250との名称ですが、300銘柄出てきます笑)。話題になってる銘柄はおおよそ入ってると思います。

・Near pivot:pivot point*に近いづいてる銘柄(MarketSmith Growth 250から)を抽出してます。

・Breaking out Today:取引当日にpivot point*を越えてブレイクアウトした銘柄(MarketSmith Growth 250から)を抽出してます。

・Recent Breaking out:pivot point*を越えて最近ブレイクアウトした銘柄(MarketSmith Growth 250から)を抽出します。定義としては、「15日間Weeklyチャートのpivot point*を直近15日間上回り」かつ「pivot point*から7%以上下落していない銘柄」となってます(若干違和感がありますが…ご容赦ください)。

 これらの他、自分でスクリーニング条件を設定することができるだけではなく、Market Smith(マーケットスミス)上で共有することができ、他の人が残したスクリーニング条件を参照することもできます。⑨の枠が該当箇所です。

*pivot point:成長株投資における適切な買いポイントのこと。最高値更新時やカップウィズハンドル等。広瀬隆雄さんのLiveを見られてる方だと、成長株が「新しい局面に入る。」とおっしゃっている時だとイメージしやすいかもしれません(もちろん全てではないですが)。

3.メリット

 使ってみて感じたメリットは、銘柄分析の時間が大幅に削減できたことです!特に僕の投資指針は、オニールの成長株投資法を参考にしているので、欲しい銘柄を早めに見つけることができるようになりました。仕事以外の隙間時間で、銘柄を探す時間が十分ではない方も多いと思うので、とても助かりますと思います(あと単純にいじってて楽しいです笑)。

4.デメリット

 ずばり、値段が高いです!1ヶ月149.95$となります。

 僕のような小額投資家からすれば大きい負担です。この金額をそのまま投資資金にしたほうが良いかもしれません。ただ、僕個人としては、このツールのメリットがデメリットを上回っているので、気に入ってます。なお、トライアル*で3週間19.5$で利用可能ですので、興味ある方はまずトライアル*から使っていてはいかがでしょうか?

※3週間経過すると自動的に149.95$/月課金されるので、くれぐれもトライアル期間はチェックするようにしてください(サイトで期日を確認できます)。

5.まとめ

・Market Smith(マーケットスミス)はIBD投資手法を主とした銘柄分析ツールである。

・ファンダメンタル、テクニカル等の情報が充実しており、検索機能も十分にある。

・個人的なメリットは銘柄を探す時間が大幅に減少したこと。デメリットは値段が高い(149.95$/月)こと。


 Market Smith(マーケットスミス)に興味のある方は、ウィリアム・オニール著「オニールの成長株発掘法」を一読することをおすすめします。ただし、この本は分量がかなり多いです(全623ページ)。

 まずは概要を知りたい!という方は、広瀬隆雄著「MARKETHACK流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」にてウィリアム・オニールのCAN-SLIMについて簡潔にまとまっている章があります。なお、余談ですが当該書籍は成長株のみならず多くの投資手法について記載されており(デイトレード、新興国投資等についても記載があり)、おすすめです。

 今後はMarket Smith(マーケットスミス)の他の機能や、使用方法、IBD独自の指標等を記事として少しずつ投稿してこうと思います!
では、ありがとうございました!

なかじー

Twitterやってます!(@nakajistock)

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