見出し画像

ジュニアスポーツにおける急性外傷(適度な練習はトレーニング適応を引き起こし、骨、筋、腱、靭帯などの組織を強くさせるが、怪我の30~60%は、オーバーユースに起因する)

怪我の30~60%は、オーバーユースに起因

ジュニアスポーツにおける急性外傷は、捻挫、肉離れ、骨折、脱臼、打撲になりますが、その中でも捻挫は全外傷の27~48%を占め、足関節と膝関節に多発していることが報告されています。

そして、これら子供の怪我の30~60%は、オーバーユースに起因しています。

オーバーユース障害は、骨端部に繰り返しの牽引ストレスがかかることが原因になります。

骨端部の成長軟骨は、成長軟骨板をはじめ腱の付着部に存在し、繰り返されるメカニカルなストレスの影響を受けやすくなります。

スポーツ傷害とバランス能力

多くのスポーツ関連傷害は、アスリートがジャンプのような動的活動中にバランスを失ったときに起こります。

発表されている複数の調査から、バランストレーニングによる介入を通して、傷害と傷害リスク因子が減少したこと、また競技パフォーマンスが向上したことが明らかになっています。

したがって、成長期に固有感覚の強固な基礎を築くことは、競技選手としての長期的な成功と健康の促進にきわめて重要になります。

部位ごとの障害の特徴

上肢のオーバーユース障害としては、野球、バレーボール、テニス、水泳など上肢を高頻度で使うジュニア選手に多くみられ、リトルリーグ肘(野球肘)、リトルリーグ肩(野球肩)、テニス肘、腱板炎などとして知られており、過度の練習や不適切なフォームなどが主たる原因になります。

下肢のオーバーユース障害では、ジャンプやカッティング動作お行うサッカー、バスケットボール、バレーボール、器械体操などで多くみられ、膝ではオスグッド病、下腿や足部では疲労骨折、足部の踵ではシーバー病が特徴的です。

また腰部の疲労骨折である脊椎分離症は、器械体操や捻り動作を繰り返すバレーボール、テニス、野球のピッチャーによくみられます。

このようなオーバーユース障害は、十分な休養を設けずに、投げる、走る、跳ぶ、泳ぐなどの動作を繰り返すことが原因になります。

ここから先は

2,363字

¥ 300

ご覧になって頂き本当にありがとうございます。