サッカーにおける心拍計の活用(シーズンの時期やその日のコンディションによって最大心拍数は異なるので、運動直後の回復力(乳酸クリアランス)に注目する)
心拍計の活用
サッカーは試合の中で運動強度が激しく上下するため、高強度の運動を少ない回復時間で何度も繰り返す間欠的な持久力が要求されます。
乳酸クリアランスなどを向上させる体力作りがサッカーの競技場面で必要な能力の向上へと繋がります。
コンディションにより最大心拍数が異なる
例えば、3ヶ月間、定期的にテストを行ない、心拍数の記録を取ります。
シーズンの時期やその日のコンディションによって最大心拍数は異なるので、運動直後の回復力に注目します。
テスト終了から1分間に再び心拍数を計り、運動時心拍数からどれだけ下がっているかを確認し、その差を比較します。
また、インシーズンのフィジカルコンディショニングの計画と照らし合わせることで、競技の結果や戦術の理解度の良し悪しとは別にひとつの目安となり、個人のデータから結果が出ていない選手の理由は何かを考えることでメニューの改善を見直す良い機会にもなります。
また、選手個人におけるトレーニング負荷のデータを得ることも可能にするので、オーバーワークや怪我の予防にも大いに役立ちます。
データの活用がトレーニングに活きる
現在ではヨーロッパを中心に多くのプロクラブがこの心拍計や試合中の走行距離、スプリント数を計ることができるテクノロジーを活用しています。
今後、こういったテクノロジーの利用が普及し一般化することで、より安全で質の高いトレーニングが多くの選手に提供されることが期待されます。
有酸素性能力を測定するフィールドテスト
ランニングと競技パフォーマンスに対する関心が増大した1980年代、有酸素性能力を測定するフィールドテストは、連続的多段階トラックテストと、最大努力による多段階シャトルランテストの導入によって変革を遂げました。
これらのテストはいずれも強度が次第に増加して、テストが終わる頃には、被験者の最大努力による運動を必要とし、通常は、録音された音に合わせて運動を行ないます(ビープテスト)。
しかし、それぞれのテストは独自のものであり、異なる方法でアスリートの身体を評価しています。
Universite de Montreal Track Test(UMTT)は連続的多段階テストの一例になります。
参加者は、25m間隔でコーンが設置されたトラックまたはフィールドを連続的に走り続け、初期ペースは10km/hに設定され、2分ごとに1km/hずつ増加します。
被験者は、次のビープ音が鳴るまでに次のコーンの2m以内に到達しなければならず、これを3回連続で失敗すると、被験者の最高速度に達したと判断されて、その被験者に対するテストは終了します。
25mの半分まで到達している場合は、記録速度は0.5km/h加算され、この速度が、最大有酸素性速度(MAV)を示していると考えられます。
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