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最低賃金の上昇で恩恵を受けるのは低所得家計ではなく中高所得家計(ということで貧困対策としては弱い)

国際政策セミナー
「雇用と賃金を考える―労働市場とEBPM(証拠に基づく政策形成)―」

本日はメールを頂いたので、国会図書館でのシンポジウムというのも手伝って(あんまり行かないのでたまにw)こちらに参加してました。

概要は2年前の京都のワークショップの時に一橋の神林さんに聞いた話とほぼ同じ方向で、論文のサーベイとデータをもらえたのが最大の収穫。

以前解説しましたが、1)生活保護が就労を圧迫しているというのはあまり当てはまらない(実際生活保護の方が最低賃金の就業より収入が高くなるということは2000年代にあったんですが、それで就労できる人はやっぱりなかなかもらえなかった。2)最低賃金が対象なのは学生バイトなど、むしろ中高所得者の主要所得者以外で、低所得者は少ない。

今回教えてもらったのはその中でも2)のデータ。貧困者はアメリカでも12%(むしろ所得が高い人のほうが76%になっているという)。日本でも200万以下は8%以下。これで貧困対策で最低賃金上げようって、虚構新聞ですかね。もうちょっとEBPMでちゃんとデータから考えようって話ですね。

むしろ今日聞いても衝撃なのは、シングルマザー家庭の貧困。重労働しているのに所得が低いって、世界的にあり得ないそうです。養育費の取り立てを国が行うとか、養育権をもっと共同にするとか、家庭内暴力を排除するために役所が責任持って隔離するとか(ストーカーに住所教えて殺人幇助するとかは論外ですが)、もっと根本的な対策をする必要がありそうです。

https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/ips2019.html
開催日時: 2019年11月15日(金) 14:00 ~ 17:00
会場:国立国会図書館 東京本館 新館講堂

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