【小説】「アズーロの消失」あらすじ(ジャンププラス原作大賞応募作品①)
ー「海が見えなくなった」と弟は言った。
パルレーネ半島の港町メルヴァ。漁師の息子である十歳のロミは勉学に長け、王立図書館で司書の見習いをしている。ある日弟のミーノから眼の不調を聞かされたロミは、司書ガリエッティの勧めもあり、弟を診療所へ連れていく。
その夜、王宮からの遣いの女が一羽のオウムと共にロミ家を訪れた。女は「ミーノは後天性の青色色盲で、この病を発症した者は大事な役目のため王宮に仕えることになっている」と告げるのだった。
アズーロ(青)神とローザ(バラ)神の二神教を信仰し、海水を真水に変える技術により国家の独立を保っているメルヴァの秘密に、ロミと親友カリーナが迫ってゆく。
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