私は怒られたことがない

いまだに印象に残っている言葉。

時は平成初期。男女雇用均等法が施行されて数年。一般職、総合職、というような雇用形態が定着しつつある時代。

一部上場の証券会社に営業職として就職した私。地方の支店に配属されていました。
そこで、営業事務として働いていた女性。高校卒業して働いて、確か、3年目くらい。
いつもニコニコと笑顔の絶えない女性でした。
その人の仕事内容は、営業事務なので、営業の補佐、です。資料作りやコピー、製本、など、手際よくこなしていました。

会社の飲み会で、その女性と隣同士になって、話こんだときがありました。
そのとき、表題はその時、彼女が言った言葉です。
女性の仕事ぶりは、しっかりしていたし、ミスもめったになかったので、私は怒られるようなこともしてないんだから当然だろう、と思って聞いていたのですが、そうではなかったのです。

営業のみんなは仕事で怒られたりしてる。私はミスをしても怒られることがない。それどころか、疲れてる?とか気遣われるくらい。もっとミスしたら真剣に叱られるくらいになりたい。
ということでした。

それを聞いて私は、確かになぁ、と思いました。
彼女は課長等管理職の支持を受けて資料作りなどを行うことが多いのですが、まだまだ時代は、女の子は機嫌を取って気分良く仕事をしてもらえればそれでよし、という風潮が強かった時代。営業事務、という職種からしてもどちらかというと雑用業務が多いので、ミスがあっても、チェックも受けるから重大な影響を与えることもない。
彼女は仕事で本気で相手にされていない、ということを嘆いているのだな、と思った。

詰められる、といってましたが、上司から追いつめられるように怒られるのも辛いんだよ、と言いたいところでしたが、まともに相手をされていない、と思うのも辛いことだな、と知った言葉でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?