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日常

今年の川崎フロンターレU-18の特徴について、長橋康弘監督は

「試合に絡めていない選手たちも一生懸命トレーニングしてくれていて。本当に差がなくなってきています。
選手たちは、『トレーニングでいいパフォーマンスを出せれば、試合に出られる』というようなモチベーションの中でやってくれています」

と語る。


選手たちが、トレーニングにしっかり取り組んでいたことが、如実に結果に結びついたのが、プレミアリーグEAST第20節のFC東京U-18戦、第21節の柏レイソルU-18戦だったのではないか、と思う。


FC東京戦は、U-17日本代表でDF5土屋櫂大、DF17柴田翔太郎、U-18日本代表でGK1濱﨑知康が不在。さらに左SBのDF4元木湊大と4人の選手を欠いて臨む一戦となった。

しかし、濱﨑に勝るとも劣らない力を持つ、GK16菊池悠斗は、安定感のあるセービングを披露。

後半戦からCBに挑んでいるDF6由井航太は、フィードや縦パスといった持ち味を発揮。守備でも素晴らしいカバーリングで、DF24金子俊輔が迎えた決定機を阻む大きなプレーがあった。
久しぶりの先発となったDF30林駿佑も、チャレンジ&カバーでFC東京の攻撃の芽を何度もつぶしてみせた。

そして、プレミアリーグEAST初先発となったEDF32関德晴。

FC東京U-18、右SBの金子俊輔が何度も高い位置に顔を出す中、1対1の強さを発揮。さらに終盤には、パワフルな攻め上がりでエリア近くに進入。持ち味としている推進力を大いに発揮してみせた。

試合後、普段の練習では、なかなか先輩たちを「抜くことができない」と語っていた関。しかし、終盤のあの攻め上がりは、そうした先輩たちに、トレーニングでもまれてきた成果が表れていたのではないか、と思う。


続く第21節の柏レイソルU-18戦は、FC東京戦では先制点を挙げるなど、攻撃の起点となったMF11岡野一恭平・DF32関德晴の左サイドへの警戒が強い中で、FC東京戦に続いて、右MFに入ったMF7志村海里が右サイドを何度も仕掛ける。
DF2江原叡志に加え、MF25矢越幹都もかかわって、高い位置で好連係も披露。フロンターレらしいパス回しに、志村が持つドリブルというアクセントも加え、チャンスメークにつなげてみせた。

後半戦、岡野一の復帰により、左MFでの出場機会を減らしていた志村だったが
「レギュラーを1回外れたなかでも、本当にしっかり、下を向かずにやってくれているんですよね」
と長橋康弘監督が評する日頃からの姿勢が、ピッチの上で見せたプレーにも結びついていたのではないか、と思う。


試合に出られなくても、時にポジションを失うことになっても、トレーニングに取り組んできた選手たち。
Anker フロンタウン生田で送る日常が、それぞれの成長につながり、今年の川崎フロンターレU-18を、形作ってきた。

プレミアリーグEASTの後半戦、いずれも5ゴールを挙げたFW13髙橋宗杜やMF14岡田泰輝という2人の3年生の台頭も、今年の“成長する”フロンターレU-18を象徴するものであったし、FW9岡崎寅太郎ら、前半戦のチームを支えた選手たちに刺激を与え、彼らがさらに成長していくきっかけにもなったのではないか、と思う。


12月3日、いよいよプレミアリーグEASTは最終節を迎える。

EASTの優勝争いは三つ巴。
①青森山田 勝ち点48 得点52 失点25 得失点差+27 
②川崎フロンターレU-18 勝ち点46 得点56 失点15 得失点差+41 
③尚志高校 勝ち点46 得点44 失点19 得失点差+25

青森山田はアウェーでFC東京U-18と対戦。フロンターレと尚志高校は、フロンターレのホーム、等々力陸上競技場で直接対決。

青森山田は勝利すれば優勝。
青森山田が引き分けか敗戦ならば、フロンターレ - 尚志の勝者が優勝。
フロンターレ - 尚志が引き分けの場合は、青森山田が優勝となる。
フロンターレとしては目指すのは勝利のみ。 


1年間成長し、お互いに刺激を与え、前へ進んできたフロンターレU-18。Anker フロンタウン生田での日常で培ってきたものを、ピッチの上で表せば、目指すものは手にできるはずだ。

キックオフは、12月3日午後1時。今年最後の等々力陸上競技場。

(文中敬称略)


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