見出し画像

フロンターレU18 – 湘南ベルマーレユース / 日本クラブユース選手権関東大会2013(4)

サッカーから遠ざかる今、昔の観戦ノートを文字で起こして、フロンターレのアカデミーの試合を振り返ってみようという記事。


17回目は引き続いて、2013年の日本クラブユース選手権関東大会について。2次リーグを3位で終えた川崎フロンターレU-18。関東からは4つある予選グループの上位2チーム、計8チームが日本クラブユース選手権の出場権を自動で得ることになっており、フロンターレは、ほかの3位となったチームとともに9つめの出場権を懸けたトーナメントに進むことになった。


フロンターレの対戦相手は湘南ベルマーレユース。もう一つの対戦カードは鹿島アントラーズユースと横浜FCユースだった。


【川崎フロンターレU-18 日本クラブユース選手権関東大会9位決定戦1回戦 vs 湘南ベルマーレユース】

2013年6月22日午前10時半キックオフ 那須スポーツパーク中央グラウンド くもり時々雨


会場となったのは栃木県大田原市の那須スポーツパーク。駅から直行のバスはなく、バスで市役所の支庁舎にいきレンタサイクルを借りて、「本当に着くのかな」と時折不安になりながらも向かった記憶がある。


フロンターレの先発は、GK16玉永大地、最終ラインは右から2加藤徹、3坂口正高、5河村知侑、6吉田武史、ボランチは13土橋優樹、25板倉滉、右MF11岡本一輝、左MFキャプテンの10脇坂泰斗、前線には23牧寛史、32岸晃司。


22岡田優希はベンチスタート。スタメンが続いていた14梶田航平は脳しんとうのため、メンバー外。怪我のため、欠場が続いていた18三好康児が戻ってきており、控えに入った。


ベルマーレの先発は、GK1南翔太、最終ラインは右から19高橋広大、2粕川達哉、3中川大介、4藤井龍、中盤は18新井泰貴、7加藤力也、15鶴見由春、前線は右に8清本宙矢、左に14鈴木達朗、一番前には22宮下航輔。


フロンターレとベルマーレは2011年のプリンスリーグ関東1部参入戦で対戦しており、その際にはフロンターレが岡本一輝のゴールで1-0で勝利していた。


そんな過去もあってから、フロンターレはもちろん、ベルマーレもサポーターたちが熱のこもった応援を繰り広げていくなかでのキックオフ。


立ち上がり、フロンターレは板倉が前を向きミドルシュートを打つが枠外。5分には岡本一輝のスルーパスに、この日先発起用となった岸がエリア内へ抜け出すが、シュートは打てず。さらにフロンターレは7分には、フリーキックを得ると、脇坂が直接狙うが、枠はとらえられず。それでも次々にゴールへ迫り、いいかたちで試合に入っていく。


そんななか、試合が動いたのは9分、ベルマーレの選手がGK南へバックパス。ところが連携がうまくいかず、ボールはそのままゴールのなかへ。1-0。フロンターレはオウンゴールで先制する。


勢いにのるフロンターレは直後には牧のクロスに岡本一輝がエリア内へ抜け出すが、シュートはわずかに右へ。


ベルマーレも右サイドから高橋がクロスを上げるが、エリア内でさわることはできず。玉永がしっかりボールをセーブ。20分には、ベルマーレ、カウンターに持ち込み、清本がシュートを打つが、フロンターレはブロック。コーナーキックを立て続けにベルマーレは得るが、フロンターレはしのいでいく。


さらにベルマーレの時間帯は続き、23 分には加藤のスルーパスに、宮下が抜け出し1対1となるが、ボールをおさめきれず。


すると流れは再びフロンターレへ。牧のミドルシュートなどで迫り、岡本一輝が球際に厳しくいき、守備でも大いに貢献するなどして、存在感を見せていく。34分には、加藤が岡本一輝にいったん預けて、エリア右へ進入。シュートは南がセーブするが、好連係を見せていく。


さらに牧から受けた脇坂がわずかに右へそれるシュートを打ったり、エリア内へ牧が抜け出してシュートを打つなど、追加点はものにできずとも、チャンスをつくっていく。


40分には、ベルマーレ、右クロスを入れると、最後は鶴見がシュートを打つが、上に。42 分には、フロンターレ。加藤が高い位置へ。クロスに脇坂、岡本一輝が飛び込むが、南がセーブ。


ベルマーレは早くも43分、交代、新井に代わり26寺久保辰哉。ロスタイムは1分。前半は1-0。まもなくタイムアップとなり、フロンターレがリードしてハーフタイムとなった。



後半立ち上がりにはベルマーレ、左クロスを入れると、少しフロンターレが処理に手間取るが最後にはクリア。危ない場面をしのいでいく。


4分には、ベルマーレ、加藤に代わり23久保拓道。


フロンターレは、土橋や板倉を中心にセカンドボールをよくものに。岡本一輝が右サイド高い位置で、エリア前に決定的なボールを送るなど、迫っていく。


10分には、牧がエリア外左からミドルシュート。これはワンタッチあり、左コーナーキックに。こぼれ球を拾ったフロンターレはエリア外右でベルマーレにハンドがあり、いい位置でフリーキックを得るが、シュートには至らず。


それでも12分、フロンターレはエリア外右で岡本一輝がシュート。こぼれ球に詰めた岸がエリア左でシュート。さらにこぼれたボールを、今度こそ岸が決めて、2-0。たたみかけるように攻め続けて、追加点をものにする。


14分にはさらにフリーキックを得たフロンターレ、脇坂が入れたボール、河村知侑がバックヘッドで合わせるが、ボールはバーへ。16分にはパス交換から加藤が右サイド高い位置へ。シュートを打つが、上に。


ベルマーレはここで鈴木に代わり17大藏駿平。


そして19分、フロンターレは吉田が左サイドの高い位置へ。折り返したボール、脇坂につながり、脇坂はエリア左へ。シュートを打つとゴール右へ決めて、3-0。フロンターレは突き放していく。


24分にもエリア内でうまく前を受けた脇坂がシュートを打つなど、決定的な場面をつくっていくフロンターレ。26分には岸に代わり22岡田優希。直後には吉田が左サイドの高い位置へ。クロスを入れると、岡田が合わせるが右へ。


すると34分には、ベルマーレ、エリア内へ進入した高橋に対して、フロンターレにファールがあり、PKを得る。キッカーは高橋。これを左へ決めて、3-1に。


しかし、直後にはフロンターレ、岡本一輝のパスに、加藤が高い位置へ。クロスを入れると、牧のシュートが決まり、4-1。再び3点差に。


あきらめないベルマーレも38分には右サイドからの攻め、エリア内へ進入するが、玉永がセーブ。


42分には、牧に代わり、18三好康児がピッチへ。怪我から実戦復帰を果たすことになる。


ロスタイムは2分。試合はまもなくタイムアップとなり、4-1。フロンターレは勝利することになった。


しかし、翌23日、鹿島アントラーズユースと対戦したフロンターレは0-1で敗戦。日本クラブユース選手権には、届かなかった。


それでも、この関東大会で、ボランチに、高さがあり縦パスの出せる板倉、豊富な運動量の土橋、CBによくカバーし合った坂口と河村知侑と、真ん中の選手たちがしっかり確立されたフロンターレは、その後の2013年のプリンスリーグ関東2部で勝利を重ねて1位になり、Jユースカップでは、初めてベスト4へ進出。サンフレッチェ広島ユースとの準決勝まで、公式戦では敗れることなく、進んでいくことになる。


当時は、「0-6で敗れた栃木SCユース戦がなければ、クラ選に出られたかもしれないのになあ…」と思ったけれど、あとあと「あの敗戦があったからこそ、今があるのかもしれない」と思うことにもなる。




前半1-0 後半3-1 計4-1

得点:オウンゴール、岸晃司、脇坂泰斗、牧寛史(フロンターレ) 高橋広大=PK(ベルマーレ)


フロンターレの先発:16玉永大地、2加藤徹、3坂口正高、5河村知侑、6吉田武史、13土橋優樹、25板倉滉、11岡本一輝、10脇坂泰斗(c)、23牧寛史、32岸晃司

交代:岸→22岡田優希 岡本一輝→18三好康児

控え:1岡本享也 4太田賢吾 7河村英侑 15伊藤健太 20諏訪部徹



ベルマーレの先発:1南翔太、19高橋広大、2粕川達哉、3中川大介、4藤井龍、18新井泰貴、7加藤力也、15鶴見由春、8清本宙矢、14鈴木達朗、22宮下航輔

交代:新井→26寺久保辰哉 加藤→23久保拓道 鈴木→17大藏駿平



(文中敬称略)








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?