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チャンス

9月17日プレミアリーグEASTは第14節を迎え、川崎フロンターレU-18は前橋育英とのアウェーゲームに臨む。

◇右MF
今節は、ここまで全13試合に先発してきた右MF、22加治佐海が「国際ユースサッカー in 新潟」に臨むU-17日本代表に追加招集され、不在となる。

ドリブルやミドルシュート、クロスなどで存在感を放ち、相手に寄せられても簡単にはボールを失わない加治佐は、今のフロンターレU-18では唯一無二の武器を持つ存在。4ゴールという目に見える結果以外にも、攻守にわたってチームに貢献してきた。

その不在は痛いところではあるが、ここまで出場機会の少ない選手にとっては大きなチャンスになる。

たとえば、MF8名賀海月。
中断明けの大宮アルディージャU-18戦でこのポジションに入り、途中出場で決定的なミドルシュートを放つなど、確かな存在感を放った。
後期に入って好プレーを見せているFW13髙橋宗杜やMF14岡田泰輝とは、U-15時代からのチームメートであり、長橋康弘監督が、事あるごとに「面白いんですよ」と口にする紅白戦で、一緒にプレーをしてきた、という強みがある。

9-0で大勝した旭川実業戦では、ボランチとして後半頭から出場すると、FW9岡崎寅太郎に得点をもたらす好パスを出すなど、存在感を放った。
ピッチに立てば、今回も気心の知れたチームメートたちの力を引き出すようなプレーを見せてくれるのではないだろうか。


そのほかの選手では、流通経済大柏戦で途中からこのポジションに入った<MF24児玉昌太郎にも、守備でハードワークができ、ドリブルで前へ持っていける力がある。

FW、攻撃的なMF、ボランチと様々なポジションでプレー機会を得ているMF18八田秀斗も、右MFの経験者。ボールに関わることによって、リズムを生み出せる力がある。

春先の練習試合でこのポジションでプレーしているMF7志村海里にも、出場の機会がめぐってくるかもしれない。

それぞれに、武器と魅力を持つ選手たちが、きっと出ることになるのではないだろうか、と思う。

◇好循環

岡崎、志村、FW28香取武、DF20山中大輝といった選手たちの不在で始まったプレミアリーグEASTの後期。初戦の大宮アルディージャU-18戦は、出場時間の少なかった髙橋宗杜、岡田が、夏の和倉ユースで得た自信を胸に躍動し、それぞれゴールを決めて、3-0で快勝。


続く流通経済大柏戦は、U-17日本代表のフランス遠征で不在となったDF5土屋櫂大に代わり、中学2年以来のCBに入ったMF6由井航太が奮闘。

DF30林駿佑の退場というアクシデントにも、DF32関徳晴がCBとしてプレミアリーグEAST初出場。由井とともに「本職ではない」とは感じさせないプレーを披露した。

チームも「何も言わないのに、彼らがコントロールしていた」と長橋康弘監督が感嘆する、これまでに見られなかった一面も見せ、流通経済大柏の攻撃を抑え込んでみせた。


出場を重ねてきた選手たちがいなくても、夏で自信を得た選手たちを中心に、ピッチに立った選手たちが「穴を埋める」のではなく、それぞれの持っている力を発揮し、チームに貢献できる。そして、さらに大きな自信をつかんでいる、という好循環がいまのフロンターレU-18にはあると思う。

加治佐の不在で迎える今週末も、チームや選手たちがさらに前に進むためのチャンスなのだ、と思う。

(文中敬称略)

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