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フロンターレU10 – レジスタFC / F・マリノスカップ2013準決勝

6月8日夕方、多摩川沿いを自転車で走っていると、河川敷で4人の制服姿の高校生たちがトランペットなどを吹いて、メロディーを奏でているところを見た。


何の曲かは分からないけれど、演奏を終えた彼女たちは、楽しそうに顔を見合わせて笑い合い、その光景は、目にしたわたしの心もあたたかくなるような幸せなものだった。

緊急事態宣言中、一人でトランペットなどを吹く人たちは、何度となく見たけれど、こんなかたちで、すてきな音楽を聴くのは久しぶりだった。


一人でボールを蹴っていたサッカー選手たちも、久しぶりにチームメートと集まり、パスを交換したのなら、あんなふうに笑い合うのだろうか。

日本のどこかの河川敷などで奏でられるメロディーが、やがて多くの観客の耳を楽しませる演奏会につながっていけばいいな、と思うし、日本のいろんなグラウンドで再びかわされ始めたパスが、やがてピッチの上で繰り広げられ、サポーターたちやサッカーファンの心を揺さぶる試合へと、つながっていけばいいな、と願う。




昔のノートからフロンターレアカデミーの試合を振り返る。第48回目は引き続いて、2013年12月のマリノスカップU-10。横浜F・マリノスプライマリー追浜との準々決勝をPK戦の末に制した川崎フロンターレU-10は、レジスタFCとの準決勝に臨んだ。


【川崎フロンターレU-10 F・マリノスカップ準決勝 vs レジスタFC】

2013年12月28日(土)午後1時1分キックオフ マリノスタウン 晴れ 8人制 15分ハーフ


フロンターレの先発は、GK11山本蒼己、最終ラインは右から7佐々木輝大、3田鎖勇作、6秋葉拡人、中盤は8小室愛樹、右に9石原央脩、左に14佐川新太郎、前線には10五十嵐太陽。



レジスタの先発は、GK1彼島優、最終ラインは右からキャプテンの6湊龍雅、5宇田川侑潤、8吉岡達也、中盤は4宇田川瑛琉、右に15篠田大輝、左に16小林純太、前線には9山崎倫。




立ち上がりはレジスタのペースで試合は始まる。山崎が積極的に仕掛けるなど、レジスタはフロンターレのゴールの前に迫っていき、次々にコーナーキックを得ると、3分にはスルーパスに山崎が抜け出し1対1となるが、山本が足で止める好守。


さらにコーナーキックも得て、キッカーの湊が入れたボールに、遠いサイドに迫るが、これはシュートにはつながらない。


フロンターレも、8分にはエリア外右、うまく前を向いた佐々木がミドルシュートを打つが、これは右に。レジスタも直後には、精度の高い左クロスに小林が飛び込むが、さわることはできず。


フロンターレはパスとうまく相手を剝がしながら前に出られるようになり、10分には、エリア外右、秋葉が遠いサイドを狙い、シュートを打つなど、ゴール前の場面をつくっていく。



11分にはレジスタ、篠田がエリア正面へ。シュートを打つが左へ。


すると直後にはフロンターレ。ドリブルでエリア正面やや左から前に持ち込んだ五十嵐がシュートを打つと、これが決まり、1-0。先制点はフロンターレに入る。


さらに13分には五十嵐、対面する相手との1対1を制してシュートを打つが、彼島がセーブ。レジスタもコーナーキックを立て続けに得るが、フロンターレはしのいでいく。


前半は1-0。フロンターレがリードしてハーフタイムへ。



後半フロンターレは、GK佐々木、最終ラインは右から山本、田鎖、秋葉、中盤は小室、右に石原、左に佐川、前線には五十嵐。




後半は立ち上がりからレジスタが小気味のよいドリブル、うまく間でボールを受けるなどして迫る時間が続いていく。5分には右コーナーキック、こぼれ球に反応した小林がシュートを打つが、ワンタッチあり、決まらず。


その後も精度の良いセットプレーも交えて迫るレジスタ。8分、右コーナーキックを得ると、湊が入れたボール、遠いサイド、山崎が合わせて、1-1。レジスタがついに追いつく。


10分には、さらにレジスタ。湊の左クロスに山崎が頭で合わせるが、右へ。


フロンターレも直後には、正面、五十嵐がミドルシュートを打つが、これはバーに。13分には、レジスタ、左コーナーキック、湊が入れたボール、宇田川瑛琉が合わせるが、佐々木がセーブ。


後半はタイムアップとなり、1-1。試合の行方は、フロンターレにとっては準々決勝に続いて、PK戦に委ねられる。


フロンターレはGKを佐々木から田鎖に交代する。


双方まずは3人ずつが蹴り、競うPK戦。先攻はレジスタ、後攻はフロンターレ。


レジスタの1人目は山崎。左へ決めて1-0。

フロンターレの1人目は田鎖。田鎖も左へ決めて1-1。


レジスタの2人目は篠田。篠田は右へ蹴るが、田鎖がこれを止める好セーブ。

フロンターレの2人目は秋葉。秋葉が右へ決めて2-1。フロンターレがリード。


レジスタの3人目は吉岡。これを右上に決める。

フロンターレ、3人目は五十嵐。五十嵐は左へ決めて、3-2。この結果、決勝進出を決めたのはフロンターレ。フロンターレは横浜Fマリノスプライマリーと対戦することになった。



前半1-0 後半0-1 計1-1 PK3-2

得点:五十嵐太陽(フロンターレ) 山崎倫(レジスタ)


フロンターレの先発:11山本蒼己、7佐々木輝大、3田鎖勇作、6秋葉拡人、8小室愛樹、9石原央脩、14佐川新太郎、10五十嵐太陽


レジスタの先発:1彼島優、6湊龍雅(c)、5宇田川侑潤、8吉岡達也、4宇田川瑛琉、15篠田大輝、16小林純太、9山崎倫



なお、この世代のフロンターレと、レジスタFCとは2015年のダノンネーションズカップin Japanの予選リーグの最終戦で対戦している。4連勝で並び、得失点差で上回っていたフロンターレはかなり押し込まれたが、GKの長田澪や最終ラインの田鎖勇作、甲斐翔大らの好守でしのいでいき、引き分けに。首位で予選リーグを終えたフロンターレは、決勝トーナメントを勝ち上がっていき、ダノンネーションズカップを制することになる。


https://kawasakisodachi.net/archives/237


レジスタFCの選手たちはその後Jクラブの下部組織に進んだ選手が多く、GKの彼島優はFC東京深川の正GKとして、高円宮準決勝でフロンターレU-15と対戦することになった。


https://kawasakisodachi.net/archives/37584


また篠田大輝は、今季プリンスリーグ関東に戻ってきた昌平高校へ。高校サッカー選手権で得点を決めるなど1年生から活躍をしている。


プリンスリーグ関東での対戦が、どんなものになるのか、とても楽しみにしている。


(文中敬称略)



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