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再開に向けて
7月27日、日本クラブユース選手権ラウンド16でFC東京U-18に敗れてからちょうど1カ月。
Anker フロンタウン生田で日本大との練習試合に臨んだ川崎フロンターレU-18には、いくつかの変化があった。
〇2人の3年生の復帰
まずは、MF6由井航太、MF11岡野一恭平という2人の3年生が帰ってきたこと。
プレミアリーグEAST、青森山田戦で先発して以降、メンバー外の試合が続き、本人も「ホテルに長い期間籠りたい」と、楽しみにしていた日本クラブユース選手権も、不在だった由井は、1本目では、ボランチとして出場。
さまざまな局面に顔を出しながら、ボールを何度も奪い取り、持ち味を発揮していたように思う。
昨年秋のプレミアリーグEAST、桐生第一戦以降、怪我からの復帰を目指す日々が続いていた岡野一。
持ち味であるドリブルで何度も左サイドからいい仕掛けを見せ、左SBのDF4元木湊大とのコンビネーションも深まっているように思えた。
岡野一に代わり、2本目の途中から登場したMF7志村海里も、そのドリブルと、FW13髙橋宗杜やMF14岡田泰輝とのコンビネーションから、時にはエリア内右へ顔を出すなどチャンスを演出しており、左サイドに、岡野一と志村という2人のアタッカーがいる、ということはシーズンのこれからに向けての大きな武器になるのではないか、と感じさせられた。
〇最終ライン
次に見られた変化としては、最終ライン。
CBが、これまでとは逆の右にDF5土屋櫂大、左にDF30林駿佑という並びになったこと。加えて、2本目では右のCBに由井、左のCBにDF32関徳晴が入ったことは、新たな試みだった、と思う。
背景には、おそらく土屋がU-17日本代表の活動のため、チームから離れることが想定される、とこと。日本クラブユース選手権のグループステージ第3節、V・ファーレン長崎U-18戦で負傷交代となったDF20山中大輝の不在ということが考えられる。
U-15時代は左のCBをずっと務めてきた林は、1年生とは思えない落ち着きを相変わらず見せていたし、これまでとは逆の右のCBに入った土屋も、ショートパス、さらには持ち味であるフィードで、攻撃に彩りを加えていた、と思う。
U-15時代以来ではないか、と思われるCBでのプレーとなった由井も、何度もいいボール奪取を見せ、U-18では一貫してSBでの出場が続いていた関も、いいカバーリングを見せていた。
2本目の失点は、最終ラインのビルドアップのミスを突かれたものであり、不安はなくもない。
それでも、由井が最終ラインに入ることで、MF25矢越幹都やMF26齊名優太といった伸び盛りの選手たちが出場する機会も増えると思う。
シーズンのこれから、さらに来年以降も考えると大きなプラスになるのではないか、と思う。
さらにもうひとつ、最終ラインで見られた変化は、MF18八田秀斗の右SBでの起用。
FW、攻撃的なMF、さらにボランチとしても起用されていた八田。右SBでのプレーもものおじせず、前に持って行けるという持ち味を見せ、MF8名賀海月との連係で、チームの攻撃に大きな厚みを加えていたのではないか、と思う。
ここ2年、フロンターレU-18の右を支えてきたDF2江原叡志という存在は、絶対的なものであり、プレミアリーグでの起用があるか、と言われれば疑問符が付く。それでも、こちらも来年以降のチーム、そして八田自身の成長につながっていくものになるのではないだろうか。
〇1年生のさらなる台頭
最後に、触れておきたいのは、2本目の途中で起用された1年生のFW41恩田裕太郎。
前線からの守備、ボールを持った時の推進力、物おじせず、シュートまで持って行けるその力などで、好プレーを見せていたように思う。
1年生ながら最終ラインを支える存在までになった林駿佑や、関徳晴に続ける存在になるのか、楽しみなところである。
プレミアリーグEASTで得点ランクトップの10得点のFW9岡崎寅太郎や、山中がこの練習試合で不在だったことは心配ではある。
しかし、秋へ向けて、チームがいくつかの変化も交えながら、前に進んでいこうとしている。
そんなことを感じさせる練習試合だったように思う。
(文中敬称略)
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